@ 考える楽しさを味わうための教材・教具の工夫
考える楽しさを味わうためには,教科書の問題を先生が説明して解いたり,公式に当てはめて解くだけの学習をするのではなく,試行錯誤を繰り返したり,帰納的類推的に考えたりして子どもたちが問いをもって主体的に取り組むような活動を仕組んでいくことが大切である。そこで,子どもたちが,「えっ!」「なぜ?」「なるほど!」と心が動かされる場面を算数の学習の中に取り込んでいくことにした。つまり,算数の学習をもっと子どもたちが創り出す場とすることにより,数学的な考え方が高まるものにしようと考えた。そのためには,子どもたちが考える楽しさを味わい,算数が好きになっていくような活動を促す教材・教具を工夫していく必要があると考えた。しかし,教材・教具の開発はそう簡単にできることではない。そこで,身近なところから授業で提示する問題や,授業で使う教具の活用を自分達なりに工夫したり,教科書の問題であっても,提示の仕方を工夫したりすることから始め,徐々に実践事例を増やしている。
A 「数学的な考え方」についての意識調査(誠意小算数チェック)
児童の「数学的な考え方」を高めるためには,まず,児童が算数での学習において,どのような意識をもって取り組んでいるかを把握することが大切だと考えた。そこで本年度は,「誠意小算数チェック」と題した意識調査をアンケート形式で行うこととした。 |
B 児童の「数学的な考え方」の定着をみる評価テスト
数学的な考え方が,児童にどの程度定着しているかということを市販のテストだけで把握することは,なかなか困難なことである。本校では,「数学的な考え方」に対する意識調査も実施して,児童理解に役立てているが,より具体的な形で児童の考え方の傾向をつかみ,日頃の授業に生かす目的で,評価テストを実施している。 |
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(数学的な考え方テストの一例〜5年生) |
C 指導力を高めるための児童による授業評価
授業における学習の主体者は児童である。本校では,このような考えのもと「児童の側から見た授業評価」を行い,その結果を真摯に受け止めたいと,各学年でアンケート実施後,考察を行い,日々の授業に役立てている。 |
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(児童による授業評価) |
(主体的な学びへとつなげる学習記録〜算数ファイル) |
(算数ファイルの一例) |
D 主体的な学びへとつなげる学習記録(算数ファイル)
学習で使ったプリントやテストなど,子どもの学習の足跡を蓄積することにより,子どもたちが自らの学習過程を振り返り,新たな自分の目標や課題をもって学習を進めていくことができるように,算数ファイルを使用している。単元の終わりや学期の終わりにそれらを見直すことで,子ども自身が自分の学習の状況を把握し,自分に必要な学習を主体的に考えることで,子どもの学習意欲を喚起することができる。 |
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@ 算数おたすけ教室
子どもたちの算数学習の悩みを聞いたり,つまずいているところを個人指導したりする目的で,算数相談室を設置している。子どもたちに相談室の名前を募集したところ,「算数おたすけ教室」に決まった。昼の放送で全校児童に「算数おたすけ教室」の開設のお知らせをしたところ,翌日からさっそく利用者が現れた。利用できる時間帯は,昼休みと放課後で,少人数指導の担当者2名で指導にあたっている。現在も,たくさんの子どもたちが利用している。 |
(おたすけ教室看板) |
(お悩み相談箱) |
(おたすけ教室学習の様子) |
A 算数コーナーの設置
全校児童が見やすいように,購買部ホールの掲示板を利用して算数コーナーを設けている。ここにはよく書けている児童のノート,算数クイズ,雑学,授業実践の様子などを定期的に展示したり,いつでもだれでも使える,算数プリントボックスを設置したりして,算数に対する児童の興味・関心を高めるための工夫をしている。 |
B 学習規律の基本
本校は,発表・ノート・板書・学習用具などにも研究の視点をあてている。学習の基盤となるこれらのことを徹底し大切にすることにより,確実に学力が向上していくと考えているからである。 |
C 教材・教具の収集と整理
学力向上フロンティアスクールの指定を受けた初年度,教材室をはじめ校内を整理整とんし,算数科の備品(教材や教具)を学年ごとに並べた。また,算数科教材教具一覧表を作成し,授業で活用できるようにしている。 |
(教材教具一覧表の一部) |
(算数プリント集〜自作) |
D 広報活動の推進
様々な場面で広報活動を行っている。ホームページには,本校が行った研究授業の指導案をすべて掲載している。また,校報・学年通信・学級だよりなどはもちろんのこと,「算数新聞」や「算数だより」など,少人数指導の担当者が独自に発行しているものもあり,広く広報活動を行っている。 |
(ホームページ映像) |
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(算数新聞の例) |