【山口弁よもやま話】コンテンツリスト
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24 「たまげる」「たまがす」「おそらかす」「おそれ」
「驚く」「びっくりする」を山口弁では「たまげる」と言います。この言い方は中国・四国の西部のほかに、関東北部、新潟県、東北南部、岩手県東部などでも用いられています。方言周圏論のあてはまる分布を描いており、かなり古い言葉だと言うことができます。またこれらの地域では、「驚かす」「びっくりさせる」を「たまがす」と言うことが多く、山口県でもこれを使います。
恐怖感を表す言葉は、山口県では普通「おそろしー」を用いますが、地域や個人により「おとろしー」と言う場合もあります。「おとろしー」は「おそろしー」という古く由緒正しい言葉の変形したものです。テレビ・ラジオの影響で、近畿地方や首都圏で使われる「こわい」、東日本方言の「おっかない」などを口にする山口県人も増えてきていますが、「おそろしー」「おとろしー」しか用いない老年層は、「こわい」「おっかない」という言い方には違和感があるようです。「恐がらせる」「恐ろしがらせる」は、山口弁では「おそらかす」をよく用います。「臆病者」のことは、「おそれ」という侮りや卑下の気持ちがこもった言葉で表現します。
森川信夫著『面白くて為になる 山口弁よもやま話』より
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