【山口弁よもやま話】コンテンツリスト
|-サビエル君と山口婆さん
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57 「ごたぇー(五体)」に関わることなど
山口県では、身体そのもの及びその状態や体格などを「ごたぇー」と言います。標準語で用いる「五体満足」の「五体」に近い意味の言葉ですが、用法は違います。健康がすぐれない時には「ごたぇーの調子がわりー(悪い)」と言います。体格の良い人をほめて「えーごたぇーせちょる(良い体格をしている)」「ごたぇーがえー」などと言ったりもします。身長が高く恰幅も良い立派な体格であることは「たてよこ(縦横)足ろーちょる」などと言います。
姿勢が悪く猫背になることは「こんごーをかるー」、あるいは「こーごーをかるー」と言います。「あんたーこんごーかるーちょる。もちーとのって歩きさん(あなたは姿勢が悪い。もう少し背筋を伸ばして歩きなさい)」などと注意します。「背中」と「せな」は、「せな」の方が一般 的です。
満腹の状態を「はらがふとい(腹が太い)」、満腹になることは「はらがふとる(腹が太る)」と言います。胃が痛い時には「胃がかぶる」「胃がしわる」と言いますが、激痛の場合は「かぶる」を用います。腹痛の場合は「腹がせく」と言い、「にがる」は広く消化器系内臓全般 の痛みに用います。
無事に出産することは「まめになる」と言います。「お宅にゃー、まめになっちゃったげなねー(無事出産されたそうね)、おめでとーあります」などと挨拶し、安産を祝福します。
森川信夫著『面白くて為になる 山口弁よもやま話』より
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