確かな学力育成実践事業推進校の取組み               (学力向上)

学ぶ楽しさを味わう授業の創造

〜基礎・基本の定着をめざした学習指導の工夫〜                   
 −長門市立明倫小学校−

     1 学校紹介2研究の概要3 具体的な活動内容4 研修の成果と課題

1 学校紹介
 長門市立明倫小学校は、萩と長門の間に位置する三隅にあり、本校の玄関の壁には、シベリアシリーズで有名な香月泰男画伯が、生前ご自身で彫られた壁画がある。全校児童数は184名で、1年生から6年生まで単学級であるが、4年生以上のクラスが、30名を超えている。地域の様子は、教育活動に協力的で、家庭も安定している。

学校教育目標
 先賢の遺風を受け継ぎ、人間性豊かで、創造的知性と強い体力を備えた実践力のある子供を育てる
 
めざす児童像
 考える子・明るい子・元気な子

    
1.

児童数
学年 特殊 合計
合計 29 21 25 35 32 39 184

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2 研究の概要
(1)研究主題
学ぶ楽しさを味わう授業の創造
〜基礎・基本の定着をめざした学習指導の工夫〜

(2)主題設定の理由

 本校の児童は、明るく素直で、課題に対してまじめであり、活動的な学習や体験的な学習に前向きに取り組むことが出来る。平成15年度まで「豊かな体験活動推進事業」を引き受け、全校あげて米作りなどの体験学習に取り組んだ成果ではないかと思われる。
 しかし、自分の意見を言うのに消極的で、筋道立てて、自分の考えを述べたり、感想や疑問を考えたりする事が苦手な児童が多いことから、思考力や判断力の育成が重要と考えた。そこで、昨年度から研究の方向を「確かな学力の向上」にしぼり、研究主題を上記のように設定した。
 また、学ぶ楽しさを授業で味わうためには、学習の基礎・基本である「読む力」「書く力」「計算する力」などが定着していることが大切であると考え、副主題として、「基礎・基本の定着をめざした指導の工夫」を設定した。

(3)研究の仮説
単元構成や学習形態・学習活動を工夫していくことで、児童の学習意欲が高まり、確かな学力を身に付くであろう
児童の実態を把握し、スキルタイムを継続していけば、基礎的な技能が高まり、落ち着いた学習態度が身に付くであろう
児童が生き生きと自分を表現したくなるような学習の場を設定すれば、自己表現力が高まり、主体的な学習態度が身に付くであろう

(4)研究の重点項目
学習意欲を高める指導法の工夫
朝学・スキルタイムの充実
生き生きと表現できる場の設定

   学習意欲を高める指導法の工夫
  @ 児童の知的な興味や関心を引き出す
  A 一人ひとりの感じ方や考え方が表現できるような学習過程の工夫
  B 少人数指導を生かした個に応じたきめ細やかな指導
   (2年生以上算数・3年生以上国語2人の少人数担当を配置)
  C 学習意欲を高める具体的な評価
  D 到達度検査や意識調査をふまえた実態把握と実態に応じた指導

  朝学・スキルタイムの充実

   生き生きと表現できる場の設定
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3 具体的な活動内容
(1)各学年の実践
学年 活動の実際 学習意欲を高める指導の工夫
1年 楽しみながら、何度も何度も読む。
教科書の「あいうえおのうた」の秘密を見つける知的な楽しさを味わう。
クラスみんなで、自分たちの「あいうえおうた」を作る課題意識とグループで考える楽しさ
音読や読み取りの場面はTT、グループ活動は2分割の少人数指導
ヒントカードや選択式ワークシートの工夫
2年 絵や図を使って、視覚に訴えて理解を深める。

自分の考えを聞いてもらったり、友達の考えを確かめたりする活動を多く設定する。

ものの作り方や遊び方などの絵入りの「説明書」を作る活動へとつなげる。
3年 本の帯作りをするという活動を設定し、本の主題やあらすじをまとめたり、構成を考えたりする学習につなげる。

読書用の学級文庫を充実させ、授業に役立てる。

単元の書く学習の場面で、少人数指導を行い、自分の進度にあった学習が進められるようにする。
4年 自分の思いをもつため、サイドライン、書き込みによる一人学びの時間の確保

友達と考えを深め合うため、意図的に話し合いの場を設定する。

朝学やスキルタイムを活用して新出漢字や意味調べの習熟

題名読みから一人学び、確かめへ
5年 目的や意図を具体的にする。

他教科との関連を図り、児童の生活に結び付いたインタビュー活動の設定

TTによるきめ細かな支援
6年 論題の工夫

取材等の準備時間の確保

自己評価・他者評価

39名が十分討論をする側、討論を聞く側の両方が体験できる場の設定

TTによるグループ活動支援
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(2)コスモス班お話会の実践
ねらい   自己表現力の育成  伝える力の育成

実施方法  
 @ 毎週火曜日、8時15分から8時30分にかけて実施する。
 A 全校6つの縦割り班に分かれ、各班2名ずつテーマに沿って発表する。 

(3)スキルタイムの実践
実践方法 成果と課題
成果
計算や漢字に対する苦手意識の低下
継続することで力が付くという自覚
時間の有効活用

課題
時程の見直し
2人体制での指導
 (全教職員で)
全校統一プリント
 (ドリル)
トを実施した結果
 少人数指導が導入されてよかったこととして、
 保護者は、楽しい授業づくり、常に向上心を持たせるような指導、生き生きとした雰囲気の中での学習、得意な児童をさらに伸ばす教育を希望されている。これらの保護者の意見を参考に、今年度は得意な児童が取組めるような発展問題や教材の工夫などのも取組んだ。また、習熟度別のグループに分けるときは、評価テストやレディネステストだけでなく保護者にアンケートを取ったり、本人の希望を聞いたり自分の学習ペースに合わせて途中でコースを変えることができたりするように本人が納得して学習できるグループ分けに配慮している。
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4 成果と課題
成果
学年の実態や単元のねらいに応じた授業づくりが行われた。

授業では、個と集団の練り合い、学び合いの場面を大切にしてきた。お話会、地域の方々との交流の場を通して、コミュニケーション能力も高まり児童の表現力に伸びが見られた。

児童の学習意欲を高めるための楽しい授業づくりのためには、深い教材研究と細かい支援が大切であることを共通理解した。

全ての校内授業研究会に講師を招聘し、多くの学びを得た。

少人数指導の体制(国語・算数)を強化することができ、一人ひとりにきめ細かな指導ができるようになった。個別指導を必要とする児童に大変効果があった。

児童の意識調査や保護者の授業評価を生かして研修を進めることで、授業改善の手がかりとした。
課題
読む力、書く力、話し合う力がまだ十分についているとはいえない。今後さらに効果的に指導し、力を付けていくことが必要である。

学習時間を保障するために、時程の見直しと行事の精選が必要である。

研究主題実現のための具体的な副主題を設定し、研究内容を焦点化する。

研修組織の見直しが必要である。

お話会、スキルタイムをさらに充実する。

さらなる授業改善のために、子どもによる授業評価を実施する。

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