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9 「くるぶし(踝)」を「こぶ」と言う
 「くるぶし(踝)」のことを、山口県の広い範囲で「こぶ」と言います。ですから、「内踝」は「うちこぶ」、「外踝」は「そとこぶ」です。山口県では「こぶ」と言う地域が優勢ですが、下関や豊浦郡、宇部地方などでは「とりこのふし」と言います。全国的な分布を見ると、西日本を中心に「とりこのふし」と言う地域が多く散在し、「こぶ」と言う地域はさほど多くありません。「とりこのふし」は、鶏の足を連想したことによる方言で、やはり西日本に点在する「とりこぶし(鶏拳)」の変化したものではないかと考えられます。「こぶ」は、「こぶし(拳)」の形からの連想による方言であろうと思われます。
  美祢地方では「くるぶし(踝)」を「きびす」と言います。山口県では「かかと(踵)」を「きびす」というところが多くありますが、美祢ではこれを「かがと」と言います。「かかと(踵)」については、県内では「かがと」と「きびす」を併用しているところも少なくありません。
 
        森川信夫著『面白くて為になる 山口弁よもやま話』より
 
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