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二年次は、校内における道徳教育の充実だけでなく、地域での体験学習や地域の人々を招いての公開授業の実施など、地域にある教育的素材を生かして、地域に開かれた道徳教育を推進してきた。同時に、道徳の時間をはじめ道徳教育の質的向上を図るため、地域の人材を活用した指導過程や指導方法の評価、授業者の自己評価など、評価に関する研究も進めてきた。
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宮野をはじめ山口市には、多くの文化施設や観光名所があり、体験活動の場に恵まれている。また、そこには、長年にわたって地域社会を支えてきた大勢の人々が暮らしている。 本校では、このような地域の教育的素材を生かし、郷土のよさや魅力を発見するために、学習場所を校内から地域へと広げた。主として総合的な学習の時間において、1年生では宮野地区の「ウオーク・ラリー」、2年生では山口市内の「フィールド・ワーク」を実施した。地域の文化や自然、そして地域の人々とのふれあいをとおして、生徒は郷土に対する愛着を感じ始めたようである。 さらに、1年生では、道徳の時間に地域の映像クリエイターを外部講師として招へいした。生徒が美術の作品で描いた宮野地域の様々な絵をアニメーション映像にした視聴覚教材を用いることにより、体験学習で感じた郷土に対する愛着をより一層深めることができた。 A 道徳教育に関する広報活動の実施 道徳の時間に学習したことや生徒の感想は、「学年だより」や「学級通信」で各家庭に配布した。また「PTA広報紙」を通じて地域の全家庭に配布し啓発に努めた。 B 道徳教育公開授業の実施
聴覚障害者と手話通訳者を招いたクラスでは、1回限りの授業ではかかわりが深まらないため、障害者理解のねらいを達成するための学級活動の時間を事前に計画してほしかったという示唆もあった。 バングラディシュからの留学生を招いたクラスでは、国際人としての意識の高揚を目的に授業が行われた。英語を理解するのに難しい面もあったようだが、「他国を理解することはとても意義がある」という参観者の感想があった。 また、多くのGTからは「授業に参加するのは初めてで緊張した」「また呼んでほしい」「外から見る中学生のイメージと違い、安心した」などの感想があった。 参観した保護者や地域の人々からは、次のような感想があった。「道徳の授業というと、親の方も構えてしまうが、今回の授業はとても楽しく参観できた」「家庭でも今日のテーマについて話してみたい」「地域の方とのふれあいが日頃浅くなっているし、中学校に来る機会もなかなかないので、このような機会を今後も増やしてほしい」「他のクラスの授業も参観したかった。1時間だけでなく、2時間ぐらいに分けてほしい」「クラスや学年の枠を外し、生徒が自分の呼びたい人を呼んで授業をするのもおもしろいのでは」等、感想のみならず様々な提案もあった。
(案内)
授業者が自らの道徳の時間における指導を振り返り、次の実践に向けて改善・向上することを目的に、下記のような授業者自身による自己評価表を工夫した。 評価が低かったのは、ア−@「生徒の直面している悩みや課題」、イ−A「生徒の変容を把握する手だて」であった。今後は、生徒の内面を把握するための手だてを考え、生徒の立場に立った課題を取り上げるとともに、プレテスト、ポストテストを実施するなど生徒の変容を把握するための方法を模索することが課題といえる。 反対に、評価が高かったのは、オ−B「ゲストティーチャーの人材選定」、エ−B「生き方、考え方に触れる場の工夫」であった。多様な価値観をもつGTのそれぞれのよさが授業の中で十分に生かされたことが成果であるといえよう。 A 「地域の人材リスト」の工夫 昨年度より、様々な地域の人材を招へいしているが、授業者の個人的なつながりに頼る場合が多かった。しかしながら、授業者に異動などがあると、そこで情報が止まってしまい次年度につなげられないなどの問題点があった。そこで、地域の人材の情報を学校の共有財産とするために「地域の人材活用リスト」を作成することとした。このリストで様々な情報を共有し、活用後の評価も合わせて記録に残すことで、次年度の計画を立てる際の参考とし、より効果的な人選が可能となるであろう。 B 「外部講師の招へいチェックリスト」の工夫 下記のようなチェックリストを用い、招へいの手順をパターン化した。 C 「授業記録表」の工夫 本校では、年に3回、校内研修会として、各学年毎に「地域の人材」を活用した授業研究を行った。その授業記録を分析し検討することで、指導技術の向上や授業の改善を図った。その際、より多面的な評価ができるよう下記の記録表を活用し、教師やGT、生徒のそれぞれの言動を記録した。授業を様々な角度から検討し次の指導に生かすことで、人材のより効果的な活用方法が明らかになり、道徳の時間の一層の充実を図ることができた。 TOPへ戻る
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