3年「時刻と時間」〜すごろく遊び〜 









<すごろく遊び>

 すごろく遊びの導入では、最初から条件を多く出さず、子供たちが楽しく遊びながら学習に参加できるようにする。
そのためには、「すすむ」・「もどる」などの条件を一切付けない簡単なすごろくを提示する。
サイコロの目を「30分・45分・1時間・1時間15分・1時間30分・3時間」とする。

 遊びを始めるにあたっては、まず、すごろくを見て、気づいたことを話し合い、遊びに対する関心を高める。
・「ふりだしとあがりが同じで午前7時になっている」
・「5分とびで☆、1時間とびで○になっている」

 話し合いの中では、既習内容である時刻や時間・午前や午後などの概念について、時計の模型を操作しながら、時間の感覚をのばしておく。
時刻は○や☆の位置で表され、時間は線分の長さで表されていることを知らせ、時刻と時間との違いを視覚的に捉えさせておく。

 また、「1時間=60分」・「1日=24時間」といった単位の換算や午前午後の用語の理解を確認する。

 次に、遊びのルール(算数遊びのポイント参照)を確認し、すごろくをする。
すごろく遊びの中では時刻や時間の計算が必要になるが、次のようないろいろな進み方の中で、計算し、次第に能率的に計算できる方法を身につけさせる。
「今午前9時40分だ。
 サイコロの出た目が45分だから、どこまですすむとよいかな」

  1. 5分刻みに目盛りをたどり、5分、10分、15分・・・と進んで10時25分
  2. 10分ずつ目盛りをおさえて、10分、20分・・・40分と5分で10時25分
  3. 10時まで20分、45分は20分と25分だから、10時25分
  4. 30分で10時10分、45分は、30分と15分だから、10時25分
  5. 40分と45分で85分、85分は1時間と25分だから、10時25分

 遊びに慣れたところで、子供と共に時刻や時間を求める問題づくりをし、すごろくの「すすむ」・「もどる」・「やすむ」などに取り入れ学習を進める。
 ◎ ある時刻から一定時間前の時刻を求める問題
   「45分間勉強したので、6時15分になりました。
    勉強を始めた時刻までもどりましょう」
 ◎ 午前から午後におよぶ時間を求める問題
  「午前9時30分から午後2時までは何時間ですか。
   わかったら3時間進みましょう」

サイコロを振って出た目などの計算については、その都度みんなで納得した後、次の人がサイコロを振るようにする。
もどる時刻を工夫したりして問題場面を発展させることで一層理解を深めさせることも考えられる。

時計の文字盤と対応させながら、長針と短針の移動の量をつかむなど時間を読む工夫をし、そこから、計算の仕方を工夫していけるようにすることが大切である。
例えば、15分・30分・45分・60分はそれぞれ長針が1/4、1/2、3/4、1回転することなので、目盛りを教えることもなく時間をとらえることができ、それをもとにすると簡単な計算が可能になる。
なお、筆算についての計算の仕方も扱うが、60進法であることを念頭において、計算の処理ができるようにする。





<1分間あて遊び>

 時間あて遊びの導入では、50メートル走など生活場面を想起させ、極めて短い時間の単位に関心をも足せる。
そして、遊びの最初は、子供たちが生活経験の中で身に付けた時間感覚でもって挑戦させる。

 全員が机にふせ、教師が時計を計る。
1分たったと思う者から顔をあげる。
その際、OHPでもよいから分かるようにしておく。
秒針のある大きな時計があればそれを見てもよい。
実際に行ってみると1分でも人によってかなりの差があることが分かる。

 第2回目を行う。
ピッチリはむずかしいにしても55秒〜65秒に入れるよう、自分なりにめあてをもって行う。
次第に、1分間の感覚になれ、3回目ごろはほとんどがこの間に入る。

 次に、短い時間を計るには、ストップウオッチなどを使うと便利であることを知らせ、新たな遊びへと発展し理解を深める。
遊びをする前には、ストップウオッチの実物を示して、秒針や分針の動きについて観察させる。
特に、ストップウオッチ(アナログ型の方がよい)で長針が60秒動いたとき、中にある短い針が1分たっていることを視覚的に捉えさせる。

 遊びとしては、次のようなものが考えられる。

  • 子供たちが相互にストップウオッチを使用し、「5、10、15・・・60秒・・」などを当てる。
  • 日常の遊びの中から「秒」を使って競い合うことのできる遊び(縄跳び、鉄棒のぶらさがり、紙飛行機飛ばし、こままわし)を選び楽しむ。その中で時間の測定を体験 し、秒のよさを味わう。

このような遊びの中で、
  1分は60秒
  1日は1440分、86400秒
などの計算も考えさせる。

授業資料