人権教育の推進                              〔指導課〕
 人権教育総合推進地域     
玖珂郡周東町−
    1 地域を取り巻く教育環境2 研究の重点・特色
    3 事業の組織及び推進体制4 研究の経過及び内容
    5 研究の成果と課題6 実践例の紹介(米川小、周東中)    
推   進   の   概   要
 学校、家庭、地域社会が一体となった人権教育の総合的な取組みを推進する。
 基本的人権尊重の精神を高め、一人ひとりを大切にした教育の充実を図る。

1 地域を取り巻く教育環境
 周東町は、昭和30年、周辺の4町村の合併により誕生した。本町は、山口県 東部の島田川上流玖西盆地に位置し、東は岩国市、南は柳井市、西は周南市、北は美川町などに隣接している。地形は、東部から北部、西部にかけての標高600メートルほどの丘陵地と南部の低丘陵地に囲まれ、中央部には島田川とその水系の東川、中山川が中央低地を形成している。
 人口は、14,730人(平成16年10月末)、世帯数は6,026世帯(平成16年10月末)であるものの、その面積〔144.02?(平成8年10月1日、国土地理院)〕は広い。
 本町は、県の長期計画「やまぐち未来デザイン21」との整合性を図りながら、町民の積極的な参画と創造性が発揮できる長期総合計画(10年間)「周東ときめきプラン21」を平成13年に策定し、その基本目標を「幸せ 生きがい ときめきの町づくり」と定めている。、
 本町には小・中学校合わせて9校ある。中学校は、昭和51年4月に、5校(祖生中学校・高森中学校・中田中学校・米川中学校・川越中学校)が統合され、現在の周東中学校になった。町内の小学校の卒業生のほとんどは周東中学校へ入学し、十数名が県立高森みどり中学校、若干名が国立・私立中学校へ進学している。
 本町では学校教育を生涯学習の一環としてとらえ、各学校は特色ある教育を展開し、「確かな学力」「豊かな人間性や社会性」「健康・体力」に支えられた「生きる力」を育む教育を行っている。また、本町全教職員は、今までの成果を積極的に受け継ぎ、町民の期待と信頼に応えるべく、学校・家庭・地域社会が一体となって学ぶことを通して向上発展する「幸せ 生きがい ときめきの町づくり」を目標とする教育の創造に努めているところである。

 TOPへ戻る


2 研究の重点・特色
 平成14年度、本事業の指定を受け、本町では研究主題の解明に迫るために、人権  教育総合推進会議を中心に、次のことを研究の重点と特色として取り組んできた。
(1) 人権尊重の意識を高める取組み
 道徳の時間を中核として、各教科、総合的な学習の時間等で、家庭や地域社会と連携しながら、豊富な自然体験や生活体験を取り入れ、豊かな人間性や社会性の育成を図る。 例えば、次のような取組みを考えた。
  総合的な学習の時間では、ボランティア体験・クリーン作戦・ふれあい花壇づくり・水辺の教室・福祉体験・職場体験等の活動を通して、豊かな体験の機会の充実を図る。また、道徳の時間を中核とし、高齢者や幼児と交流を深めることができる総合単元を開発する。
(2) 幼・保・小・中のなめらかな移行に向けた取組み
 小・中連携協議会は、中学校入学後急増するいじめ、不登校などの教育問題の未然防止を図るための実践を行ったり、教員の交流により、小学校から中学校へのなめらかな移行に向けたきめ細かな指導体制の構築を図ったりする。
 また、学校人権教育協議会は、教職員生涯学習研修会や地区別人権教育研修会等を企画し、教職員の人権意識の高揚を図る。
(3) 家庭や地域の教育力を充実するための取組み
 家庭教育が充実するための支援は、子育て支援自主グループ「こころみの会」が中心になって育児などのセミナーや講演会、学習会を開催する。

  TOPへ戻る


3 事業の組織及び推進体制
ア 推進体制全体の概要 イ周東町人権教育総合推進会議の構成
ウ 関係協力機関の概要(機関の名称、設置目的、主な事業等)
機関の名称 設 置 目 的 主  な  事  業
小・中連携協議会  小学校から中学校への「なめらかな移行」に向けたきめ細かな指導体制を構築する。 (1)児童生徒の学習環境や学校生活の把握
(2)授業や教科担任制の望ましい在り方についての研修
(3)総合的な学習の時間などへの協力
学校人権教育
協議会
 幼稚園、保育所、学校
における人権教育の授業実践と教職員の人権尊重の意識の高揚を図る。
(1)地区別人権教育研修会を組織し、地域における研修を推進
(2)校種間の連携を深めるための研修会の開催
(3)実践事例集の作成
こころみの会  幼児教育や子育て等、家庭教育を積極的に支援する。 (1)育児などのセミナーや講演会の企画開催
(2)家庭教育を充実させるための学習会の開催
(3)子育て支援マップの企画作成

 TOPへ戻る


4 研究の経過及び内容
 研究の3つの柱とそれに関わる活動

 TOPへ戻る


5 研究の成果と今後の課題
(1)研究の成果
基本的人権の尊重という普遍的な視点に立った取組みの中で、基本的人権の意義や人権尊重の理念の正しい理解、実践的な人権感覚や人権の大切さに気付く豊かな感性の育成が期待されている。推進協力校では、その具現化のため、精力的に実践研究を行ってきた。その中で児童生徒は、自分も他の人も共にかけがえのない存在であることを認識し、お互いを尊重し合うことができるようになってきた。
道徳・総合的な学習の時間が関連付けられ、それぞれの学習の中で心の教育が行われ、豊かな人間性や社会性が培われるようになった。例えば、異世代との交流活動を通して、世代間の相互理解や優しさと思いやりの心が育ってきた。さらに、自分や自分の周りの人、地域の人を大切にしなければならないという意識が強まってきた。
推進協力校の取組みにおいて特筆すべきことは、多くの講師を招聘することができたことである。その講演に教職員、児童生徒だけでなく、保護者や広く地域の人も参加した。講演に併せて地域にも開かれた授業公開を行った。その結果、保護者だけでなく地域の人々の教育に対する関心も高まり、学校、家庭、地域が同一歩調で地域の子どもたちを支援していこうという意識が一層高まった。
こころみの会では、周東中学校と連携し、子どもの未来支援ネットを立ち上げた。子どもたちが健やかに成長するためには、学校・家庭・地域・行政がそれぞれの役割を果たすとともに、互いに支え合うことが重要である。その視点に立ち、共に知恵を出し合い、共に学習を重ね、学校のもつ「人間関係の問題」や「性に関する問題」、こころみの会がもつ「子育ての悩みや楽しさを語り合う場や機会の減少の問題」や「子育て機能の低下の問題」等、それぞれがかかえる課題の解決にむけた活動を実施することができた。
(2)今後の課題
 本研究の大きな成果として、学校、家庭、地域がそれぞれの役割を担いながら、同一歩調で子どもを育てていこうとする機運が高まってきた。今後は、推進協力校を含む9校及び地域や関係機関等の連携をさらに密にし、幼・保・小・中のなめらかな移行に向けた取組みをはじめ、実効性のある指導体制や組織などの基盤の充実に努めたい。今後とも人権尊重の意識をさらに高めるとともに、一人ひとりを大切にする教育を継続し、推進していくことが大切であると考える。

 TOPへ戻る


6 実践例の紹介(米川小、周東中)
Acrobatデータ<周東町立米川小学校第3学年> Acrobatデータ<周東町立周東中学校第1学年>

 TOPへ戻る                      実践編へ戻る