小学校英会話学習の取組み                      〔指導課〕
○豊かな国際感覚の基礎を培う子どもの育成
  〜子どもが生き生きと楽しむ英語活動〜
                       −
阿武町立奈古小学校−

   1 学校紹介2 具体的な活動内容3 成果と課題
実  践  の  ポ  イ  ン  ト
チャンツや歌やゲームを通して、楽しみながら体験的に英語に親しむ活動 を取り入れる。
言語材料を基にした年間活動計画を立て、見通しをもって英語活動に取り組む。
授業前に毎時間指導案を立て、ALTとの打ち合わせを行い、授業のねらいが達成されるようにする。
英語の環境づくりや教材教具を充実し、英語を聞いたり、話したりすることに興味・関心をもたせる。

1 学校の紹介
 本校は、「一人一人の個性を生かし、人間性豊かで、主体的にたくましく生きる三気(元気・根気・勇気)の精神に満ちた、心身共に健康な児童の育成を図る」ことを学校教育目標とし、日々の教育活動に取り組んでいる。
 平成14・15年度には文部科学省指定の「児童生徒の心に響く道徳教育推進校」に指定され、研究主題を「心豊かに、よりよく生きようとする児童の育成〜地域の人材を活用した道徳教育の充実〜」として、道徳教育に取り組んできた。子どもたちはよりよく生きる姿を直接学ぶことができ、思いやりの心も育ってきている。

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2 具体的な活動内容
(1)研究主題
 英語活動を通して、聞くこと・話すことなどの実践的能力を養い、国際コミュニケーションの基礎を培うとともに、言葉や文化に対する興味・関心を高め、国際理解の基礎を培いたいという願いから、本年度から「豊かな国際感覚の基礎を培う子どもの育成〜子どもが生き生きと楽しむ英語活動〜」とし、取り組むこととした。

(2)主題設定の理由
 
☆ 聞くこと・話すことなどの実践的能力を養う。
 ☆ 国際コミュニケーション能力の基礎を培う。
 ☆ 言語や文化に対する興味・関心を高め、国際理解の基礎を培う。
(3)めざす子どもの姿
(4)研究仮説
 子どもの興味・関心を生かしながら、英語でのコミュニケーションを楽しむ場を設定し、その中で子どもたちが様々な活動をすることにより、一人一人が英語に慣れ親しむことができるのではないか。
5)研究内容
  □ 子どもの生活に密着した身近な題材や子どものニーズに応じた内容を用いた年間カリキュラムの作成
  □ 子どもの興味・関心を高め、意欲的に取り組める学習指導
  □ 効果的なTTによる指導
  □ 学習を効果的に進めるための教材や教具の開発
  □ 国際理解に関する環境の整備
(6)研究を支える基盤
  ○ 学習意欲の高い学習集団の育成
l  ○ 教師の指導力の向上と指導における意識改革
l  ○ たえず人権教育の観点に立ちつつ、指導や支援を進める。
l  ○ 学校や学級をとりまく学習環境の整備
(7)活動の実際
 授業に取り組むために、4月当初の研修職員会で、「ファインタイム年間活動計画」を作成する話し合いをした。会議では、最初から体系的・系統的な年間活動計画を作って始めるのは難しいと考えられるので、まずは、子どものニーズを探りながら、取り上げる題材や言語材料を思考錯誤しながら配列し、子どもの反応を判断しながら始めようということになった。そして、子どものつぶやきから、題材の適否を判断し、それから題材の配列や言語材料の配列も変えてもよいとした。
 職員一同、今年1年間は、まずはやってみて奈古小に合った年間活動計画を作ろうと、取り組んでいる。そこで、年間活動計画を作成するために、大切なことを次のように、共通理解した。
 
@ 年間活動計画
英語活動(年間計画).pdf
 
 英語活動の実践では、学級担任は、子どもの実態から英語活動指導案を作成し、教材などの準備をし、ALT(外国語指導助手)との事前のミーティングで学習活動や役割分担を決めている。
 
A 指導案
英語活動(学習過程).pdf
  
B 活動の振り返り
 授業後に子どもたちが書いた「ファインタイム振り返りカード」を見たり、ALTと授業後の感想を話したりして、よかったところや反省点を次回の授業に生かせるようにしている。
C 児童の活動の様子

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3 研究の成果とこれからの実践課題 

(1)研究主題
○ 初年度としては、子どもの日常生活の中の身近な英語を扱うことに重点が置かおかれ、楽しさの中に英語に慣れ親しむことができるように工夫されたことはよかった。
△ 研究主題を「総合的な学習の時間」の中の国際理解に関する学習全体からとらえるようにするとよいのではないか。

(2)研究内容
○ 子どもたちにとって、英語に慣れ親しむことができたこと、積極的に自分を表現する機会を得たことが大きなプラスとなった。
△ 職員の英語力向上をはかるために継続的・計画的な研修を重ねる必要がある。

(3)活動年間計画について 
○ 教師にとっては、ある程度年間を見通すことができ、1時間ごとの計画を立てやすかった。
△ 系統性を考慮した年間計画を立て、ほぼ同じ月に同じ題材を配列し、学年に応じた言語材料を指導すれば、より効果が上がるものと思われる。

(4)ブロック研究のもち方について
@授業研究部と教材研究部について
○ イングリッシュルームの整備、教室の英語表示、教材・教具の保管、年間活動計画・指導案作成など、1年目としてはたくさんの成果があった。
△ 来年度は、「何をやるか」も関係すると思うが、ブロック研究について進めるよう、課題を考えていきたい。
A低・中・高学年ブロックについて
○ 本年度の研修の中軸となって、年間活動計画、指導案作成、教材教具作り、授業実施と、上手に役割分担して準備ができた。
△ 低中高の連携を強め、ある程度系統的な英語活動ができたらよいのではないか。

(5)学習の進め方について
@ 指導案
    授業の流れができているので、新しい題材に入ってもさほど抵抗無く学習することができた。低・中・高学年ごとに同じ指導案で実施してきたので、教師の負担過重を軽減することができた。
△ いろいろな種類のゲームを開発する必要がある。また、1人あたりの活動時間を増やす。

(6)公開授業について
○ 保護者をはじめ、地域の人たちにも理解してもらえることができ、良かったと思う。
△ 低・中・高学年の合同学習で英語活動の授業公開や、時期をずらして各学年の授業公開など、公開の方法を工夫して、より保護者や地域の方々に広く伝える。

(7)研究授業のもち方について
○ 低・中・高学年という風に各学年部で計3回実施し、発達段階に応じた変容が分かり、それに沿って考えることができたのでよかった。外部講師の先生に、いろいろと教えていただけたことがとても参考になり、勉強になった。
△ 全学年で研究授業を行ったらどうだろうか。

(8)英会話研修について
△ 英会話研修は、夏季休業中に1〜2回実施するとよいと思う。

(9)ALTとの打ち合わせ
〇 授業の流れや指導内容を伝えることができ、スムースに学習を展開することができた。また、ALTの意見の中に参考になるものがあり、授業に生かすことができた。
△ 打ち合わせの時間の取り方を工夫し、限られた時間を有効に使えるようにしたい。


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