小中連携教育                            〔指導課〕

へき地・複式教育センター校として                         
 −周南市立須磨小学校・周南市立須金中学校−

  1 学校紹介2 研究主題の設定3 研究の仮説と研究推進の組織
         4 研究の実際(1)授業研究部(2)活動体験企画部
         (3)児童・生徒指導部5 研究の成果と今後の課題
実  践  の  ポ  イ  ン  ト
 小中合同の授業研究や教育情報の交換。
 行事における連携と総合的な学習の時間での連携。
 児童・生徒理解による信頼関係の構築。

1 学校紹介
 両校のある須金地区は、中国山地の谷間を走る錦川の上流にあり、錦町に隣接する周南市の最北端の山間地に位置し、JR徳山駅から約26km、錦川清流線錦町駅から約10kmのところにある。
 生活圏は、標高170mから350mにわたり平地は少ない。自然環境に恵まれ、絶滅が危惧されるタガメも生息している。
 地域は、過疎化・高齢化が進み、戸数314戸・人口651人(平成15年8月1日現在)で、若い人たちの多くは、本市徳山地区・下松市内へ通勤している。また、盆地という地形の特色を生かして梨・ブドウの生産が盛んであり、シーズンには観光農園に県内外から多くの観光客が訪れる。地域の人々の教育に対する関心は高く、地域の学校としての愛着も強い。
 両校は、平成2年の須金中校舎新築に伴い小・中併設校となった。地域と合同の運動会や「梨の袋かけ(小・中)」、「茶摘み(中)」、「和紙絵づくり(小・中)」など、地域に根ざした教育活動を展開している。
 


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2 研究主題の設定
 お互いのめざす児童・生徒像をもとに小・中連携教育に取り組み、9年間を見通して子どもを育てるために主題を次のように設定した。
      


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3 研究の仮説と研究推進の組織
 児童・生徒に「確かな学力」を身に付けさせるため、教育活動全体を通して、小・中学校教師の連携を中心に研究を進めていくこととした。そのために下記のような仮説を設定し、授業力研究部、活動体験企画部、児童・生徒指導部の3つの部を組織した。 
        

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4 研究の実際(1)授業力研究部
 この部は、小・中学校の教師同士が授業技術を高め合える連携のあり方を研究するとともに、それぞれが「授業力」の向上をめざし、合同授業研究と教育情報交換に取り組んだ。
     
     
   

◎成果と今後の課題
 
○ 成 果
 授業研究の視点を授業技術に当てたことで、小・中学校の教師が積極的に授業について協議をすることができ、小・中学校合同実践の意識が深まった。
 校種の異なる児童・生徒の実態を把握することができ、児童・生徒理解が深まるとともに、9年間を見通した学習指導の取組みができた。
 小学校段階でより一層力を入れて身に付けさせたい児童の学習内容や習慣を研究することにより、児童や学級の実態に応じて必ず身に付けさせたい「必達目標」を設定し、日々の授業での取組みに発展していった。
 中学校では、授業研究で協議されたことを、担当教科それぞれの授業に生かし、授業の工夫・充実を図ることができた。また、生徒の実態に合わせて、小学校の既習漢字を復習し、読み書きの力を定着させるための取組みが始まった。
● 課 題
 9年間を見通した学習規律の在り方の検討
 研究成果の実感(子ども自身、教師自身)と客観的な確認の仕方
 授業力向上のための校内研修システムの確立
 研修のシステムを簡略化し、取組みの雰囲気や意識を引き継ぐなど、授業研究・学習指導面での小・中連携の深化・充実


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(2)活動体験企画部
 活動の場面を小・中学校合同で取り組む活動(運動会や文化祭などの合同学校行事)と小・中学校それぞれが独自に取り組む活動(総合的な学習の時間)に絞って小・中学校の教師の連携を図ることとした。
           
 行事を通してリーダーとして必要な資質、特に「指導力」を全児童・生徒に身に付けさせることを課題とした。
      
 リーダー性の育成について運動会と文化祭で次のように取り組んだ。
      

      

◎成果と今後の課題
○ 成 果
 練習の取組み等を「ふりかえり表」に記入することで次回の練習の持ち方などを検討することができた。
 児童・生徒がリーダーとしての責任を感じ、やり遂げることで達成感や成就感を味わうことができた。
 リーダーになることへの抵抗感をなくすことができた。
● 課 題
 児童・生徒のリーダー性の育成を意識しながら、指導を継続していくこと。
 「企画力」「運営力」を身に付けさせる指導の仕方を考える。
 情報交換により、小学校でどのような力を身に付けさせたらよいか明らかになり、中学校での発展的な学習が可能になった。


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(3)児童・生徒指導部
 「確かな学力」を充実させるためには、児童・生徒理解を十分に行い、しっかりとした信頼関係を築くことが大切である。
   
 保健室前に「みんなの広場」コーナーを設け、行事の後などにテーマにそって子どもたちが自分の思いを書いて貼るようにしている。
         
    

◎ 成果と今後の課題
○ 成 果
 小・中学校の教職員が共通の方向性をめざして取り組むことで児童・生徒の姿がはっきりと見えてきた。
 子どもたち自身の抱える課題、および教師が指導する上での課題が浮き彫りになった。
● 課 題
 他の部との連携をどう継続的に取り組むか。


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5 研究の成果と今後の課題
◎ これまでの取組みから
 可能になった授業での連携
 自分自身の授業に対する見方・考え方の変化
 年間を見通した指導方法の共通理解
              
子どものやる気と自信につながる

● 今後の取組みについて
授業による連携
 授業改善の継続
 客観的な成果の検証方法の確立
 さらなる校内研修体制の充実
 研修時間の時間の確保

              
子どもの変容という事実


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