キャリア教育の推進                        〔指導課〕

キャリア教育の推進                        
 −下関市立玄洋中学校−

     1 学校紹介2 主な進路学習の概要(1)主な進路学習
     (2)進路指導全体計画の見直し(3)キャリアセミナー(1年生)
     (4)職場体験学習(2年生)(5)高校訪問(3年生)
     (6)校内教職員進路指導研修会3 生徒・教職員・学校運営への効果
     4 研究成果と課題5 実践に当たってのポイント
実  践  の  ポ  イ  ン  ト
 体験的進路学習を取り入れた学校進路指導全体計画の見直し。
 キャリアアドバイザーとして地域人材、企業人材等の継続的活用の推進
 
職場体験等、啓発的な進路学習の推進。
 高等学校等上級学校との連携によるキャリア教育の推進

1 学校紹介
 本校は、本州最西端、平家滅亡の哀史を秘め、武蔵・小次郎ゆかりの巌流島をいただいた彦島のほぼ中央に位置している。校区は、化学工業・造船業を中心とする下関の重要工業地帯である。したがって、校区の人口は工業等の景気に左右されるが、近年生徒数は減少傾向にあり、現在、全校生徒283名である。生徒は全体的に素直で明るく、よく挨拶ができる。生徒会活動が活発で、生徒の手で主体的に活動をすすめている。
 平成13・14年度にキャリア教育実践モデル地域指定事業推進校の一つに指定され、進路指導全体計画の見直しの機会を得た。

  
       (校門から見た玄洋中学校)


 TOPへ戻る


2 主な進路学習の概要(1)主な進路学習
4月 ・進路指導全体計画の見直し
・進路資料室の設置
8月 ・職場体験学習(2年生)
・高校体験入学(3年生)
・進路指導だよりによる啓発活動
10月 ・高校訪問(3年生)
11月 ・校内教職員進路指導研修会
1月 ・キャリアセミナー(1年生)


 TOPへ戻る


(2)進路指導計画全体の見直し
 本校進路指導全体計画は、長年見直されないまま使用されていた。
 社会変化に対応した進路指導の見直しの時期ではないかということからも、体験的進 路学習と特別活動、総合的な学習の時間を考慮した進路指導全体計画の見直しが必要と 考えられた。
 具体的には、これまでの特別活動における進路指導の内容の精選と、中学校3年間の 進路指導に関する各領域の取り扱い時間・内容について、進路指導題材系統図として一 目で分かるよう明確にすることであった。
 これを図に示したものが、以下に示す進路指導題材系統図である。



 TOPへ戻る


(3)キャリアセミナー(1年生)
 アメリカのSuperは「職業的発達の12の命題」の中で、「親、またはそれに代わる人との同一視は、適切な役割の発達に影響を与え」たり、「個人が入る職業の分野は、彼の趣味、価値、要求、親、またはそれに代わる人の役割モデルとの同一視」と関係があると指摘している。
 キャリア・アドバイザーは、Superが言う「親に代わる人」であり、その役割モデルへの同一視が生徒の将来への夢を育てる。職場体験・インターシップとともにキャリア教育の推進の一翼を担うものが、キャリア・アドバイザーの活用である。

@ 指導過程

(1)事前準備 特別活動 2時間
1時間
・いろいろな職業について調べる。
・キャリアセミナー事前アンケート
(2)キャリアセミナー 総合学習 1時間


1時間


1時間
第1部
・キャリアアドバイザー講話「夢に向かって」
第2部
・セミナー(美容師、医師、刑事、保育士、カウンセラー、獣医の6講座)
第3部
・各講座の報告会
・アンケート調査

A キャリアセミナーの評価
 今回のキャリアセミナー後に実施した生徒対象のアンケート調査結果は、以下の通りである。
 8割の生徒が「いろいろな職業を知ることができた」と答え、約半数が進路や職業について考える機会となったと答えている。
 また、職業選択において重視することは、「働く時間がきちんとしていて自分の生活を楽しむことができる職業(37%)」「収入が多くて豊かな生活ができる職業(16%」「自分の特性や能力を生かせる職業(14%)」という順であり、今日の子どもたちの安定を求める気持ちが表れた結果といえる。


(キャリアセミナーで、役だったことは何ですか)


@いろいろな職業を知ることができたA働くことについていろいろ考えた B自分のこれからの進路について、考えるようになったC日常生活に役立つことがあったDその他

(キャリアアドバイザー講話) (キャリアセミナー美容師講座)

 TOPへ戻る


(4)職場体験学習(2年生)
 2年生のキャリア教育の柱となる取組みが、職場体験学習である。生徒は、職場を訪問して、就業の様子を実際に見たり体験したりして、職業に関する多くの情報を収集し、勤労観、職業観を養っている。
 また、職場や地域の人との人間関係を築き、社会性を育む貴重な機会でもある。
@ 指導過程
(1)事前準備 特別活動 1時間 ・希望調査
総合学習 2時間 ・事前準備
(2)職場体験 夏休み   ・体験学習
・レポート作成
(3)アンケート調査 総合学習 1時間  
(4)発表 文化祭   ・レポート発表

A 職場体験学習生徒アンケート調査結果について
 以下のデータを見てわかるように、たった1日ではあるが、生徒にとってはまたとない経験になったようである。やはり、間接体験より直接体験のもつ重みが大きいことの証明といえる。
□職場体験を行う前と行った後で、職業に関する考え方が変わりましたか。
  

□あなたが進路(上級学校・職業)の決定に当たって、一番重視して選ばなくてはならないことは何ですか。
  

(病院体験) (体験レポート)
◎ 職場体験学習を行って自分が最も変わったと感じたこと(考え方・行動)を書きなさい。
ア 日常生活の意識変化
お礼は言葉に出して述べること。
人と接する時の話し方が少し変わった気がする。
自分の考えを持ち、きびきび行動し、みんなに協力することの大切さ。
自分の行動に責任が持てるようになった。
人に対する態度が変わったような気がした。
近所のお年寄りなどに、進んであいさつができるようになり、仲良くなった。
時間を守るようになった。
たいへんなことでも頑張ってやろうと思うようになった。
イ 仕事場での発見や職業観に関するもの
力持ちのおじさんたちがたくさんいるむさくるしいところだと思っていたが、想像と違っていた。パソコン等をやる人がいることにおどろいた。
保育士の仕事は、遊んだりして楽しいものと思っていたが、本当はとてもきついことがわかった。
仕事の内容が思ったものとは違い、地味だったことに気づいた。
最近では、機械を使って大工の作業を行っていることを知った。
仕事は見た目以上にきついことがわかり、どんな仕事でも大変だと思った。
職場では甘えがきかないということ。
大人も楽ではないということ。
やっぱり職業は好きなだけでは続けていけないし、現実は思っていたより厳しいと思った。一生懸命に取り組んでいる姿はカッコ良かった。
職業を選ぶ時、働いたと実感できるところにしたいと思った。
仕事に関する興味がわいてきた。礼儀正しくなったと思う。
人の役に立てるようなことがしたいと思った。
ウ 進路に関する意識の変化
将来のことを考えた方がいいのかなあと思った。
自分が思っていた仕事に就くまでの進路が違っていたことに気づいた。(自分の考えが変わった)
職場体験に行って、進路のことを少しは考えるようになった。
将来の夢なんてどうでも良いと思っていたが、夢がないと進まないなあと思った。
大切なことだから、真剣に考えようと思った。

◎ 事業所からのアンケート調査回答結果
ア 学校への要望等
一度に5人は多すぎるので、1回に1〜2名程度にし、日を分けて実施して欲しい。
体験学習参加の前に、市役所のしくみ・地方行政について勉強会を設けて、事前に体験目的を明確にさせておくと効果的だと思う。
事前の準備がよくできており、指導が十分なされていたことに感心した。
難しい要望かもしれないが、その職種に興味があり、将来の進路として考えている生徒たちが体験することが望ましい。
体験学習実施時間の10分前までに集合させてほしい。
少人数(2〜3人)に分けて受け入れることができればありがたい。生徒一人一人について言えば2日間は欲しい。受け入れ期間は4〜5日になってもよい。
学校、本人、保護者から各々電話がかかったり、正式文書や履歴書を持って入れ替わり立ち代りあいさつに来る。生徒一人一人がアポイントの段階からの勉強というのはわかるが、数校が一斉にこの調子なので、現場としては収拾がつかないのが現状。自分の子だけ日程を変えて欲しいと何度も電話をしてくる保護者もいてたいへん困った。窓口を一つにして欲しい。
職場体験学習を行うための事前の学習などされていると思うが、学習し、体験したことをどう活用するのかがわかれば、受け入れ側の理解も又さらに深まると思う。
イ 生徒に関しての気づき
せっかくの機会なので、活発に質問等して欲しい。
教員をはじめ、生徒たちの熱心な姿を拝見し、ひさしぶりに若いエネルギーをもらった感じがした。
主体性を持ち、あいさつをきちんとして欲しい。(返事は大きな声で、顎で返事をしないこと。)
関心を持って学習していた。
今回の参加者だけではないが、生徒によって違いがあることに驚いている。
もう少し元気が欲しい。
あいさつもきちんとできていたし、明るく元気に子どもたちと接していたので気持ちが良かった。
今は全般的に言えることだが、食事の介助や昼寝の場面で、座る時の足の行儀が気にかかった。相手に対してきちんとひざを揃え、敬意を表して欲しいと思う。感想文等を送ってもらったが、自分の言葉で中学生としての思いを寄せて欲しかった。マニュアル通りでなくても良い。
覇気のない高校生と違い、生き生きした感じがありとてもかわいらしく思える。一人でもいいから希望の仕事をさせてもらいたいと飛び込んできた子もいて、全身で憧れを表す様子は素晴らしかった。しかし、こちらの質問にもひたすら首をかしげるだけという子もおり、本人の希望ではなく仕方なく来たように思える。こういう子を受け入れた現場は「来年はいやだね。」と言ってくるので、今後のためにも本人の強い意志に基づいて参加させて欲しい。
礼状については、以前は子どもらしい拙い文章を流行の便箋に書いてくれ、そういう世界からほど遠くなっている大人たちを喜ばせエネルギーをもらった感じがしたが、今年の礼状は各校で一致しておりたいへんがっかりした。「正しいお礼状の書き方」の例文が配布されたものと思われるが、その内容は中学生向きでなく慇懃無礼な感じさえするものであった。正しい書き方より、生徒それぞれの体験に対する素直な気持ちを自分の言葉で表現させることが本当ではないかと思う。
明るく、あいさつもでき、笑顔も多く見られた。積極的にコミュニケーションをとるのは、まだ難しい様子だった。


 TOPへ戻る


(5)高校訪問(3年生)
 高校生の通学時間帯に合わせて、各希望高校に集合し、ホームルームや通常の授業を見学しました。高校によっては模擬授業も実施されました。
@ 指導過程
(1)高校調べ 特別活動 2時間 ・各クラスごとに、調査
(2)高校体験入学 夏休み    
(3)事前準備 総合学習 2時間 ・希望調査
・事前指導
(4)高校訪問 総合学習 半日  
(5)ふり返り 総合学習 1時間 ・ふり返りアンケート

A 高校訪問の評価について
○あなたが高校訪問に参加したのはなぜですか?

ア 高校生活について詳しく知りたかったから
イ 自分の希望している高校についてもっと知りたかったから
ウ おもしろそうだったから
エ 夏休みの体験入学に参加できなかったから
オ 学校の行事だから
カ 友達が参加するから
キ 親が参加をすすめたから
○ 高校訪問をして「よかった」と思いますか?

ア とてもよかった  
イ まあまあよかった
ウ あまりよくなかった 
エ よくなかった
○ 高校訪問をしてみて、「よかった」と思えることは、どんなことですか?

ア 通学の様子がわかった 
イ 高校生活の様子がよくわかった
ウ 高校の授業の様子がわかった  
エ 高校の特徴が理解できた
オ 高校進学に対して意欲がわいてきた
カ 進学に対して自信がついた
キ その他

○ 高校訪問全体を振り返っての感想
今回、高校訪問に行ってみてとてもよかったです。商業系の授業をいろいろと見せてもらいました。中国語、プログラミング、簿記、会計の4科目の授業を見ました。プログラミングでは、高校の先輩に1対1で教えてもらいました。とてもていねいに教えてくれたので、とても楽しくできました。簿記や会計では、不渡手形などの用語とかいろいろでてきて、びっくりしました。他にも、図書館や講堂などもいろいろ見ました。夏休みの体験よりもいろいろ見たりすることができてよかったです。
体験入学の時とは違って、高校訪問では授業の様子を詳しく見ることができました。質問の時間では、クラブや食堂について質問しました。高校のことはよくわかったので、あとは受験で受かるようがんばります。
今日、高校訪問に行ってみて、学校の様子などがよくわかってよかったです。授業は中学では勉強しない内容で難しかったけど、授業中の雰囲気が楽しそうでよかったです。生徒さんも優しくて、うれしかったです。希望校の決定にとても役立つし、高校訪問に参加してよかったです。だから、今後も続けた方がいいと思います。
行く前はとても不安だったけど、高校の雰囲気がとてもよくて楽しかった。また、高校生がみんな楽しそうだったので、この高校に通いたいと思った。今日はとてもためになった。
私は夏休みに訪問したので、高校の特徴はすでに知っていましたが、今回、授業参観ができるということで迷わず参加を希望しました。授業だけでなくホームルームも見学しましたが、どちらともクラスの雰囲気は静かだったし、みんなきちんと予習復習をしていたりして、「さすが高校生だなあ。」と思いました。高校の先生方や先輩たちは
すごく親切で、すごくよかったです。
私は今回英語の授業を参観させてもらいました。中学生の内容とはどのくらい違うものなのかという興味がありました。やはり、内容は難しくなっていました。私はちょっとでも理解しようとがんばりましたが、わからない所もありました。でも、今回、高校訪問をしてみてこの高校に行く意志が強くなったと思います。 これから受験に向けて一生懸命勉強したいと思います。
(模擬授業風景)


 TOPへ戻る


(6)校内教職員進路指導研修会
@ 取組み内容
・地元企業経営者、ハローワーク職員OB、教職員によるパネルディスカッション
・本校のキャリア教育の取り組みと年間進路指導計画の確認

A パネルディスカッションの概要
ハローワーク職員OB
・平成14年の求人倍率について
・求人と求職のミスマッチの現状について
教師から
・これまで行ってきた進路ガイダンスも考えなくてはならい。
・社会の変化を認識させられた。
地元企業経営者
・自分の考えを堂々と言い、人の意見に流されない、しかし、いったん決まったことには従うといった相手の考えを受け止め、受け入れる包容力を持った大人になってほしい。

(職員研修風景)
・先生方には、どんな生徒にも理解できるような話し方を工夫してほしい。
・また、教師の言葉の重みを意識してほしい。
・教師として、仕事80%、自分の夢20%のゆとりがあるとよい。
・生徒の良さを見つけ、その良さをその子の職業観に結びつけてほしい。
・私自身、5年、10年後の夢、目標、姿を語れるようでありたい。

教師
・毎日の仕事に追われ、確かにゆとりのない学校生活を送っている。
・子供にとって夢を描く大人が周りに少ないことは大きな問題だろう。
地元企業経営者
・夢を持つと教師の顔つきが変わる。そういう教師に出会うと、子供も幸せである。
・24時間同じものを引きずるのは無理がある。切り替えが大切。コンサートや映画鑑賞で充電するのも一つの方法。今までしたことのないようなことにチャレンジするのもよい。
教師
・どのような人物を企業は採用するのか?面接ではどこを見るのか?
地元企業経営者
・自分の会社の弱い部分を強化できる人材がほしいため、実績の見える途中採用がどうしても優先する。
・茶髪であっても、仕事のなかでいろいろな人と接しているうちに自分が気づいて直すもので、直さない人は仕事そのものが長続きしない。


 TOPへ戻る


3 生徒・教職員・学校運営への効果
(1)生徒への効果
<キャリアセミナー>
 生徒のアンケート結果、また、感想文より、「いろいろな職業について知識を広め、深める。」の目標は、達成できたものと思われる。また、進路意識の啓発にあたっても、効果が確認された。
<職場体験学習>
 生徒のアンケート結果「職場体験学習を行って、自分が最も変わったこと感じたこと (考え方・行動)」を見てみると、2年生の指導目標である『働くことと学ぶことの目的と意義を理解させる。』『自己理解をもとに、向上心を育てる。』に迫る効果が見られた。また、日常生活の意識の変化や進路に関する意識変化への効果が著しいものがあった。
<高校訪問>
 高校体験入学後の高校訪問であったが、予想以上の効果が見られた。高校生活をより理解させるための目標で実施したものであったが、生徒にとって、各自の現在の生活や進路意識までに刺激を与えられたことは、予想外の効果であった。
(2)教職員や学校運営等への効果
 体験的進路学習の年間計画による位置づけと目標の明確化によって、体験的進路学習の内容が再検討されたり、取り組みの効果や進路指導の重要性が再確認された。また、キャリアアドバイザーの参加による校内職員研修で、進路ガイダンスを行う際の教員の視点拡大が図られた。


 TOPへ戻る


4 研究成果と課題
(1)成果
@ 進路指導全体計画の構築 
 体験的進路学習(キャリアセミナー、職場体験学習、高校体験入学、高校訪問)の取り組みと、これらを取り入れた進路指導年間全体計画を見直すことにより、新たな進路指導計画ができあがりつつある。
 本事業をきっかけに、来年度以降も、継続的に、総合的学習の時間や特別活動の時間を確保しながら、無理のない計画を年度ごとに見直されることが望まれる。
A 進路指導題材系統図
 本事業へ取り組みながら、同時進行で「進路指導の題材系統図」を作成していったが、3年間を見通した進路指導と道徳・特別活動等の関係や体験的進路学習の位置づけが、再認識された。
 「進路指導の題材系統図」作成にあたっては、進路指導で身につけさせたい力である価値観形成・進路情報の探索活用・自己理解・進路計画選択決定の4つの観点をもとに、総合の時間を利用する体験的進路学習を中心に、特別活動、道徳、行事等の題材等との関連を図り、進路指導が行われるように系統付けをした。
B 生徒指導面での効果
体験的進路学習の実施、また、進路資料室や学年・進路資料室だよりによる啓発活動によって、生徒が自分の進路を前向きに考え、校内でも落ち着きのある生活が送られるという変化が見られるようになった。
生き方指導としての進路指導の充実が、子供の夢や希望を明確にさせ、生徒自身の心の成長を促していくようである。
C 教員への効果
 キャリアアドバイザーをキャリアセミナーや校内研修にお招きしたことで、特に教師側には、今日的な視野をひろげる機会となり、ガイダンス能力の向上につながった。
(2)課題
@ 進路指導全体計画のさらなる充実
 進路指導全体計画については、各教科・道徳・特別活動・総合的な学習の時間との関連をこれまで以上に見直しながら、より具体的な位置付けをしていかなくてはならない。
A 体験的進路学習の充実に向けた連携の重要性について
 キャリア教育の中核をなすとも言える職場体験やキャリアセミナー体験的進路学習については、校内的規模の取り組みによって内容・指導方法等の改善は、回を追うごとに期待されるが、今後の継続的な実施および充実に当たっては、関係機関、事業所、高等学校、中学校などの連携、さらに、目的意識の共通化が課題として残っている。
B 地域・家庭との連携
地域、家庭との連携をいっそう深め、これらの教育力を進路指導に取り入れるための、中学校としての働きかけを工夫していかなければならない。


 TOPへ戻る


5 実践に当たってのポイント
キャリア教育の推進のためには、 地域、各家庭、事業所、高等学校、中学校の一層の連携を図るために、連絡協議会の設置等、工夫が必要である。
キャリアアドバイザーの活用や職場体験学習・学校訪問に取り組んで、進路指導において中学校外の教育力の効果の大きさをあらためて実感することができた。それぞれの教育力の連携は、大きな効果を期待できる。
キャリア教育の推進のためには、目的意識の共通化、実施にあたっての負担軽減化を図るためにも、市・県レベルでの取り組みも、大きなポイントとなるのではないか。


 TOPへ戻る               実践編へ戻る