2年「3位数までの加法」〜計算ピラミッド〜 





 5〜9までの数字が書かれた5枚のカード。
このカードをめくる順序によって、子供達のこれからの勝敗を左右することになる。
簡単な1位数のたし算から始まり、2位数のたし算へと移っていく。
今持っている自分の力を試しながら計算していく。
たし算の前単元で2位数+2位数の和が2位数までで終わっているので、この単元の導入は、和が3位数になるよう計算が自然につくれるようなゲームである。

 5〜9のカード配布。何が始まるのかと興味津々と見つめる子供達。
「今日はピラミッドをつくるよ。といっても、数字でつくるピラミッドなんだ。数を計算していき、頂上の数が一番大きい人がチャンピオンだ」
と語り、早く計算したいという気持ちにさせる。
カードをめくり、数を並べる。

 一番下の段から計算していき、4段目の計算になったとき、
「答えに百が出てきたぞ」
「この答えでいいのかな」
「この計算、まだ習ってない」
などという声が聞こえる。

 ここで、子供達の出している計算式の中から課題を提示する。
「53+59の計算の仕方についてみんなで考えよう」

 一の位から計算することや繰り上がりがあることなど、既習経験からわりとスムーズに計算している。
計算を考える場面では、自分の考えをノートに書かせることで考えををまとめる。
そして、友達の説明を聞いたり、自分の考えを説明させたりすることで、この計算の仕方をみんなでつくり上げる練り合いの場を設ける。
すなわち、一人一人がお互いの考えを大切にしながら、みんなで計算の仕方をつくりだす。
グループ内でだれの答えが一番大きかったか比べさせる。

 二度目の計算ゲームをする。
ゲームの仕方は、 一度目と同じ。
二度目のゲームが終了。次時の課題を考える。
「1回目と2回目の答えを合わせたら、だれが一番大きな答えになるだろう」
目を輝かせている子どもたち。
3位数+3位数の計算への意欲が高まっているのである。





 前時に計算して出た和の合計をする。
例えば、第1回目(8・5・7・9・6の合計) が112で、第2回目(5・9・8・7・6の合計)が123の計算をする。
クラスで一番大きな答えはだれか確認する。
このとき、1の位が繰り上がるような123+119の計算 もでてくるが、これは23+19の2位数の計算をもとに考える程度で深入りしない。
本時では、繰り上がりのない3位数+3位数の計算をする。





 1〜4までのカード1枚ずつと0〜9までのカード1枚ずつを使って3位数+3位数の問題をつくる。

 カードを繰り、百の位は1〜4までのカードから取り、十の位、一の位は0〜9まで のカードから取って、3位数を2つつくり筆算形式にする。

 カードをもとに返して次の人が問題を作る。
 グループで一人一人が問題をつくって大きさ比べをする。

 1回目のゲームでつくった問題の中には、繰り上がりのないものだけでなく、一の位、 十の位のくり上がりのあるもの、両方にあるもの等が出てくる。
ここで新しい課題ができてくる。

 そこで、全体で計算の仕方について考える。
2位数+2位数の学習をふり返り、繰り上がりが1つのもの(ア)(イ)は解決できる。
(ウ)は児童によっては2つ繰り上がるのでむずかしい者もいるが、計算の仕方を学び、あとはゲームの中で練習しながら理解  を深める。

 第2回目のゲームからは、自分の問題を計算するとともに、グループの他の者のつくった問題も計算する。
その際、わからない者があれば、教え合いながら学習を進める。
こうして、楽しみながら3位数の計算練習をする。


 計算の速い子と遅い子の差が出るが、グループ内で協力し合って取り組ませたい。
計算の速い子が勝つのではない。カードをめくってできる数の偶然性やゲーム性などで、だれもが計算を楽しむことができるようになればと思う。 

授業資料