積極的な生徒指導の推進                        〔指導課〕

積極的な生徒指導の推進     
−山口県立熊毛北高等学校−

 1 学校紹介2 具体的な活動計画3 実践に事例(1)ボランティア体験活動/
     (2)総合的な学習の時間の活用(3)不登校傾向生徒への支援
      (4)スクールライフサポーターの活用4 成果と課題参考資料
実  践  の  ポ  イ  ン  ト
 生徒一人一人に対するきめ細かな生徒理解を教員が共有し、指導の一貫性と個別性をもたせることを大切にした。
 生徒の主体性を育むためにはどのようにすればよいのかという視点で、様々な取組みを企画・立案することに心がけた。
 取組み目標や意義について、教職員の共通理解を図り、学校全体の協働体制づくりをめざした。
 保護者や地域に対し、本校の生徒指導方針を分かりやすく説明することにより、外部の理解を得て、継続的な連携協力体制の充実を図ることを心がけた。

1 学校紹介
 本校は、豊かな緑に囲まれ、静かな環境にあり、文化6年(1809)に創立された郷校「徳修館」をルーツとして、200年の歴史と伝統を受け継いでいる。
 また、本年度は普通科3クラスとライフデザイン科3クラスからなり、生徒定員240名の普通科・専門学科併設の小規模校である。
 生徒の指導にあたっては、生徒一人一人の個性を尊重し、マナーや身だしなみ、集団の秩序を重んじる校風を大切にしている。




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2 具体的な活動計画
 本校では、「生徒一人ひとりを大切に」を生徒指導上の基本方針にすえ、その精神を活かした教育活動の展開をあらゆる領域にわたって計画・実施している。
   


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3 実践事例(1)「豊かな心」を育むボランティア体験活動
(1)「豊かな心」を育むボランティア体験活動
 本校では、地域でのさまざまな活動の体験を通じて、ボランティア活動の意義の理解とボランティア精神の涵養を図り、生徒自身が体験の中で、「他人への思いやりや親切な心」を通して「豊かな心」を育むことをねらいとして、多様なボランティア活動への参加を推進している。
ア 熊毛ボランティアバンクへの登録の働きかけと活動の推進
 本年度、地元の熊毛ボランティアバンク(正式名称;体験活動ボランティア活動支援セ ンター)への登録者数は38名となっている。登録者に対しては、ボランティアバンクか ら活動依頼がなされ、さまざまな活動への主体的参加が活発に行われており、地域からも期待されている。

ボランティアで活躍する生徒

グリーンオアシスで泳ごう
6月21日
玖珂グリーンオアシス
イ ボランティアに関する説明会の実施 
 ボランティア活動に関する生徒の理解の深化と情報提供を図るため、地域のボランティア活動関係者の方々を招いて、説明会を開催した。
 この会では、シンポジウム形式で実際の活動やボランティアバンクの取り組み状況についての話を伺い、ボランティア意識の高揚を図った。

ボランティア説明会のようす

本校体育館で全校生徒を
対象に行った
(出席者:熊毛障害者父母の会代表/徳山大学B.B.Sのみなさん/周南市社会福祉協議会/熊毛総合支所健康福祉課/周南市教育委員会社会教育課/熊毛体験活動ボランティア活動支援センター)


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(2)総合的な学習の時間の活用
 平成15年度、総合的な学習の時間は、生徒の主体的な学習を保障するため、4系列18講座を開講した。本校では、この時間を積極的な生徒指導の推進に活かしている。
ア 外部講師を活用(手話)してのボランティア意識の高揚
 平成15年度の「生活と福祉系列」の講座では、実際に手話通訳を担っておられる方と聴覚障害の方に講師をお願いして、手話の講習を行い、生徒の手話の習得の一助と手話ボランティアの意義や役割についての学習を深めた。

総合的な学習の時間を活用した
手話講習のようす

イ 人間関係づくりプログラムの活用
 教員がスクールライフサポーター(SLS)と協働し、「自己開発系列」の「新しい自分とのワーク」という講座において、人間関係づくりプログラムを活用した学習を行った。
 これは、生徒相互の交流を深めると共に「自己の在り方生き方」について考察する学習活動として行われたものである。各種のゲームやワークなどのグループ活動を通して生徒自身がグループの中で自分を見つけ、他者との関わり方を楽しみながらトレーニングする活動である。



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(3)不登校傾向生徒への支援
 本校では、別室登校制度を充実させるとともに、高校生の心のケアを図るために、県教育委員会から配置された臨床心理学を学ぶ大学院生であるスクールライフサポーター(以下、SLS)によって、不登校傾向生徒の支援体制は飛躍的に充実した。
ア 別室登校制度の整備
 本校では、従来から、不登校傾向生徒への対応について、教育相談委員会により共通理解を図るとともに別学規程の適用等を通して事態の深刻化を回避するようにしていましたが、平成10年度に生徒支援の体制をより明確にするため別学規定の整備や自習室の確保を図って、一人一人に対する教育相談体制の深化・充実の取組みをさらに進めた。
 この別学規定の運用については、適宜、見直しを図って、生徒の実態に即したものとなるよう改善を行っているところである。
イ スクールライフサポーターによる支援
 スクールライフサポーターと教育相談係との連携によって、継続した精神的なケアが日常的に可能となった。相談の窓口が広がり、より専門的な教育相談を校内で受けられることが、不登校傾向生徒にとって心強い支援となっている。



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(4)スクールライフサポーター(SLS)を活用した教員研修の充実
 学校としてのカウンセリング機能を向上させるため、SLSによる教職員の教育相談研修を充実させている。この研修により、本校教職員は専門的な教育相談の手法や最新の成 果について、日常的に学習し、援助を受けながら実践することができる

【平成15年度の研修】
期  日 研修会名 研 修 内 容
5/19
7/11
12/12
校内研修会T
校内研修会U
校内研修会V
発達障害、ADHDについて
広汎性発達性障害について
アサーションについて


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4 成果と課題
 ○ 成 果
 ボランティア体験活動の推進や総合的な学習の時間を活用した人間関係づくりは、「他人へ の思いやりや親切な心」を涵養し、「豊かな心」を育む機会として機能したと思われる。
 また、不登校傾向生徒への別室登校制度の整備とSLSの配置によって、本校の教育相談 体制の飛躍的な充実が図られた。特に、SLSの配置は生徒の相談窓口を広げると同時 に教職員にも「ゆとり」を生み、指導体制の一層の深化・充実が可能となった。
 ● 課 題
 今後、さらに「生徒一人ひとりを大切に」する学校づくりを進めるために、生徒の夢や希望の 実現に向けての関心や欲求を生徒の主体的な発達課題とうまく結びつけさせながら、人として のあるべき「在り方生き方」を導くことを主眼とした「積極的な生徒指導」推進のための具体的 な方策を探ることが課題である。


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参考資料
【平成15年度:生徒の主体的なボランティア活動実践】
活  動  名 期 日 / 場 所 参加人員
なべつる園もやい祭り
障害児ミニデイサービス
4/29
「なべつる園」

4名
障害児の体操デイサービス 5/10〜3/31
高水公民館

3名
障害児ミニデイサービス 6/14
高水公民館

2名
グリーンオアシスで泳ごう 6/21
玖珂グリーンオアシス

3名
親子焼き物教室 6/28
勝間ふれあいセンター

2名
お年寄りとふれあい交流を深める 7/19〜8/31
特別養護老人ホーム「天王園」

6名
学齢障害児ミニデイサービス 8/1〜8/29(5回)
高水公民館

2名
養護学校サマースクール 8/7〜8/8
山口県立田布施養護学校

4名


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