歯と口の健康つくりの取組み                〔保健体育課〕
生涯にわたり進んで健康つくりの実践ができる子どもの育成
          〜歯・口の健康つくりを通して〜
岩国市立御庄小学校

1 学校紹介2 具体的な活動内容3 成果と課題4 指導に当たってのポイント
実  践  の  ポ  イ  ン  ト
健康診断やアンケート等をもとに、児童の実態や変容を把握し、生涯にわたり進んで健康つくりの実践ができる子どもの育成を目指す。
歯みがきの環境(鏡・タイマー・みがき方の説明図等の設置)を整え、ねばり強く指導(学級活動、委員会活動、総合的な活動の時間等を活用)し、意欲化や実践化を図る。
学校歯科医・学校栄養士・歯科衛生士等の連携(学校保健委員会・家庭教育学級等)を深め、児童が主体的に考え、実践できるように推進する。
家庭・地域への健康つくりに対する啓発(学校だより・保健だより・歯っピーだより等)をし、共に歩んでいけるよう意識を高める。

1 学校紹介
 本校は、山紫水明の御庄盆地のほぼ中央に位置し、明治5年開校以来、130年余の永い歴史に培われ、うるわしい校風が樹立されてきた。歴史的環境や地理的、人的環境に恵まれている。新幹線開通後都市化が進み、道路網、公園、駅前に商店など整備され近郊農業地帯とベッドタウンの両面をもち、人口の増加もみられる。現在の本校校舎の配置は本校の校訓である人間性豊かな子どもの育成をめざし、『人』の字形に建築されている。玄関前の石碑には本校教育のめざす児童像、称して『仁・修・健・働』の四文字が刻んである。

<御庄小学校校舎>

<玄関前の石碑>
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2 具体的な活動内容
(1)研究テーマ
生涯にわたり進んで健康つくりの実践ができる子どもの育成
〜歯・口の健康つくりを通して〜

(2)研究活動の重点事項
@歯・口の健康つくりに関する授業研究の推進
A学校行事・児童会活動・日常的な指導の実践及び校内環境整備の充実
B学校・家庭・地域との連携、研究通信発行による情報発信及び啓発活動

(3)推進組織
@研究部T 授業実践(学級活動、各教科、総合的な学習)からのアプローチ
A研究部U 特別活動(学級活動、学校行事、児童会活動)日常的な指導、保健室の活動、校内環境整備等からのアプローチ
B研究部V 家庭・地域(学校歯科医、関係機関など)との連携からのアプローチ

(4)保健指導の内容と年間指導計画作成
@歯・口の健康つくりに関する保健指導の内容
 ア 各学年の発達段階に合わせた歯のみがき方の指導、デンタルフロスの効果的な利用
 イ 歯科衛生士との連携による個々に応じた歯みがき指導
 ウ むし歯の原因と予防
 エ おやつの選び方。歯によい食生活 
 オ 咀嚼の効用と顎の発達
 カ 歯肉炎の原因と予防
A年間指導計画作成の留意事項
 ア 児童の発達段階を考慮し、系統性を重視した。
 イ 各教科や学校行事との連携を図った。
 ウ 日常の歯みがき指導では歯みがきの重点目標を決め、歯みがきの技能が向上するように配慮した。

(5)実践内容
@学級活動
 ア 1年 第一大臼歯をみがこう
 イ 2年 おやつリストをつくろう
 ウ 3年 むし歯のでき方を知ろう   
 エ 4年 かみかみ大作戦でむし歯を防ごう
 オ 5年 歯周病ってなんだ
 カ 6年 歯みがきの仕方を見直そう

<4年生授業風景>

<6年生授業風景>
A児童会活動
 ア お年寄りを招いて行う児童集会で、歯・口に関するクイズや劇を行った。またお年寄りからかむことの大切さや、歯の健康を保つため心がけていることなどをインタビューしたりした。
 イ 全校朝礼では、保健委員会が歯・口の月別努力目標を発表し、歯みがきの重点ポイントを実践している。

<保健委員会による歯のクイズ>
B個別指導
 ア 個人カルテの作成・利用
 イ 治療勧告書の発行
 ウ 歯垢染色剤を利用した個別指導の実施
 エ 歯科衛生士による個々の歯並びに応じた指導
C日常指導
 ア 歯みがきカレンダーの実施(保健委員会作成)
 イ 親子染め出し体験
 ウ 各担任・養護教諭による声かけ
 エ 校内放送を利用した3分間の歯みがきタイム(音楽に合わせて時間いっぱいみがく)
 オ タイマーやデジタル時計の利用
 カ 平成16年度よりフッ素洗口の実施(週一回)

  <歯みがきの様子>
D家庭・地域との連携
 ア 全学年を対象に歯科衛生士を招いての歯みがき指導を行った。
 イ 児童・保護者向けに「歯・口の健康アンケート」を実施するともに、結果を保護者向けに配布している。
 ウ 学校歯科医の協力で年2回の歯科検診を実施し、歯肉のチェックも行ってもらっている。
E教材・教具の作成や整備
 ア ペットボトルを利用した歯の大型模型の作製
 イ 歯みがき指導のための写真パネルやビデオの整備
 ウ 歯についての書籍の充実
 エ 授業で活用した各種教材、掲示資料などを校内の「歯・口健康つくりコーナー」に掲示し、児童の興味関心を高める手立てにした。

<歯・口健康つくりコーナー>

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3 成果と課題
(1)成果として
児童自らが進んで歯みがきをするようになった。手洗い場の写真を見ながらみがいたり、自分の歯がきれいにみがけているかどうかを鏡で確かめている姿も見かけるようになった。
授業で歯・口の学習をしたことで、給食時間によくかんで食べようとする児童が増えた。歯によいおやつや食事に関心をもつようになってきた。
多くの保護者が学校医、学校歯科医、学校薬剤師の専門的な話を聞くことができ、家庭での生活習慣等の改善に結び付いた。
学校歯科医からブラッシング指導やむし歯予防やむし歯予防付いての具体的な話があり、保護者の意識を高めることができた。
(2)課題として
2年間実践した内容を精選し、来年度以降も継続するものをもとに歯・口の健康つくり推進・ 学年別年間計画表を再検討する必要がある。
これまで使った教材、教具や資料を保管し、これからの指導に生かしていくことが大切である。さらに、発達段階に応じた指導をする上で、どの学年でどのような教材、教具、資料を提示し、用語を使うと効果的なのかを考えるとよい。
小学校で学んだこと、実践してきたことが継続して生かしていけるように、小中学校の連携を取りながら、系統だった指導を積み重ねていけるとよい。

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4 指導に当たってのポイント
健康診断やアンケート等をもとに、児童の実態や変容を把握し、生涯にわたり進んで健康つくりの実践ができる子どもの育成を目指す。
歯みがきの環境(鏡・タイマー・みがき方の説明図等の設置)を整え、ねばり強く指導(学級活動、委員会活動、総合的な活動の時間等を活用)し、意欲化や実践化を図る。
学校歯科医・学校栄養士・歯科衛生士等の連携(学校保健委員会・家庭教育学級等)を深め、児童が主体的に考え、実践できるように推進する。
家庭・地域への健康つくりに対する啓発(学校だより・保健だより・歯っピーだより等)をし、共に歩んでいけるよう意識を高める。

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