塩を溶かした水溶液の液性 (実践2)

単  元

学習指導要領(平成11年) 化学T (3)物質の変化 ア化学反応 ()酸・塩基、中和
学習指導要領(平成21年) 化学基礎 (3)物質の変化 イ化学反応 ()酸・塩基と中和

主  眼

塩の加水分解によって生じる酸・塩基の強弱を基に、塩を溶かした水溶液の液性を予想できることを理解させる。

実践2では、観察、実験を、ステップ1、ステップ2、発展的な観察、実験の3段階に分けて行い、その有効性を検証した。

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段階

学習活動

指導内容

授業で使用したモデル

ステップ1

酢酸ナトリウム水溶液の液性を、酸・塩基の強弱を基に考える。

  • 酢酸ナトリウムを水に溶かすと、CH3COO-Na+に電離することを説明する。
  • 水溶液中の水分子の一部が、H+OH-に電離していることを説明する。
  • 加水分解反応によって、酢酸が生じることを示す。酢酸は、弱酸であるため、ほとんどの分子が電離していないことを説明する。
  • 加水分解反応によって、水酸化ナトリウムが生じることを示す。水酸化ナトリウムは、強塩基であるため、電離してOH-が生じることを説明する。
  • OH-が多く存在するため、酢酸ナトリウム水溶液は、塩基性を示すことを説明する。

実践2_ステップ1

酢酸ナトリウム水溶液の液性を調べる。

  • 水溶液をガラス棒の先につけて1滴とり、リトマス紙で液性を調べる観察、実験を行うことを説明する。

実践2_ステップ1_観察実験の説明

ステップ2

塩化ナトリウム水溶液と塩化アンモニウム水溶液の液性を、酸・塩基の強弱を基に仮説を設定する。

  • 水溶液中で、塩化ナトリウムがNa+Cl-に、塩化アンモニウムがNH4+Cl-に電離することを説明する。
  • 水溶液中の水分子の一部が、H+OH-に電離していることを説明する。
  • 塩化ナトリウムや塩化アンモニウムが加水分解して生じた、酸・塩基の強弱を基に電離度の大小を比較させ、水溶液の液性について仮説を設定させる。

実践2_ステップ2

塩化ナトリウム水溶液と塩化アンモニウム水溶液の液性を調べる。

  • 水溶液をガラス棒の先につけて1滴とり、リトマス紙で液性を調べる観察、実験を行うことを説明する。

実践2_ステップ2_観察実験の説明

観察、実験の結果を考察する。

  • 塩化ナトリウムは、加水分解反応の結果、強酸である塩化水素と強塩基である水酸化ナトリウムを生じるため、水溶液は中性を示すことを説明する。
  • 塩化アンモニウムは、加水分解反応の結果、強酸である塩化水素と弱塩基であるアンモニアを生じるため、水溶液は酸性を示すことを説明する。

実践2_ステップ2_観察実験の考察

発展的な観察、実験

水溶液ABCの液性を調べる。

  • 水溶液ABCは、塩を溶かした水溶液である。これらの水溶液の液性を調べ、塩を同定する観察、実験を行うことを説明する。なお、溶かした塩は、炭酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ナトリウムである。
  • 水溶液をガラス棒の先につけて1滴とり、リトマス紙で液性を調べる観察、実験を行うことを説明する。

実践2_発展的な観察実験_観察実験の説明

観察、実験の結果を考察する。

  • 炭酸ナトリウムは、加水分解反応の結果、弱酸である炭酸と強塩基である水酸化ナトリウムを生じるため、水溶液は塩基性を示すことを説明する。
  • 硝酸アンモニウムは、加水分解反応の結果、強酸である硝酸と弱塩基であるアンモニアを生じるため、水溶液は酸性を示すことを説明する。
  • 硫酸ナトリウムは、加水分解反応の結果、強酸である硫酸と強塩基である水酸化ナトリウムを生じるため、水溶液は中性を示すことを説明する。

実践2_発展的な観察実験_観察実験の考察

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