◆カブトガニ画像1◆
 産卵の光景から1齢の幼生までを紹介します。画像が大きいので時間がかかります。しばらくお待ちください。

 産卵は6月中旬(下旬)から8月中旬(下旬)にかけて行われます。親はいつもつがいで行動している様子で海岸にやってきます。そして、卵を産むためにメスは砂の中にもぐり砂を掘ります。この時に、砂の中にある空気がメスの体の下にたまり時々泡となって出てきます。これを産卵泡(さんらんほう)といいます。海面下にいて、つがいが見えにくい時はこれが産卵の目印になります。
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 卵は前に干潟がある砂浜で、砂の粒がそろっているところ。深さ約15cmぐらいのところで見つかります。卵の直径は約9mmから1.2mmくらい。約50日かけて孵化します。面白いことに卵の時期に一度脱皮(脱卵?)して少しふくらみ、中で胚が回転しはじめ、孵化直前には、水晶の玉のような中で幼生がくるくると後ろ向きに回転するのが見られます。この時期の卵を回転卵(かいてんらん)と呼んでいます。
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 卵から孵化したものを1齢幼生(いちれいようせい)といいます。体には、親からの栄養分を蓄えているので8月末に卵から出ると翌年の5月末から6月にかけて脱皮するまでエサを食べずにいます。飼育しているものは卵から出ると砂や泥の中にもぐりこんでしまいじっとしています。
 自然のものでは8月末に、夜海面を懐中電灯で照らすと寄ってくるので夜に出てきて活動しているようです。1齢や2齢では活発に泳ぐ姿が見られます。もっとも、背面泳ぎです。
 さて、自然のものでは、孵化した1齢はどこでどのような生活をしているかは、まだわかっていません。ただ、もしも海水中に泳ぎ出ているなら、波によって広い範囲に運ばれることでしょう。そして、この時期の生存率は低いと思われます。
 ところで、この1齢幼生は、かって栄えて3億年前に絶滅した三葉虫の姿をしています。それで、これを三葉虫型の幼生と言うそうです。
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Aio JHS Science Club
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