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伝統芸能
 伝統芸能は、古くから人々の生活の営みの中で、大自然や神々に向けての祈りや感謝の気持ちから生まれ、ふるさとの風土に育まれながら、今日まで受け継がれてきた地方色豊かな文化遺産です。
 伝統芸能の一年は、生命が躍動やくどうし始める春に行われる「予祝」のまつりと行事に始まり、疫病えきびょうや風水害など災害の除去を中心とした夏のもの、収穫への感謝や物忌ものいみに特色を持つ秋のまつりと行事、そして正月の祝福芸能とあらゆる生命力を維持し、増殖に備える冬のものまで多彩 です。
 ここでは国指定の重要無形民俗文化財に指定されている3つを紹介します。

 
周防祖生すおうそお柱松行事はしらまつぎょうじ(岩国市)
 岩国市周東町祖生地区の中村、山田、落合の3地区で、それぞれ行われる盆行事。昔、疫病が広がり、農耕用の牛や馬が数多く死んだのを機に、その慰霊いれいと除災のために始まったと伝えられています。祖生中村の新宮神社の記録に、1734年(享保19)に、この行事が行われたとあり、それ以来、伝承されてきているものと考えられます。
 高さ20メートル余りの柱の頂上に、ハギの小枝とキリの葉で編んだ「ハチ(鉢)」と呼ばれる笠を置いて、その上にさした御幣(長旗)をめざして松明を投げ上げて点火し、炎上させて、五穀豊穣ごこくほうじょうや家内安全のための「除災」と点火に競り勝った者には幸運がもたらされるという「年占い」を伴う夏の火祭りとして典型的なものです。
  
祖生の柱松
祖生の柱松

 
岩国行波いわくにゆかば神舞かんまい(岩国市)
 周防に伝承される神楽の一つで、地元では、願舞または神楽と言われています。毎年10月14日に、小神楽として、荒玉 社境内で一部が奉納され、7年毎の4月には、大神楽として、錦川河原に4間(約8m)四方の神殿を組み、神殿の北25間(約50m)離れた所に高さ13ひろ半(約14.5m)もある登り松を立てて、白装束しろしょうぞく白鉢巻しろはちまきの荒神により曲芸的きょくげいな舞が演じられ、全曲目(15の舞)が奉納されます。 この神舞は、室町時代以降に京都地方で発生し、だんだんと西に進んで来て、当地に伝えられたと言われていますが、一説には、豊後国(現在の大分県)から大島郡を経て、瀬戸内の山間を北上してきたものの一つであるとも言われています。太鼓、横笛、手拍子に合わせて舞いが演じられますが、山伏風の簡素な衣装や、足を常に爪立て腰を折って前かがみの姿勢で、かかとを床につけない舞い方が特徴で、他の神楽と呼び方を異にしているとおり、地方的特色の濃いものです。
行波の神舞
行波の神舞

三作神楽みつくりかぐら(周南市)
 7年毎の11月21・22・23日の3日間、河内社境内で行われる神楽舞い。およそ300年前、仁保津(周南市)の栗木にある蛇つなぎという所で、大ウナギが取れました。あまり大きいので、仁保津・赤山巣山・升谷・三作(周南市)、鯖河内・上角(山口市徳地)の7つの地区で分けました。ところが、神のたたりによって疫病が流行し、困り果 てた村人は、各地区の代表を集めて、7年毎に、神楽を奉納することにしました。それが、この神楽舞いの始まりであると伝えられています。
三作神楽
三作神楽

 この他に、県が指定している次の33件の無形民俗文化財があります。
  市町村シチョウソン 指定シテイシャ 文化財ブンカザイ名称メイショウ   市町村シチョウソン 指定シテイシャ 文化財ブンカザイ名称メイショウ
1
長門市
滝坂神楽舞 18
周南市
諫鼓踊
2
長門市
三隅の腰輪踊 19
周南市
花笠踊
3
上関町
祝島の神舞神事 20
周南市
熊毛町安田の糸あやつり人形芝居
4
下松市
切山歌舞伎 21
萩市
友信神楽舞
5
下関市
忌宮神社の数方庭行事 22
田布施町
大波野神舞
6
周防大島町
久賀のなむでん踊 23
岩国市
由宇町清水の山ノ神祭り
7
光市
島田人形浄瑠璃芝居 24
美祢市
別府念仏踊
8
山口市
小鯖代神楽舞 25
美祢市
別府岩戸神楽舞
9
山口市
鷺の舞 26
岩国市
山代白羽神楽
10
山口市
陶の腰輪踊 27
萩市
住吉神社「お船謡」
11
岩国市
岩国南条踊 28
下関市
浜出祭
12
山口市
徳地人形浄瑠璃 29
長門市
湯本南条踊
13
周南市
式内踊 30
長門市
赤崎神社楽踊
14
周南市
長穂念仏踊 31
長門市
俵山女歌舞伎
15
岩国市
山代本谷神楽舞 32
防府市
玉祖神社の占手神事
16
柳井市
阿月神明祭 33
萩市
上三原の田植ばやし
17
宇部市
岩戸神楽舞  
 

 
民俗芸能
  民俗芸能とは民俗行事として行われる芸能と言う意味ですが、郷土でその土地の人たちが催すと言う意味から、郷土芸能とも呼ばれています。村や集落など生活を共にする人たちの集団が、自分たちの生活知識にもとづき、半ば慣習的に、昔から伝えられてきた芸能をありのままに伝承する「生活慣習的芸能」のことです。ここでは伝統芸能と同義語として使用しています。
 個人の創意によって作られている能、歌舞伎、文楽などの「創作芸能」が、作者、演出家、演技者、演奏者、さらには観客の好みによって、内容を自由に変化させ、発展させることができるのに対し、「民俗芸能」は、常にその背後にある民族的生活(昔ながらに伝えてきた生活)が最優先されるため、「創作芸能」には見られないさまざまな制約があります。

民俗芸能特有の制約  
(1)行う時期の制約
  原則として、いつ、どのような時にも行える訳ではありません。
(2)場所と順序が指定される。
 どんな場所でも、どんな順序でもやってよい、という訳ではありません。
(3)演技法、演奏法の制約
  演技・演奏を習慣どおり厳格に行います。
  退屈だからといって省略は許されません。
(4)用具の制約
 舞台設備、山車、仮面、装束、採物、祭具、楽器などが決められています。
(5)演技者の制約
 演技、演奏の上手下手だけで役割を決められません。
  たとえば曲は10歳の者が行うなど年齢階級によって配役を決めたり、
  特定の家筋のものが務めたりします。
(6)知識の制約
  美意識だけでなく、信仰心によって行います。      
「民俗芸能」は、その発生の動機や条件によって次の5種類に分類されています。
(1)神楽かぐら
(2)田楽でんがく
(3)風流ふうりゅう
(4)念仏踊ねんぶつおどり
(5)人形芝居にんぎょうしばい

詳しく知りたい人は
社会教育・文化財課へ
山口県ふるさとづくり県民会議編・発行 『山口県の民俗芸能』 1982年  
山口県編 『きらめき山口Q&A』 山口県 1999年
クイズ 県のシンボル 自然 歴史 産業 住み良さ 生活 文化 観光 国際 教育

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