しかし、年々過疎化が進み、児童数も減少している。子どもたちはたいへん素直で明るく学習意欲も盛んであり、テレビ等で情報もよく入るので知識理解面は優れているが、限られた人間関係の中で過ごすことが多く、友達同士で切磋琢磨したり、主体的に自分から行動を起こしたりすることは教師サイドが意図的に仕組まない限り、できにくい環境にあると言える。 国際化、情報化、科学技術の進展など社会の急激な変化に伴い、学校教育に対するニーズも大きく変化している今日、学校教育には子どもたちに新しい時代を創造する「生きる力」を育むことが求められている。一人ひとりがよりよく生きていくためには、小学校の時代から自ら考え、行動できる主体性・創造性と未来を切り拓くたくましい人間の育成をめざしていくことが大切である。 そこで本校は8年前から、「問い続ける子ども」を目標に掲げ、さまざまな教育活動を通して自ら願いや問いをもち、自ら見通しを立て、考え、判断し実践していく子どもたちの育成をめざしている。 そのひとつとして、ふるさとにある「秋吉台」「秋芳洞」の成り立ちやそこに生息する動植物について学び、それを全国から来られる観光客や修学旅行生にガイドをする『秋吉台子どもガイド』を実践している。この学習は、自分で何を説明するのかを決める自己決定力、事前の準備段階で、博物館や他の機関へのインターネットを使った情報収集する力、学習を科学的にまとめる力、聞く立場を考えた分かりやすく説明する力、聴衆の前での表現力等の育成を図ることで課題に迫っている。また、学習を通してふるさとのよさを発見し、ふるさとを愛する心も育つことも願っている。 この『ガイド』は2日間実施しているが、最初の日の反省を次の日に生かす等、自己評価をさせながら、さらに質の高い活動へとなっている。また、両日ともガイドを聞いてくださった方に連絡先を明記した名刺を配っているが、後日、全国から学校や本人宛に手紙やインターネットで礼状や感想が多数届けられる。それらを読み、返事を出すことで学習の深まりが増し、子どもの学びがさらに生きた本物の学習へと発展していっているように思う。 TOPへ戻る
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◆評価するにあたって ○追求(関心・意欲):主に「実現あるいは実践しようとしていたか」を評価 努力を要する おおむね満足 満足できる ○話す・聞く等の学習内容:主に「どこまでできるようになったか」を評価 努力を要する おおむね満足 満足できる ※その子が「満足できる」方向へ向けて上達できるよう個別に指導、支援していく。 その内容と方法の実践=教師の研究課題 ○豊かな心の育ち:その子の特徴や個性として捕らえ、認め伸ばしていく。 ※その子の豊かな心の育ちをめざして、教師に何ができるか(方法と実践)が課題 ○子ども自身による振り返りを学びに生かす工夫:「学習日記」の実践 ○よりよい指導や支援の工夫と連携の工夫:「評価メモ」の記録と情報交換 TOPへ戻る
2 自分のテーマに沿って調べ、まとめていく 3 ガイドの原稿を作る 4 ガイドで使用するパネル作りとリハーサル 5 新たな取り組み 6 いよいよ本番、秋吉台子どもガイド! 7 秋吉台清掃作業 8 学習のまとめ TOPへ戻る
■終わりに ふるさとの自然や文化を調べ、様々な課題を解決しながらたくさんの人にガイドしていく学習は、結局、秋芳町に暮らす自分とその生活について学び、これから先、何を大切にしていかなければならないかを考えることにつながると思う。そのため、博物館や人材の活用をはじめ、様々な課題や見直しを取り入れながらふるさとを題材にした学習を今後も続けていきたいと考えている。 最後に、秋芳町観光課ならびに秋吉台管理事務所、ポスターを貼っていただいた地元の施設や商店、さらにガイド後にメールや手紙をくださった方々に心から感謝している。 TOPへ戻る 実践編へ戻る |