確かな学力育成のための実践研究事業の実践               (義務教育課)

[確かな学力]を身に付け、
生き生きと学ぶ児童の育成
 −周南市立鹿野小学校−

     1 学校紹介2 研究内容3 実践事例と成果4 今後の課題
実  践  の  ポ  イ  ン  ト
学力向上フロンティア事業での成果指導の実現を図る。
 (
http://www.city.shunan.yamaguchi.jp/hp/kanosho/ 参照)

学習コースを選択することで、一人ひとりの思いや願いに応じた指導の展開を図る。
実態に応じた単元計画によってきめ細かな指導の充実を図り、確かな学力の向上を
 めざす。

1 学校の紹介

校   訓

学校教育目標     学校教育目標     学校教育目標

学 校 教 育 目 標

郷土を愛し、求めて学ぶ、心豊かでたくましい子どもの育成

学 校 チ ャ レ ン ジ 目 標

元気なあいさつ1日10回! 進んで読書1月2冊!心かがやく1日1善!
夢いっぱいの鹿野っ子だ!!

学 校 経 営 方 針

 開校130余年にわたって培われてきた伝統と鹿野教育三訓を基調とし、保護者及び地域社会との信頼関係を確立・維持するとともに、先見性と創造力をもって「夢と知恵」を育む学校経営に努める。

   
















 本地域は、2市(徳山市・新南陽市)2町(熊毛郡熊毛町・都濃郡鹿野町)の合併により、新しく誕生した周南市の北に位置する。古い歴史と文化を温存した、人口約4200人、海抜365m
の高原の地である。農林業の地域として豊富な資源を有しており、産業の近代化のため、土地改良工事としての圃場整備事業や灌漑排水事業などを行っている。明るく住みよい豊かな鹿野地域をめざして、産業の振興、社会福祉の増進、教育・文化の向上、観光開発、下水道の整備等の諸施策が進められている。
 保育園、幼稚園、小・中・高等学校一貫の教育機関が整い、市民の教育への関心は高く、教育優先の気風は、着々と文教の振興策を打ち出している。また、保護者の学校教育への関心は高く、PTA活動も非常に活発で、優良団体として文部科学大臣賞を受賞(平成15年11月)している。

  
 
 TOPへ戻る



2 研究内容

(1)研究主題

[確かな学力]を身に付け、生き生きと学ぶ児童の育成

〜深く考え、分かりやすく表現する力を育てる授業づくり〜


(2)研究仮説

 これまで3年間の「学力向上フロンティア事業」で研究を深めた、「個に応じた指導」、「繰り返し学習」、「家庭教育との連携」を継続して実践することにより、[確かな学力]の中の知識・技能、学び方を確実に習得・定着させる。そして、それらの基礎学力を基盤として、表現力・思考力・判断力を育てる授業を実践することにより、[確かな学力]を身に付けさせ、自信をもち、生き生きと学ぶ児童を育成できるのではないかと考えた。


(3)研究計画(3か年)

平成17年度
@ 研究主題
 表現力を育成する学習活動の展開

A 研究仮説
 一年次は、表現力を育成することから研究主題に迫る。そのために、表現する内容を確実に理解させ、表現の仕方を身に付けさせる。そして何より、「誰かに伝えたい」という思いがもてる学習活動を展開する。そして、表現できた喜びを味わうことができるよう評価方法を工夫する。
 これにより、児童は、「次はもっと分かりやすく伝えたい」と、意欲を高めることができるの
ではないかと考える


平成18年度
@ 研究主題
 思考力・判断力の育成につながる学習活動の展開
A 研究仮説
 一年次に習得した表現力と、意欲の高まりを生かすために、二年次は、表現する内容を選択し、自分なりにまとめ、表現の仕方を工夫する力が育つ学習活動を展開する。そして、学びの深まりを実感できるよう評価方法を工夫する。これにより、児童は、自らの学びを正しく振り返り、達成感を味わうことができるのではないかと考える

平成19年度
@ 研究主題
 [確かな学力]を自らの学びに生かす授業づくり

A   研究仮説
 三年次は、一、二年次で習得した表現力・思考力・判断力を確実に定着させることができる指導と評価の研究を進める。
 これにより、児童は、自らの学びに自信をもち、深く考え、判断し、自分の個性を生かして分かりやすく表現することができるようになるだろう。そうすれば、[確かな学力]を身に付け、生き生きと学ぶ児童の育成に迫ることができると考える。

(4)研究構想図


 TOPへ戻る


3 実践事例と成果

(1)個に応じた指導 〜表現力を育成する学習活動の展開〜

@ 1年 生活科 「自分の思いをすなおに表現する方法を習得するための手だての工夫」

 体験活動を重視しながら、思いや気付きを様々な方法で表現できるよう国語科の学習段階を踏まえ、場の設定や学習カードを工夫した。また、意欲が高まる教室掲示となるよう努めた。



A 2年 国語科 「自分の思いや願いを進んで表現しようとする場の設定の工夫 」

 本学年の児童が苦手とする、書く活動を中心に研究を進めた。意欲を高めるために、「つなぎっこ(ウェブ法)」を用いたり、魅力的な課題を設定したり、その子なりの表現をしっかりと認めて評価したりした。アンケート結果からも、書くことに興味をもってきている。


B 3年 算数科 「自分の考えを分かりやすく伝える技能を習得するための手だての工夫 」

         
         

「表とグラフ」の単元では、興味・関心のある課題別のグループ分けを行い、単元のまとめに発表会を設定したことで、めあてをもって取り組んでいた。また、各グループで3,4人の小グループに分かれて繰り返し活動を行った。少人数ということで自分の意見が出しやすく、役割をもって解決していけたことで、自信をもつことができたようである。



C 4年 図画工作科 「思いを伝え合い豊かに表現する造形活動をめざして

  「自分が○○だったら」という題材では、自分が主人公になる物語を形に表すことで、とても意欲的に取り組み、楽しみながら制作していた。プロジェクターを使用することで、自分の発表を客観的にとらえることができ、見る側の立場に立ち、分かりやすくなるように工夫しながら操作していた。



D 5年 算数科 「自分の考えを整理し表す力と、それらを伝え合う力を育むための手だての工夫

   

 
   

  

「面積」の単元では、習熟度別コースに分かれた。チャレンジコースでは、友達同士で伝え合う活動を通して考えを深めたり、伝え方の工夫に気が付いたりすることができ、次への意欲につなげていった。じっくりコースでは、既習事項の確かめコーナーなど、教師のきめ細かな指導により、自分の考えに自信をもつことができるようになっていった。



E 6年1組 体育科 考える力、表現する力を育てる体育科学習指導の創造的展開

体育科における表現力とは、@「技能(作戦)」や、A「社会的行動(ルール、マナー)」といった材料を手がかりに、B自分たちの能力や関心に応じて学習すべき内容を選択したり、修正したり、さらに学習の方法を工夫したりする学び方の学習が適切に行われれば、C「運動の楽しさ」が生み出され、D表現力の育成につながると考え実践した。話し合い活動と思考を深める評価活動の重要性が改めて浮き彫りになった。




F 6年2組 社会科 児童一人ひとりの多様な考え方を生かす視聴覚機器活用の工夫

          
児童は、「わかったことを誰かに伝えたい」という思いをもっていたが、どう表現したらよいのか分からないという不安もある。それを少しでも取り除くことができるように、視聴覚機器を活用した実践に取り組んだが、児童は思った以上にのびのびと表現していた。また、単元終了後のテスト結果を見ても、ほとんどの児童が単元の内容を十分に理解しており、興味・関心・意欲が表現力を育成するとともに、知識・理解面にも大きな影響を与えることを実感した。



G 特別支援学級 国語科 人に思いや考えを伝えるコミュニケーション能力の育成をめざして

      新聞屋さんになろう」の単元では、新聞づくりを通して家族間であたたかいコミュニケーションが生まれたり、勉強したことが家族に認められることで大きな自信となったりした。また、たくさんの先生にインタビューできたことが達成感と自信につながったようで、大変良い表情をしていた





(2)繰り返し学習

@ スキルタイム・全校読書
  朝学の時間(8:15〜8:30)のうち、火・木曜日は全校的に算数の学習、水曜日は全校読書を行っている。


A   家庭学習
 低学年30分、中学年45分、高学年60分の家庭学習が習慣となるよう、音読、漢字、算数の課題を出している。


B 学習プリント・カードの活用
 興味をもって取り組んだり、自己解決を支援したり、学習の成果を確かめたりできるような学習プリントやカードとなるよう工夫していった。


  

 

  
 
 
  
 



  





(3)家庭教育との連携

@ 学級通信
 各学級で毎週発行し、児童の生活や学習の様子、学習のねらいやポイント等を家庭に知らせている。

※保護者へのアンケート結果:学級通信は分かりやすい 93%  分かりにくい  7%      (平成16年度末実施)


A 通知表
 平成13年度から、本校独自の通知表を使用している。主な特徴は、観点一項目にとらわれず、各学期の学習内容から精選して、具体的な評価項目を設定している。

※保護者へのアンケート結果:通知表は分かりやすい 85%  分かりにくい 15%      (平成16年度末実施)



      学級通信

          通 知 表


B 学習発表会
 2月5日(日)に、一年間の学習の成果を、保護者や地域の方に発表した。


  





    6年「日本の歴史」




 TOPへ戻る






4 今後の課題

各学年の実践により習得した表現力と意欲の高まりを、他教科や生活の場面に生かす。
表現する内容を選択し、自分なりにまとめ、表現の仕方を工夫する力が育つ学習活動を展開 する。
学びの深まりを実感できるよう評価方法を工夫する。



○ 校長から見た指導のポイント

○授業実践を中心にして、常に実践と結びついた研究を進める。
○児童の学力向上に直結し、しかも教師の指導力も向上するような研究をめざす。
○教師一人ひとりの持ち味を、十分生かすことができるような研究を行う。
○保護者や地域社会との連携を密にし、地域の教育力を高めることができる研究をめざす。




 TOPへ戻る       実践編へ戻る