放課後学習チューターの配置等に係る調査研究事業の実践 〔指導課〕 |
学習相談におけるきめ細かな指導の工夫
〜子どもたちの学ぶ力を育てる
学習相談システムの構築〜
― 秋穂町立秋穂小学校 ―
1 学校紹介/2 学習相談システム/3 自主課題学習/4 算数の個に応じた指導/
5 チューターとのふれあい/6 アンケート集計結果 /7 成果と課題
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実 践 の ポ イ ン ト |
チューターによる放課後の学習相談を実施することで、児童の学習上のつまずきの解消や学習意欲の向上を図る。
児童とチューターが継続的に交流できるシステムを確立することで、学習相談を円滑に進める。
児童とチューターが語り合う場面を設定し、児童に自らの学習相談計画を立てさせ、計画した自主課題について解決する力を育てる。
習熟度別算数プリントの自己選択学習を通して、自ら必要とする学習を判断する力を育てるとともに、児童の確かな学力の向上を図る。
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本校は、北西は山口市、北東は防府市に接した秋穂町にあり、町のほぼ西半分を校区としている児童数281人・学級数13の学校である。
【学校教育目標】
「豊かな人間性を備え、社会の変化に対応して、自分のよさを発揮して生き抜くことができる秋穂っ子を育成する。」 |
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【めざす児童像】
明(あ) 明るく (自ら学び、よく考える子)
健(い) いきいき(じょうぶな体で、よく働く子)
誠(お) 思いやり(思いやりがあり、明るく素直でやり抜く子)
平成15年度から「放課後学習チューターの配置等に係る調査研究事業」の指定を受け、児童の学習上のつまずきの解消や学習意欲の向上めざして研究に取り組んでいる。
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【対象学年】4・5・6年希望者
【児童登録人数】38人
【チューター登録人数】山口大学教育学部学生37人
【相談日時】水曜日 13:50〜14:40
【グループ分け】
登録児童は、継続的に参加できる児童であり、固定の4グループに分けた。グループ単位の学習相談を基本とし、チューターは、この4グループのいずれか一つを担当している。学習について引継事項があれば、グループ内のチューター同士で行うようにしている。
【学習相談の流れ】
自主課題学習と算数の個に応じた指導は、2対1の割合で行っている。
【連携】
担当教員が、随時担任と連携して児童の学習状況を把握し、学習相談前、チューターに学習レディネスを伝える。学習相談後、チューターは、工夫・悩み・苦労などを担当教員と語り合う。
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児童が自分の思いや考えをチューターと語り合う中から、児童自ら学習課題を設定し取り組んでいる。そして、その課題についてチューターが学習相談を行うようにしている。混乱を避けるため、教科は国語・社会・算数・理科に限定して、「放課後学習相談計画表」をもとに様々な学習を行っている。
具体的に行った学習内容は次のようなものである。
国語 ローマ字・文章問題
漢字・読書感想文
社会 歴史調べ学習
人物調べ学習
算数 計算ドリル問題
教科書問題
市販の問題
間違い直し
理科 調べ学習
実験(途中から未実施) |
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(自主課題学習) (学習相談計画表)
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パターン1では、各学年の算数指導計画に合わせて、補充的発展的な学習プリントを児童が判断し、自己選択した学習プリントを解いている。
パターン2では、全体でまとめの学習プリントを行い、できた児童から発展的な学習プリントを解いている。
いずれも、チューターが学習プリントについて学習相談を行っている。
(算数の個に応じた指導)
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左の写真は、平成16年度、最初の開催日に行った自己紹介を兼ねたふれあいであり、右の写真は最後の開催日に行ったふれあいである。意図的に児童とチューターの交流を図った活動と位置付けられる。
(開講式) |
(閉講式) |
右の写真は、児童が演じている「孫悟空」の劇である。この劇は、12月のふれあいの日に、児童が自発的にチューターのために演じた劇であり、交流の深まりが伺える。
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(劇「孫悟空」) |
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【児童38人】
@ 放課後学習チューターの学習相談は楽しかったですか。
A 放課後学習チューターの学習相談は、あなたにとって役立ちましたか。
B どんな点で役立ちましたか。
・復習ができた。(57.9%)
・わかるようになった。(52.2%)
・学習の仕方がわかった。(39.5%)
【チューター35人】
@ 放課後学習チューターの学習相談は、あなたにとって有意義でしたか。
A どんな点で有意義でしたか。
・児童理解の深まり(80.0%)
・児童との人間関係(62.9%)
・教員志望の高まり(62.9%)
B 学習相談について、どのような工夫をしましたか。
・やる気を高める言葉(74.3%)
・つまずきへの支援(62.9%)
・個に応じた指導(54.3%)
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○ 児童は「わかるようになった」と感じ、学習上のつまずきが解消され、学習意欲が向上した。
○ 継続を意識した自主課題学習によって、児童とチューターがスムーズに交流することができ、児童は主体的に課題を見出し解決することができた。
○ 継続して行った算数のプリント学習は、児童にとって復習に役立ち、学力が向上した。
○ 児童との交流によって、チューターは児童理解が深まり、教員志望の意識を高めることができた。
○ チューターは、児童の学習意欲の向上をめざし工夫することができた。 |
○ 学校諸行事の都合で規則的な週一回の学習相談の開催が難しく、ブランクが生じる。継続を求めるとき、児童の意識に多少影響がある。
○ 放課後の学習相談以外の活動に、チューターが参加しやすい環境を整える必要性がある。 |
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個に応じた指導法を工夫する。
個別学習用の資料を蓄積する。
継続した学習相談システムを構築する。
チューターと教師のかかわりを通して互いに意識改革を図る。 |
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