3年「重さ」〜お金の重さとピッタリゲーム〜 





 重さの学習では、長さの学習の経験をもとに、子供に必要感をもたせながら、比較から数値化へ、そして、普遍単位による測定へと考えを展開していく過程を大切にしたい。
そのための意欲づけとして、硬貨を使ったクイズを用いる。

「ここに、1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉があります。重い順に並べられるな」
「500円玉が一番重いよ!」
「50円玉の方が10円玉より小さいから、やはり、軽い。でも、50円玉の方が 高いから重いのかな?」
「手で比べたのではよくわからないなあ」

 値段が高くなるほど重くなると考える子供が多いが、10円玉と50円玉のところで、値段の順番と重さの順番が逆転するおもしろさがある。
「ゴムの伸び方で比べてみよう」
ゴムでつるすのは穴のあるお金はよいが、つるしにくい。

 天秤が必要となる。天秤を作って、重さを比較する。(自作の天秤の感量〜約0.5g)

 まず、両方に硬貨を一枚ずつのせていく。
1円玉と5円玉、5円玉と10円玉、100円玉と500円玉の重さを比べることはできる。
しかし、5円玉と50円玉や10円玉と100円玉の区別はつきにくい。
1枚ずつではわかりにくいので、何か調べる方法はないかと工夫させると、同じ硬貨を2枚ずつ、3枚ずつと枚数を増やして比べ、50円玉の方が5円玉より重いことに気づく。

 こうして、天秤を使って、硬貨の重さの順番(*補足)がわかった後に、それぞれの硬貨は、一番軽い1円玉よりどのくらい重いかを天秤で調べる。
 5円玉〜1円玉約4個分
 10円玉〜1円玉4個分よりやや重い
 50円玉〜ちょうど1円玉4個分
 100円玉〜1円玉約5個分
 500円玉〜1円玉約7個分
以上のように、1円玉を任意単位に結びつける。









幾つかの物の重さを1円玉を任意単位として表して用いた後に、1円玉と同じ重さの普遍単位1gの導入を図り、自動上皿ばかりの使い方を知らせる。

 測り方の学習であるが、測るだけの活動では、飽きてしまう。
そこで、次のようにゲームを始める。(はかりがあれば、グループ学習がよい)
「重さピタリゲームをしよう。
 教室の中で200gに一番近いと思う重さの物を持ってきた人が勝ちだよ」

 飽きてきた子供がゲームと聞いて「おもしろそうだな」と思う。
特に、他の人と競うために、手に載せて重さを見積もるなど、より意識的に重さを予想して測るよさがある。
重さの学習では、重さについての量感を養うことも、重要なねらいの一つである。

 さらに、一番近い重さの物を見つけてきた人が、次のピタリ賞の重さを決めることにするなど、ルールを工夫させていくとよい。

 このゲームは、1回を10分程度の短い時間で扱い、
「次の時間にもう一度しよう」
となげかけておく。
すると、自然に、いろいろな物の重さを測ろうとする活動を引き出すことができる。









「今度は、2人組で二つのもので重さ2kgのピタリゲームをしよう」と展開する。
このゲームは重さの計算に結びつけていく。

1人が品物を持ってくる。はかりで測ると750g。もう1人も品物をもってきて別々に測る。630gである。

 2人合わせた重さを計算する。
「750+630=1380」
その後2ついっしょにはかりにのせて計算の結果を確かめる。

 一つめの物の重さが1250gで、もう一つのせると1780gになったときに、二つめの物の重さが、はかりを使わずに計算してみようと、重さの計算に結びつけていく。


 重さの計算では、単位が異なる計算(1kg−975gなど)に抵抗を感じる子供が多い。
このゲ−ムを通して、「ちょうど1kgまであと25gだ!」という経験を何度もしているので、重さの単位の換算についても、経験を元に考えることができるよさが、このゲームにはある。

 なお、お金の重さは、次のような規格になっている。   
1円玉
(1g)
5円玉
(3.75g)
10円玉
(4.5g)
50円玉
(4g)
100円玉
(4.8g)
500円玉
(7.2g)
    

授業資料