キャリア教育の推進                                    [義務教育課] 
キャリア教育の推進
−宇部市立藤山中学校−
1 学校紹介 / 2 具体的な活動内容 / 3 研究成果と課題
実 践 の ポ イ ン ト

学ぶこと・働くこと・生きること

これらをどうつなげていくのか

                 そのために
総合的な学習の充実
縦の糸(小・中・高)を
どうつなげるか
   どうコーディネートするか
横の糸(地域・保護者)を
どうつなげるか
                  
1 学校紹介
 本校は、厚東川の下流に位置し、周辺には、山の手の文教台を中心に新興住宅地、南には居能などの商業地区、その西側には、協和発酵、宇部アンモニア工業などの工場地帯がある。
PTA・地域団体は、学校教育に対して大変協力的であり、大学・短期大学・高等学校・小学校も隣接しており、教育環境は良好である。
 教育目標は、「知」「徳」「体」の調和のとれた伸長を促し、自主・自立の精神に富んだ、心身共に健康な生徒の育成に努めるとしており、生徒会活動目標である「あいさつ」「時間厳守」「校内美化」を生徒と共に活動することを中心に実践している。
TOPへ戻る

2 具体的な活動内容
(1) 1年生:学年生徒会活動

 3年間のキャリア学習をより効果的に行うためには、生徒に様々な経験を通じて必要とされる力を身に付けさせることが重要となる。
 この学年生徒会活動は、クラスを解き、生徒会活動をベースとした班に分かれ、自治活動を通じて4つの能力(人間関係形成能力・情報活用能力・将来設計能力・意思決定能力)を高めるための活動である。
 キャリア教育を行う上でのベースとなる活動と位置付け、継続的に行う。

◎ 実施の感想
・各クラスバラバラで行われていた班活動・係活動が、学年単位で歩調をそろえて行えるようになり、指導もしやすくなったし、生徒にもクラスの枠を越えて協力し合う意識が定着した。

・委員の生徒だけでなく、班員各自に責任感と所属感が芽生えたようであるし、それぞれが自分の役割を果たしたときには十分な満足感を得ていたように感じた。

・当初は「リーダーとなる資質を自分の中に育てていき・・・」というようにリーダーに関してだけを一方的に教師側は考えていたが、「優れたリーダーと、それを支える多数のフォロアーの関係をつくっていく」ことが重要であることに気付いた。だれもがもっている個性を伸ばし、得意な面でリーダーになり、別の場面ではフォロアーになるようなシステムでリーダーとフォロアーの関係を磨いていくことが、キャリア教育の観点から考えても重要なのではないだろうか。学年の生徒会活動を通じて、このリーダーとフォロアーの関係づくりを1年生から培っていくことが、必ず2学年、3学年での様々な活動に効果を発揮すると考える。

・生徒会活動は一部の生徒会役員が生徒会担当の先生の指導で行う、という意識がありがちであるが、学年生徒会活動の実施によって、学年の教員が全員、それぞれの班を担当することにより、みんなで生徒会活動を指導助言して支えていくという意識が生まれたように感じる。
(2) 3年生:地域社会と連携したボランティア活動
@ 目的
○課題設定・計画・実行・発表の流れを実行することで、3年間の総合的な学習の時間のまとめとする。

○これまでお世話になった地域や地域の人たちに自分たちができるお返しをすることで、自分が人の役に立ち、そして喜んでもらえる存在であることを実体験から学ぶ。

○地域社会・保護者にキャリア教育の理解を深め、学校教育に協力していただく。
A 実施の流れ
B 生徒はどのように変わったか
C 地域社会はどのように感じたか

TOPへ戻る

3 研究成果と課題
(1)成果(「はたらくこと」・「生きること」・「学ぶこと」)をどうつなぐことができたか
@生徒会活動の充実
 1年生の学年生徒会活動は、生徒一人ひとりの意識を向上させ、今後のキャリア教育を行う上での基本的な力を確実に身に付けているように思われる。今後も継続的に取り組み、多くの場を設定することにより、力を付けるよう援助していくことが大切であると思われる。 

A縦の糸(小・中・高)、横の糸(地域社会・保護者)をどうコーディネートするか
 3年生の総合的な学習の時間で取り組んだ地域と協力したボランティア活動では、生徒の感想より、当初の目的の多くは達成できたように思う。今回の取組みをきっかけに、地域社会と学校との交流が盛んになるよう継続的に進めていくことが大切であると思われる。
(2)課題(「はたらくこと」・「生きること」・「学ぶこと」)のつながりを一層強化するため
@生徒会活動の充実
 1年生での学年生徒会活動の取組みを、2・3年生でどのように生かしていくかについて、はっきりとしたプランをもち、より多くの機会を定期的にもつことが必要であると思われる。また、ここで身に付けた力を、総合的な学習の時間だけでなく、各教科の授業にも生かしていくように工夫したい。

A縦の糸(小・中・高)、横の糸(地域社会・保護者)をどうコーディネートするか
 今回のボランティア活動は、授業の一環として取り組んだ。平日の午後の実施ということもあり、保護者・地域社会の方の参加者は、やや少なかったように思う。より多くの保護者・地域社会の諸団体と連携するには、長期休業中や休日などに実施し、生徒たちが自主的に地域社会の活動に参加するようになることが理想である。そのためには、今後も、キャリア教育の重要性を保護者をはじめ地域社会へも積極的に働きかけ、理解を図ることが重要であると思われる。
(3)校長から見た指導のポイント
・研修職員会等で教職員自らの意識改革を図ることが重要である。生徒の体験活動を行うに当たっては、生徒への動機付けが成功のカギとなる。また、PDCAサイクルでよりよい成果を上げるためのしくみを整えることも大切である。
・地域や保護者、企業の理解・協力を得るためには、学校の取組みや目的をしっかりと説明することが大切である。

TOPへ戻る