3年「わり算」〜分けっこあそび〜 





◇ 3人組を作って遊ぶ
 遊び方のルールが分かった児童は、広い校庭や広い部屋で係りの吹く笛の数に合わせて楽しく仲間づくりをする。
笛を3回ふく、その笛を聞いて3人組をつくる。
その際、残った人数も調べるようにし、残りの数に着目するようにする。
笛を吹いたり、残った人を調べる係りは、仲間になれなかった児童が替わり合ってする。
今度は4回ふく。
4人組をつくる。こうして、笛の合図によって仲間つくりをして楽しむ。
何人組のとき、何人残ったという考え方を意識させながら仲間づくりをする。


◇ 10人の中で3人組を作る
 学級の実態に応じて、グループの人数は8人・10人・12人程度の簡単な数にわけてその中で何人組をつくる。
全体の人数によってグループの人数は違ってもよい。

10人の中で仲間づくりをする。すると、
「3人組は1人残ったのに、5人組はだれも残らないよ」
「4人組は2人残るね」

 このように、全体の数が簡単なとき、何人組は何人残る、残りがないなど体験しわり算への意識をもたせる。
笛の数によって、残りがあるときと残りがないときがあったことを体験する。





◇ おはじき12個を分けるゲーム
「分けっこあそび」でやった仲間づくりを、教室でおはじきの半具体物を使って行い、除法が使われる場の意味理解や、その式や意味につなげていくところである。

 ここでは、2〜4人のグループで行い分けた残りの数を得点にして遊ぶゲームである。
1グループに12個のおはじきとサイコロ(サイコロの1の目は7にしておく)を用意する。
1人目がサイコロを振り、出た目の数ずつにおはじきを分けるのである。
実際に分ける前に、いくらに分かれるか、残りはいくらかを他の児童が予想しておく。
1人目が済むと2人目に交替して行うこととする。

 前時に「分けっこあそび」をしているので、いくらに分かれるか、残りはいくらかを予想する各グループの声で、教室は盛り上がる。
「3の目が出たよ。三四 十二だから、4つに分かれるね」
と言うようなつぶやきを取り上げ、九九が使えることに気が付くようにするとよい。

 しばらくすると、予想と答えがいつも一致するようになってくるので、「12÷○」と言う式を提示し、包含除の場合のわり算の意味と式の理解につなげていく。
また、分けて残った数が得点になるというルールを導入し、ゲーム形式で意欲化を図る。

サイコロ
得点
12÷7=1あまり5

5点

12÷3=4

0点

12÷5=2あまり2

2点


◇ 自分で被除数を決めるゲーム

 被除数が12では、2、3、4、6の時あまりがなくて、5と7の時だけあまりがある。
出にくいのでおはじきの数を変えたいと言う声も出る。
そこで、次には一人一人が好きな数を決めてゲームをすることにする。

 おはじきを15個にすると、2、4、6、7の時あまりがある。
サイコロの目が4の時は、「15÷4=3あまり3、3点」となる。

 また、おはじきを20個にすると、3、6、7の時あまりが出る。
しかし、サイコロの目が6の時は、「20÷6=3あまり2、2点」となる。

 このように、被除数を大きくしただけでは、あまりが大きくならないことにも気づき、除数や被除数をどんな数にするとあまりが出やすいかも考えつくようになる。

 被除数が次々変わるので、なかなか予想がつかなくなってくる。
そのため、早く答えが出せる方法を知りたいという気運も高まってくる。
それは、第4時の課題とする。

このように、児童の思考の流れに沿って、遊びの幅が広がったり、深まったりしながら学習が進んでいくことが、「つくりだす力」を生むことにつながると考える。


 あまりが得点になるというルールを導入することで、意欲化が図れるだけでなく、思考も深まっていく。
また、自分の問題とともに、他の人の問題を解くことでドリルにもなる。

 「分けっこゲーム」は、等分除で行ってもよい。
その際、操作が混乱することも考えられるので、教師が支援するとよい。
それよりも、包含除・等分除が使える生活の場を考え、問題づくりをすることを大切にし時間をとりたい。

授業資料