3 指導の実際 |
(1) 算数科ブロック |
ア 算数における個に応じたきめ細かな指導を行うため、全学年で少人数学習取り入れた。 本校では、主に下記のような指導形態を念頭におきながら、児童の実態や単元の特性を考慮に入れて、指導形態を適切に使い分けていった。 |
指導形態 | 特徴 | 適切な単元・学習 |
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TT | ○ 学級全体の児童に対し、基本的な内容についての一斉指導をするとともに、 場面によっては、個別指導をする。個別指導においては、担当する児童を分担しておくと効果的である。多様な考え方が出ると予想される場合は、学級全体での学び合いが可能となり、高まり合いや練り合いが期待できる。 | ○ 単元導入時で、単元全体の課題を作ったり学習に興味をもたせたりする場合 ○ 作業的・体験的な活動をする場合 ○ 課題別コース学習の後、分かったことなどを発表する場合 ○ いろいろな考え方を出しながら、比較検討する中で、公式などを導き出したり、友達の考えを聞きながら学び合い、自分の考えを深めることができる場合 |
均質少人数指導 | ○ 単純に学習集団を小さくすることで、保護者や子どもには抵抗感はない。学習順序や学習方法などをローテーションさせて指導する場合に有効である。 | ○ 実験・実測等を伴う活動の時、場所や道具をかえて活動した方が一人一人に活動の機会をより多くもつことができる場合 |
習熟度・達成度別少人数指導 | ○ 習熟度や達成度が高いグループでは、ライバル意識が働き、学習に熱が入る。低いグループでは、自分のペースでゆとりをもって学習し、わかるまで学習することが可能となる。どちらも学習のつまずきをより的確に把握でき、発展的な学習や補充的な学習も十分できる。 | ○ それまでの学年の学習内容の理解や習熟の程度に差が大きくある場合 ○ 新しい概念の獲得が難しく、理解の程度に差が出てくることが予想される場合 ○ 単元の区切りや復習で、それまでの学習内容の理解や習熟の程度を確かめながら、発展的な学習や補充的な学習につなげる場合 |
課題別、興味・関心別少人数指導 | ○ 自分自身の興味・関心に基づいて課題や学習方法を選択する学習で、学習意欲を向上させたり、学習に対する主体的な態度を育てたりする上で有効である。 | ○課題別学習や興味・関心別学習を指導計画に組み込んだ場合 |
イ 自ら学び自ら追究していこうとする確かな学力を育てるには、単なる教え込みではなく、学び合い高まり合っていく過程が大切である。そこで、その指導過程における留意点や個に応じた指導のポイントをまとめてみた。このような指導過程は、問題解決的な能力を伸ばすためにとても有効である。 |
指導過程 | ○指導上の留意点 ◆個に応じた指導 |
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問題の理解 | ○ 課題を明確にし、学習に興味をもたせるように工夫する。 |
解決の計画 | ○ 既習事項を整理して提示する。 ○ 結果を予想させ、解決の方法を自分なりに考えるようにする。 |
解決の実行 | ○ 自力解決を促す ◆ 自分では解決が難しい子どもには、声をかけて、つまずきに応じたヒントを与える。 ◆ 一通りできている子どもには、他の方法を見付けたり、確かめをしたりするように促す。 ◆ 時間が十分ある子どもには、人に分かりやすく説明する準備をするように声をかける。 |
検討・まとめ | ○ 答えに違いがあっても自力解決できたことや進んで発表することを認める。 ○ 素直な考え方や分かりやすい考え方から取り上げる。 ○ 似た考え方は、連続して発表させる。 ○ 質問や意見を交流させながら考え方を関連づける。 ○ いくつかにまとめた後、「分かりやすい」「簡単である」などの視点でよりよりものにまとめる。 |
適用・一般化 | ○ 板書を写したり、よりよい考え方をノートにまとめさせたりする。 ○ 学習の振り返りや自己評価をする。 |