【山口弁よもやま話】コンテンツリスト
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55 「のーがわりー(脳が悪い)」ことなど
今回から暫く、身体に関わる語彙や表現を紹介してみることにしましょう。今回はまず頭に関する方言です。
頭痛がしてすっきりしなかったり、何となく重く感じたりするような時、山口弁では普通 「のーがわりー(脳が悪い)」と言います。少数派ですが、中には「あたまがわりー(頭が悪い)」と言う人もいます。心配事で心を痛めたり、物事の処理に悩んだりしているような場合も、「のーがわりー(脳が悪い)」を使います。たとえば「息子が言うことーひとつも聞かんのですいね。わたしゃー脳がわるーあります」という具合に。
また、嬉しいことなどがあって非常に喜ぶさまを、「あたまをまるがす(頭を転がす)」と言います。「お母ちゃんが、あたまー(頭を)まるがして喜んじょったでね」というふうに使います。
調子に乗って増長することは、「ずにあがる(頭に上がる)」と言います。「こんなー今頃、ずにあがっちょるのー(こいつは最近、付け上がってるなあ」
「つむじ(旋毛)」は「まぇーまぇー」「ぎり」「ぎりぎり」、「額」は「でびちん」などと言いますが、これらの方言を使う人は老年層においても次第に少なくなってきています。
森川信夫著『面白くて為になる 山口弁よもやま話』より
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