【山口弁よもやま話】コンテンツリスト
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8 「ボーブラ・ボーボラ・ボーラン・ナンキン・カボチャ」
「カボチャ(南瓜)」のことを山口弁では主に、「ボーブラ」「ボーボラ」「ボーラン」「ナンキン」などと言います。
南瓜の原産地はアメリカ大陸で、日本には16世紀の中頃ポルトガル船によって東南アジアからもたらされたと言われています。ポルトガル語で南瓜を「ab
bora」と言い、「ボーブラ」「ボーボラ」はこのポルトガル語の発音に由来すると考えられます。「ボーラン」はそれが変化したものでしょう。ちなみに「カボチャ」という語形はポルトガル語の「Cambodia ab
bora(カンボジア産南瓜)」が短縮化したものだと言われています。「ボーブラ(ボーボラ)」も「カボチャ」も作物と一緒に入ってきた外来語ですが、現在の全国の方言分布状況から見て、「ボーブラ(ボーボラ)」の方が古い言葉のようです。南瓜が伝来した当初、日本におけるその標準的な呼び名は「ボーブラ」もしくは「ボーボラ」であったと思われます。
「ボーブラ」及び「ボブラ」という方言は、現在、山口県と九州の北部・中部、石川県、富山県などでも使われています。山口県内の各地ではほかに「ボンボラ」「ボーフラ」「トーブラ」なども比較的よく用いられています。東京や北関東などでは「トーナス」、大阪・兵庫・和歌山などでは「ナンキン」、京都では「カボチャ」がよく使われます。
森川信夫著『面白くて為になる 山口弁よもやま話』より
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