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32 ザ行音ザ・ゼ・ゾのダ行音化 
 山口弁では、ザ行音のうちザ・ゼ・ゾがしばしばダ行音となって発音されます。「ひざ(膝)」が「ヒダ」、「ざぶとん(座布団)」が「ダブトン」、「かぜ(風)」が「カデ」、「ぜに(銭)」が「デニ」、「みぞ(溝)」が「ミド」、「ぞうきん(雑巾)」が「ドーキン」となるなど、標準語におけるザ・ゼ・ゾの音がダ・デ・ドと発音されるのです。もちろん、会話の場面 ・語彙などにより例外・年代差・個人差はありますが、老年層のみならず戦後生まれの中年層にも、日常こうした発音をする人がかなりいます。たとえば「そねーなこたー、でんでん知らんじゃったでね(そんなことは、全然知らなかったよ)」「しんどーがとまりそーなぐらぇーたまげたでね(心臓が止まりそうなくらい驚いたよ)」「でんぶ、までくりさん(全部、掻き混ぜなさい)」などという会話が行われるのです。
 
        森川信夫著『面白くて為になる 山口弁よもやま話』より
 
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