幼児期から小学校段階に移行する際、子どもの成長・発達は連続しているにもかかわらず幼児期の教育と小学校以降の教育との間に必要以上の段差や相互理解の不足が見られる。このことから、幼稚園においては、生きる力の基礎となる幼児期の教育が、小学校にどのようにつながっていくのかをとらえ、小学校低学年においては、就学前に身に付けた創造的な思考力や主体的な生活態度を把握して、更に拡充した学習活動へと結び付けていくことが重要である。幼児期の教育と小学校以降の教育との滑らかな接続の在り方を探るため、総合的な調査研究を行う。 |
(2)研究主題 |
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(3)研究の視点 |
就学前教育から小学校教育へのつながりの接点となる5歳児と小学校1年生の時期を手掛かりとし、発達段階に留意した取組みを行えば、生きる力の基礎を培い、自立に必要な生活や学習の基盤づくりができ、幼稚園・保育所と小学校の滑らかな接続が可能になるであろうと考え、3つの研究の視点を掲げた。 |
@ 人とのかかわりを豊かにする合同保育・授業を中心としたカリキュラムの工夫
A 教職員の相互理解を深め、指導力や実践力を高めるための共同研究の実践
B 幼・保・小の保護者間の交流と連携の推進
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(4)研究の仮説 |
@
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幼稚園・保育所と小学校による合同研修会を重ね、それぞれの教育内容や指導方法を理解して指導に当たることにより、連続性のあるカリキュラムを開発できるのではないか。 |
A |
合同保育・授業において人とかかわる場や活動内容を工夫することにより、「人と豊かにかかわる力」を育てることができるのではないか。 |
B |
保護者・地域との連携を図り、保護者間の交流を活発にすることにより、「人と豊かにかかわる力」を育て、連携教育の成果を高めることができるのではないか。 |
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(5)滑らかな接続への具体的な取組み |
@ 幼・保・小共通のめざす子ども像の設定 |
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A 合同保育・授業
合同保育・授業とは、保育・各教科のねらいを達成するとともに、「人と豊かにかかわる力」を育むことをねらった活動・学習である。幼児にとって、遊びや日々の生活を豊かにする活動を中心に、児童にとっては、学習への関心・意欲を高め教科のねらいを達成する視点から共通の教材を選び、単元を構成し、小学校の教育課程において、生活科や総合的な学習の時間等に位置付けた。
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【実践事例】幼稚園5歳児、保育所5歳児、小学校1年生合同・保育授業
『うちにおいでよ』 |
活動の流れ |
本時案 |
B 教職員の相互理解・共同研究 |
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C みなみ学習(接続期の学習)
「みなみ学習」とは、就学前教育と小学校教育の接続期に当たる独自のカリキュラムであり、本園・校では、年長児(5歳児)から小学校1年までの長期の期間としてとらえている。就学前教育から連続した発達課題を設定し、幼児の遊びを中心とした学びが、小学校以降の学習のどのような基盤となっているか、どのように発展していくのかを理解して工夫したカリキュラムである。
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ウ 学ぶ方法の工夫
○「遊びタイム」の設定・・・・・学びの基礎・道徳性の基礎を培う
○意図的・計画的な環境の構成
○1単位時間の弾力的な運用
○作業的体験的な活動を取り入れた学習の展開
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エ コミュニケーションの視点からみた発達課題の設定
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D 保護者間の交流、保護者や地域との連携
@ 合同保育・授業参観・・・・・・・・子どもの発達の理解
A 子育て講演会・・・・・・・・・・・積極的に学ぶ場や機会の設定
B 連携だより「ひまわり」の発行・・・研究の趣旨理解と、園や学校の取組みの発信
C 周南市幼・保・小連携推進協議会の設置・・・地域・関係機関との連携 |
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