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43 敬意を表す接続助詞「て」
 あらゆる年齢層にわたり頻繁に用いられる敬語に、助詞の「て」があります。 これは動詞や動詞型活用をする助動詞の連用形に付いて動作主への敬意を表す接続助詞で、「今日、先生が家へ来てんよ(来られるのよ)」「外でお客さんが待っちょってですよ(待っていらっしゃいますよ)」というふうに使われます。
 この「て」は、五段活用の撥音便・ウ音便とガ行イ音便の動詞、すなわちナ行・バ行・マ行・ガ行の五段動詞連用形に付く場合には、「で」となります。「何の新聞を読んでですか(読まれますか)」「よーけ、のーでじゃねー(たくさん、飲まれるんですねえ)」「どこまで泳いでですか(泳がれますか)」という具合です。
 一方、伝聞の意を表す山口弁で格助詞の「て」(「てー」とも言う)は、「明日から、雨て(雨ということだ)」「後から、こけー来るて(ここへ来るということだ)」「そねーなこたー知らんてー(そんなことは知らないそうだ)」のように用い、敬語の「て」とは区別 されるものです。
 
        森川信夫著『面白くて為になる 山口弁よもやま話』より
 
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