1 学校紹介/2 具体的な活動内容/3 成果と課題
障害の多様化に応じた総合的な養護学校として、地域や時代のニーズに応える 進路指導の充実をめざす 地域の特別支援教育の拠点校として、地域に根ざした教育活動の展開と交流教育の充実を図る。 また本校では、児童生徒一人一人の可能性を系統的に伸ばすことができるように、指導内容の系統性・発展性を重視した一貫性のあるコース別教育課程(表1)を編成している。更に、児童生徒が、小学部から中学部、中学部から高等部への円滑な移行を行うために学部間の連携に努めるとともに、児童生徒の生活年齢に応じた小・中・高の各学部での指導と、個々の発達の状況や障害の程度・特性に応じたコース制による指導を絡み合わせることにより、縦と横のつながりを意識しながら、調和の取れた教育実践を目指している。また、児童生徒一人一人に適合した学習が進められるよう、「個別の指導計画」の作成とその活用に取り組んでいる。更に、高等部では、個々のライフプランに沿って、卒業後の生活の在り方を念頭に置きながら「個別の移行支援計画」を作成している。 (表1)小・中・高一貫したコース別障害別教育課程 TOPへ戻る
@ 研究テーマ 「教育集団としての専門性の向上をめざして」 A 研究方法 本校が開校以来取り組んできたコース別のグループ研修(コース会議)を核として、6つのグループによる研究を進めてきた。各研究グループ(A〜Fの6グループ)の対象児童生徒の実態や指導目標を基に、次に示すような内容で取り組んできた。 (表2校内研究グループ一覧) B 研究内容 ア 教育集団としての体制の在り方を探る 外部の専門家を活用した指導体制作り 各グループの研究テーマに合わせた専門家をリストアップし、多方面の専門家を招いて指導助言を得ながら、教師個人の資質を高めると同時に教師集団の専門性のレベルアップを図った。また、教育現場で教師と各専門家が児童生徒の実態やニーズについて情報交換を行い、それぞれの立場で支援の在り方を探った。これらの連携協力を通して、関係機関とのネットワークづくりをめざした。 イ 教育集団としての体制を整備する ・チームアプローチの実践と評価 ・関係機関との連携の在り方 教育・福祉・医療・労働等多様な関係機関との連携により、大学等教育の研究者、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、支援センター職員、福祉施設職員、医師、看護師、臨床心理士、職業カウンセラー、事業所職員等の豊富な専門的人材を活用しながら、より専門性の高い教育活動を行うための指導体制作りについて検討した。特に機能的なチームアプローチの在り方については、各グループ別のテーマに基づいて研究を進めた。
ウ センター的機能の在り方 (図1)に示す校内組織図を基に、地域に開かれた学校として特別支援教育におけるセンター的機能を果たすために、地域のニーズに対応できる学校の在り方についての具体的な方途の検討をした。 @ 校内分掌として既存の教育相談部では、幼児教育相談室を運営することで、すでに地域に開かれた実践を重ねている。また各学部と協力しながら、就学相談や教育相談等の業務の充実を図っている。進路指導部では、地域・福祉・労働等の関係機関の連携を通して、卒業後を視野に入れた進路相談や進路・就労支援の充実を図っている。 A 学校全体としては、学校公開による教育活動についての情報発信や地域交流等を通して、地域の人々の理解を深めるための啓発に努め、地域の教育資源の活用を図っている。 B 地域特別支援教育コーディネーターとの連携を図り、特殊学級のニーズを把握するために、研修部が中心となって、近隣の小・中学校現場の抱えている課題等の調査を実施した。それによると「指導法に関すること」、「発達検査に関すること」、「個別の指導計画に関すること」、「心理的支援の方法」、「保護者との関係づくり」、「LDやADHDへの対応」等が挙げられた。また、養護学校に求めたいこととして、「指導法についてのアドバイス」、「相談機関としての役割」、「積極的な授業公開や交流」等が挙げられた。 そこで、次のような取り組みを試みた。相談後すぐに提供できる支援内容については直接連絡を取り合うことで協力した。また、障害別に取り組んでいるグループの特性が発揮できる内容については、各グループを通して連絡を取り合った。なお、本校単独では支援が困難な場合は、今回のモデル事業で培った関係機関との連携体制のメリットを生かして外部の専門家を紹介することにより支援協力を行った。 また、ホームページやメール等で研修会の案内等の情報発信を試みた。6グループの研究内容を中心に発信し、授業や研修会等の公開・案内や教材教具・資料提供等、研修機会の提供に努め、研修を通した小・中学校との連携を図った。
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