幼保小連携の取組み                        〔指導課〕

「豊かな心と生きる力を育む」
   〜幼保小の連携を通して〜
     −菊川町立岡枝小学校−

    1 学校紹介2 年間計画3 行事におけるふれあい
    4 保育・授業におけるふれあい5 日常におけるふれい
    6 保護者・地域との連携7 教職員の連携8 成果と課題

実  践  の  ポ  イ  ン  ト
 行事や学習活動、園や学校生活全体における活動を見通し、詳細な交流年間計画のもとに実施する。
 幼保小の園児・児童の発達特性を踏まえ、それぞれの段階における指導のねらいを明確にした活動計画をたてる。
 保育士や教師全員で、園児や児童の援助・支援にあたる。
 園や学校での日常生活においても、幼保小の連携や地域との連携の機会を多くもつ。

1 学校紹介
 本校は、四方を山に囲まれ、「小日本」と呼ばれる菊川盆地のほぼ中央に位置している。学校周辺には田園が広がり、初夏の麦と秋の稲穂と、年に2度黄金色に色づく自然豊かな地域である。岡枝地区は、昔より「地域の子どもは地域で育てよう」という思いが強く、それは「岡枝教育」という言葉で今日まで脈々と引き継がれている。地域の人々の教育に対する積極的な協力体制のもと、子どもたちは明るく素直で、伸び伸びと成長している。



 

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2 年間計画



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3 行事におけるふれあい
 運動会・学習発表会・持久走大会等の大きな行事の中で、園児・児童が、それぞれの目標をもって活動している。年齢や発達段階の差はあるが、いろいろなことを共に体験し、共感する場面をもつことにより、それぞれの成長や発達が促されている。それはお互いに思いやりやあこがれをもちながら、自己を発揮する場ともなっている。





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4 保育・授業におけるふれあい
(1)実践例1(いもきょうだいの活動)(幼稚園・1〜3年生)
 平成11年度に誕生した「いもきょうだい」は1〜3年生の縦割り班で構成されていたが、平成13年度より園児も加わり、より広い年齢層の異年齢集団となった。1グループ4〜6名の子どもたちが擬似きょうだい集団として活動を共にしている。主な活動がサツマイモの栽培・収穫であることからこの名前がついた。3年生が長男・長女となり、班のリーダーとして活躍している。




(2)実践例2(1・5年生の活動)

 本校の生活科・総合的な学習の時間は、「人とかかわる」「自然とかかわる」「自分を見つめる」という大きな3つの柱をたてて実践している。幼稚園児とのふれあいは「人とかかわる」に位置付けられ、年間を通して行われている。平成13年度からは、保育園児とのふれあいも加わった。






(3)指導案・実践記録について
  @ 指導案について
 平成12年度までは幼稚園・小学校それぞれが保育案・指導案を作成しており、1つの保育・授業を見る際に2枚を見比べなければならなかった。平成13年度より、同一紙面にそれぞれのねらいや活動の流れ・援助・支援等を示した。


  A 実践記録について
 行事や保育・授業で園児と児童がふれあうたびに、実践記録として子どもたちの様子や気付きを記録している。また、子どもたちの作文や日記なども、幼稚園や保育園、小学校の教師や保育士で読み合ったり、記録として残したりしている。



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5 日常のふれあい
 休み時間など自由にふれあう時間はもちろん、朝学、クリーンタイム、ふれあい給食など、共に過ごす時間を大切にし、ふれあいを深めている。
 授業の発展の場として園児の前で発表したり感想を聞き合ったりすることが、児童にとっては人前で発表する自信につながり、園児にとっては学校の様子を知るよい機会となっている。



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6 保護者・地域との連携
 本園・校のPTAは、地域の協力を得ながら常に一緒に活動しており、「育友会」と呼んでいる。「地域の子は、地域で育てよう」という考え(岡枝教育)が浸透しており、保護者・地域・学校が協力して、子どもたちの教育を進めている。
 連携は、参観日を利用した学習会・講演会、学校だより、学級通信、連絡帳、家庭訪問、地域の方との交流などを通して行われている。




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7 教職員の連携
 子どもの特性や発達段階を知るために、幼稚園教育要領と小学校指導要領の読み合わせ、幼保小の保育参観や授業参観、研修会など、お互い声をかけ合い積極的に取り組んでいる。
 園児が小学校に入学してからも、幼保小の連携を保ちながら、情報交換を密にし、子どもたちの個別の指導に役立てている。



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8 成果と課題
◎ 成果として
 継続的なふれあいの場を設定することにより子どもたちのよりよい成長を促すことができた。
 連携活動により、年齢差のある人とのかかわりも自然にとれるようになった。
 地域の方に継続して連携活動にかかわっていただけるようになった。
 活動の前後の指導も大切にすることにより、充実した継続的な保育・学習活動となっ た。
 教師、保育士が一緒に指導案を作成することで、互いの発達段階に応じたねらいや支 援・援助等をより理解できるようになった。
 研修会や交流活動を通して子どもの発達段階や幼稚園・保育園・小学校それぞれの教 育課程等についての相互理解が深まった。
 幼稚園・保育園・小学校の教師や保育士が、交流活動での子どもたちの様子を伝え合 うことにより、いっそう園児や児童への理解が深まった。また、活動の中で、子ど もたちが変容していく姿に接し、連携の必要性を再認識することができた。
● 課題として
 子ども一人一人をこれまで以上に見つめ、教師サイドの自己満足にならないように努 めたい。
 交流活動の精選が必要。手紙や作品交換などの間接交流や日常生活の中での交流を効 果的に取り入れたい。
 子どもにとって無理のない自然な活動を心がけ、教師・保育士間の交流をさらに進め ていくことで、より充実した連携教育を展開していきたい。
校長からみた指導のポイント
 連携教育は、保育士や教師がお互いの保育や教育を理解し合うことから始め、共同研究・合同実践を重ねていく中でよい方向を模索する。
 園児・児童による異年齢グループ(縦割り班)を編成し、年間を通して継続的にふれあう場や時間を設けることで擬似きょうだい的な信頼関係を構築する。
 子ども一人一人の育ちを連続的に捉え、それぞれの発達段階においてつけたい力や体験させたいことを明らかにするとともに、それが効果的に習得・体験できるような交流活動を展開する。
 学校だよりや学級通信、保育・授業の地域公開等を通して、連携教育のねらいや取り組み等について積極的に情報発信していくことで、保護者や地域の理解や協力を得る体制を確立する。


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