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4 「たぇーがたぇー」 [tæ▲gatæ▲]
 相手の厚意に対し済まなく思う、申し訳ない、恐縮である、ありがたいという気持ちを表現するとき、伝統的な山口弁では「たぇーがたぇー(堪え難い)」という形容詞を使います。「こねーなことまでせてもろーて、たぇーがとーあります(こんなことまでしてもらって、申し訳ありません)」などと言うのです。相手への敬意が高い場合は接頭語の「お(御)」を付けて、「あねーなことーせちゃーなけんにゃーえーのに、おたぇーがとーござぇーます(あんなことをなさらなければ良いのに、恐縮でございます)」と言ったりします。
  また、相手が気の毒だという気持ちを表す場合も「たぇーがたぇー(堪え難い)」を用い、不幸のあった人への悔みの言葉としてよく使われます。このときは普通 、敬意を示す接頭語「お(御)」を付けて、「あぇーたかたにゃー、おまぇーりなさぇーまして、おたぇーがとーござぇーます(お宅様には、お亡くなりになられて、お気の毒でございます)」などと挨拶します。
  山口県ではほかに、気恥ずかしいという気持ちを表す場合にも「たぇーがたぇー(堪え難い)」を使っていましたが、最近では、そういう意味で用いる人は非常に少なくなってきています。
 
        森川信夫著『面白くて為になる 山口弁よもやま話』より
 
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