授業研修プロジェクト |
授業研修プロジェクトとは、年度当初に前年度の反省をもとに、各教科年間指導目標を設定し、観点別評価を含んだシラバスを作成して生徒に配布する。
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シラバス内の観点別評価の例(英語T)
評価の観点 |
観 点 の 趣 旨 |
関心・意欲・態度
【関】
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コミュニケーションに関心をもち、積極的に言語活動を行い、コミュニケーションを図ろうとしているか。
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理解の能力
【理】 |
日常的な話題について、英語を聞いたり読んだりして、情報や考えなど相手が伝えようとすることを理解することができるか。 |
表現の能力
【表】 |
日常的な話題について、情報や考えなど伝えたいことを英語で話したり、書いたりして表現することができるか。 |
知識・理解 【知】 |
日常的な話題についての英語の学習を通して、言語やその運用についての知識を身に付けるとともに、その背景にある文化などを理解しているか。
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評価の方法(上記の四つの観点から学習評価をします)
1.中間と期末の定期考査の成績、小テスト、課題レポート、プリント、演習ノートなどの提出物、学習活動への取組みなどにより評価します。
2.学習全体の評価は、【関】は10%、【理】は20%、【表】は20%、【知】は50%の配分で行います。 |
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そして、すべての教科において年2回(6・11月)、生徒による授業評価を実施し、各評価後の教科会議で、次回へ向けた課題の設定、授業改善の目標の設定を行い授業改善に努めていくものである。
また、すべての教科で年1回の研究授業を実施することを通して授業改善にも努めている。
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授業評価質問表
生徒の皆さんへ
このアンケートは、南高の授業をよりよいものにしていくためのアンケートです。授業について尋ねるものですが、授業は教員側だけの努力で成立するものではありません。君たちが予習・復習をきちんとして、授業に対して真剣な態度で臨んで初めて成立するものだということも頭に入れてアンケートに答えてください。決して、先生の好き嫌いだとか、自分たちの状況を無視して答えないようにしてください。教科によっては裏もあります。
以下の質問で「1」を付けた場合には、右側にその理由を書いてください。
実 施 日 |
月 日 限 |
年 ・ 組 |
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授 業 名 |
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教科担任名 |
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基準 4…そう思う・そうである 3…どちらかといえばそう思う
2…どちらかといえば・そう思わない 1…そう思わない・そうでない |
質問項目 |
あなたの意見・判断 |
「1」をつけた理由 |
(1)私は、チャイムが鳴った時に着席している(移動教室の場合、移動を完了している)。 |
4−3−2−1 |
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(2)私は、チャイムが鳴ったとき机の上に教科書など授業を受ける態勢は整っている。 |
4−3−2−1 |
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(3)私は授業に関するものをきちんと持ってきている。 |
4−3−2−1 |
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(4)私は、授業中、私語をしない。 |
4−3−2−1 |
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(5)私は、授業中、居眠りをしない。 |
4−3−2−1 |
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(6)私は、授業中、別のことをしない。 |
4−3−2−1 |
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(7)私は、授業の予習・復習ができている。 |
4−3−2−1 |
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(8)私は、自らの予習・復習を踏まえて授業が理解できている。 |
4−3−2−1 |
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(9)先生の説明の仕方は、わかりやすいですか? |
4−3−2−1 |
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(10)先生の授業の進め方(スピード)はちょうどよいですか? |
4−3−2−1 |
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(11)シラバスがこの授業の年間計画を理解する上で役立っていますか? |
4−3−2−1 |
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(12)シラバスがこの授業でどう評価をされるのか理解する上で役立っていますか? |
4−3−2−1 |
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実際の授業研修プロジェクトの流れについて、世界史を例にみていくことにする。
(1)「世界史」の授業目標
ア 歴史的思考力の育成
イ 入試に対応した学力の育成
(2)授業評価(6月)における結果
「考える世界史・歴史的思考力を身に付けるという教科の目標に関して、入学以前と比べて力はつきましたか」という問いに対して以下のような結果であった。3分の1程度の生徒は目標に達していると考えられるものの、目標達成に向けて2学期以降の授業改善が必要と感じられた。
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授業評価(6月)の結果
問 考える世界史・歴史的思考力を身に付けるという教科の目標に関して、入学以前と比べて力はつきましたか |
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(3)2学期に向けての教科検討会
レポート等により、3割弱の生徒は考えるようになったが、授業の中でさらに考える場面を設定する。
(4)2学期の授業実践
日常の授業の中で、図版やグラフの読み取りを通じて、「なぜ?」を大切にすることで歴史的背景や原因などを考えさせることができた。
研究授業の「世界恐慌とファシズム」では、次の指導案の評価の観点に見られるように、思考・判断に重点を置いた展開を心がけた。これは日常の授業でも心がけている点である。 |
観点別評価の方法を示した研究授業の指導案(抜粋)
展 開 |
ウォール街の暗い木曜日
世界恐慌期の各国の工業生産の推移のグラフから世界への拡大の様子をみていく。
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なぜ世界恐慌が起きたのかを考えさせる。
世界恐慌がアメリカで起きた背景について理解させる。
グラフの読み取りをさせる。
アメリカで起きた事が世界に拡大した理由を考察させる。 |
1920年代と関連付けて世界恐慌を考えようとしているか(関心・意欲・態度)。
世界恐慌発生の背景を多角的に考察しているか(思考・判断)。
グラフの読み取りができているか(資料活用の技能・表現)。
恐慌拡大の理由を多角的に考察しているか(思考・判断)。 |
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「WORLD HISTORY-A」の発行により、現在の社会について自ら考え、表現する取組みを行なった。
テーマ学習「現代から考える植民地」の中では「調べる−討論する−模造紙に書く−発表する」という作業を通して、考えることに重点をおく学習ができた。 |
テーマ学習での発表場面 |
(5)授業評価(11月)とその後
11月に実施した授業評価の結果は、次のとおりである。結果として、多くの生徒が考えるようになってきたと言える。今後の授業において、考える作業を効果的に取り入れていくことが大切だと考える。
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授業評価(11月)の結果
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