本校は、柳井市内の南部に位置し、市内を一望できる高台にある。昭和47年に柳井商工高等学校から分離独立したが、平成18年度から再び統合することになった。 至誠、礼節、剛健の校訓のもと、「ものづくり」を中心とした有能な産業人の育成、基礎学力の充実をめざすとともに、学校・家庭・地域社会相互の連携による基本的生活習慣の定着を教育目標としている。
(1)担任だけでなく、様々な立場の教員がカウンセリングマインドをもって生徒に接する。 (2)問題行動や成績不振から学校を辞めようとしている生徒に、可能な限り手を尽くす。 (3)将来の確かな目標をもてるような進路指導をする。 (4)充実した学校生活が送れるように、何か打ち込めるものをもたせる。 (5)保護者や地域社会と連携して、学校のことを理解し、協力してもらえるようにする。
(2)中学校訪問 生徒理解のため、年度初めに1年生ほぼ全員の出身中学校を訪問して、情報交換を行っている。生徒指導課、正副担任、学年主任、教育相談の係が中学校を訪問し、得られた情報はプライバシーに配慮した上で、関係教員の間で連携を図り活用している。
(3)朝の登校指導 学校の全景写真でわかるように、柳井工業高校の登校路には急な坂があり、坂を登り切ったところに校門がある。この校門で毎日登校指導を行っている。これは服装などの生活指導もあるが、坂を登り切ったことへのねぎらいと、今日も頑張ろうという朝の声掛けである。このことにより、朝の遅刻者は通院以外ほとんどいない。
(4)期末考査前補習 成績不振や問題行動から学校を辞めようとする生徒をなくすために、様々な手を尽くしている。その一つが成績不振者の期末考査前補習で、教育相談の係が補習計画を作成し、各教科内容の理解や勉強方法等の支援を行っている。この結果、平成16年度は、成績不振による留年者は一人もいなかった。
(5)問題行動からの立ち直り支援 生徒が問題行動を起こさないように指導することはもちろんであるが、万が一問題行動が発生した場合、停学期間中の登校指導や解除後の指導は、担任はもちろん、科や部活動担当者でも行い、安定した学校生活が送れるよう様々な場面で支援している。
(6)インターンシップ(就業体験) 2年生を対象にインターンシップに参加できる体制づくりを進めた。以前は受け入れ企業が少なかったが、積極的に企業開拓した結果、平成16年度から就職希望者全員がインターンシップを体験している。参加した生徒は、勤労観や主体的に進路を選択する意欲が以前より向上した。そのほか、就職指導員の講話、1・3年生保護者進路説明会など、生徒の主体的な進路選択能力を育成するため、キャリア教育の充実を図っている。
(7)充実した学校生活支援 勉強だけでなく、生徒が充実した学校生活を送ることができるよう、部活動への積極的な加入を呼びかけ、加入率を高めている。その結果、多くの生徒が放課後汗を流したり、作品製作に取り組んだりしている。 その他、資格取得支援のために授業や放課後、さらには長期休業中にも講習や指導を行い、多くの資格を得た者に与えられる県技術技能顕彰やジュニアマイスターを多くの生徒が取得している。
(8)保護者や地域社会との連携 保護者や地域社会に開かれた学校をめざして、学校開放日、文化祭の一般開放、ウォークラリーなど保護者に参加してもらえる学校行事を多く行った。 また、地元の行事である「柳井祭」に、日頃の授業で製作した作品を展示する「柳井工高作品展」の参加や、総合的な学習の時間における福祉作業所での障害者就労の理解と体験、学校前の地下道やその周辺を月1回清掃する生徒会活動など、地域社会との交流も図っている。
地域社会に開かれた「信頼される学校・活力ある学校づくり」を、一層推進することが必要である。また、生徒一人ひとりのよさを伸ばし、自己実現を目標とした指導の推進に取り組むとともに、ごく少数ではあるが、不登校傾向の生徒が毎年いることから、早期からの組織的対応とカウンセリング機能の一層の充実が必要である。