学年のはじめ,ぼくは「総合」って何だろう?とずっと思っていた。しかし,写真館を重ねていくうち,「総合」のよさが心からわかってきた。3回目の写真館を終えて,クラスみんなの前で今までの思いをふくめ,感想を伝えた。ぼくは,正直涙があふれた。
思いも,感じたことも,何もなかったぼくが,なぜ今日本当にこころから泣けたのだろうか。
白紙のままで地域の人と出会い,白紙のままのぼくに,いろいろなことを教えてくださった。思えばある日の夕方,ある方の家に取材に行くと,
「よく来たねえ,寒かったろうに。まあ入りなさい。」といつもやさしく,あたたかい笑顔で迎えてくださった。
ある家では,
「ぼく柿食べるかね」
とたくさんの柿をくれた方もいた。
白紙のままで出会い,いろいろなことを教えてくださった人が,気軽に柿をくださるまで,こころが近くなっていたのだ。そのとき,初めて「こころの距離」を実感した。そして,改めて総合の楽しさを知った。もちろん楽しい分,いろいろなかべにぶち当たり,たくさん大変なこともあった。だけど,先生はこう言った。「『大変』とは大きく変わること」と教えてくださった。だから,ぼくは大きく変わったんじゃないかと,自分でこころから思った。大きく変わったからこそ,本当にこころから泣けたんだと思う。これからも,地域の人たちに支えられながら,感謝しな
がら,自分をみがいていきたい。 |