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36 「〜ちょる」「〜ちょく」「〜ちゃる」「〜ちゃげる」
 山口県では、接続助詞「て」に補助動詞が連結した「〜ておる」、「〜ておく」、「〜てやる」「〜てある」、「〜てあげる」の音韻変化した「〜ちょる」、「〜ちょく」、「〜ちゃる」、「〜ちゃげる」という連語が、日常頻繁に使われます。それぞれ動詞の連用形に付いて、助動詞の働きをします。
 「〜ちょる」は「〜ておる」が変化したもので、物事の状態や動作の完了・存続を表します。「今、晴れちょるよ」「そねーなこたー(そんなことは)知っちょる」というふうに使います。
 「〜ちょく」は「〜ておく」が変化したものです。「さきー(先に)めしゅー(飯を)くーちょこーや(食っておこうよ)」  「〜ちゃる」は「〜てやる」および「〜てある」が変化したものです。「今度はぎー(萩へ)連れて行っちゃろー」「ビールが冷やしちゃるよ」などと言います。「冷やしちゃる」は音韻融合により「冷やっしゃる」となる場合もあります。
 「〜ちゃげる」は「〜てあげる」が変化したものです。「勉強を見ちゃげよー」「私がやっちゃげたいね(やってあげたのよ)」。「ちゃげよー」は音韻融合して「ちゃぎょー」となることもあります。
 いずれも、年代を問わず使用頻度のきわめて高い、代表的な山口弁です。
 
        森川信夫著『面白くて為になる 山口弁よもやま話』より
 
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