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12 「しご」の話 
 「しご」は、物事の始末、処置、整理、かたづけ、手入れなどという意味で、広くさまざまな場面 において使われる山口弁です。以下にその具体的な用例を示しましょう。
 田畑を耕したり、草取りをして作物の手入れしたりする場合にも「しごーせる(しごをする)」を使います。「わしゃー今から、畑のしごーせて来る」などと言います。
 魚や野菜などを、料理できる前の段階まで処理、下拵えする場合も「しごーせる」と言います。たとえば、魚のはらわたを出したり、うろこを落としたり、また野菜についた泥を落としたり、食べられない部分を捨てたりする時にこう言うのです。「あんたー、鯖のしごーせーさんせ」「山芋のしごーせたら手がかゆーなった」
 聞きわけのない子供などを懲らしめたり折檻したりすることも「しごーせる」と言います。「ゆー(言う)ことー聞かんと、しごーせるでよ」などと言って、いけない子供を叱るのです。
 また、手に負えない、始末に負えないことを「しごにならん」「しごに負えん」「しごがつかん」、油断がならないことも「しごにならん」などと山口弁では言いますが、最近ではこれらの表現を用いる人は非常に少なくなってきています。
 
        森川信夫著『面白くて為になる 山口弁よもやま話』より
 
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