価値観の多様化と変化が激しい現代社会において、失われつつある人間としての豊かな心を取り戻し、夢と希望をもって生きていくため、道徳教育のより一層の充実を図る必要がある。その中で児童一人ひとりが自分を見つめ、自分で未来を切り開いていくことができる力を育成し、生き方を高めていくことが大切となる。
本校の児童の実態をみると、生活体験の中からの課題を見付け、自分自身で考えていくことが十分であるとは言えない。また、生活の中で共に支え合って生きていくことの大切さに気付かないまま生活しているのが現実である。児童が様々な人やものとかかわり、人が人として生きていくことの意味をじっくり考えることができる道徳の時間を重視し、思いやりを育む場や自分自身の生き方を考える機会を確保することが大事であると考えた。
そこで「思いやりの心をもち、自ら考え、共に生きようとする児童の育成」を研究主題に掲げ、道徳教育の推進を図っていくこととした。
一方、本校において道徳性検査や児童の実態の調査結果から、主として自分自身に関すること(基本的生活習慣、責任感等)、主として他の人とのかかわりに関すること(思いやり、人間関係づくり等)が十分でなく、本校児童の一番の課題であることが分かった。この課題を解決していくためには、個人目標を設定し、その実現に向けて努力することを支援する手だてや自己有用感を強めることのできる集団づくりが必要である。
そのために副主題として「自立と豊かな関係づくりをめざした道徳教育」を設定し、自立心を育み、友だちとの豊かな関係づくりに取り組むこととした。 |