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28 「こわぇー」「えらぇー」「だらしー」疲労感を
表す形容詞

 疲れた状態や感じを言う山口弁には「こわぇー(こわい)」「えらぇー(えらい)」「だらしー」があります。
  「こわぇー(こわい)」は、主に脚・足・腕・肩などの部位を使い過ぎて筋肉が強張る感じの肉体疲労感を言い、普通 は労働において最も負担度の大きい脚や足が疲れてだるい状態の時によく用いる言葉です。「あー、脚がこわぇーのー」などと表現します。この言葉はかつては県内の各地で使われていましたが、地域的にも年代的にも次第に使用頻度が低くなり、現在では解りにくいものになりつつあります。
  「えらぇー(えらい)」は苦痛や困難、骨折りなどを伴う全身の疲労感を表し、肉体だけでなく精神的な疲労の場合にも用います。
  「だらしー」は精神的な要素を多分に含んだ全身の疲労感を表す言葉です。標準語の「だるい」「けだるい」にほぼ相当します。
  「おー、脚こわ」「あー、えら」というふうに、語幹だけの感動詞的な表現も、疲労感の大きい場合にはしばしば行われます。
  「こわぇー(こわい)」は老年層でも理解しにくい言葉になってきていますが、「えらぇー(えらい)」「だらしー」は中年層以上の人には頻繁に使われています。
 
        森川信夫著『面白くて為になる 山口弁よもやま話』より
 
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