4年「分数」〜分数カードゲーム〜 





 分割した分数について復習し、1/2と1/3はどちらが大きいか考えさせ、同じ大きさのものならば、1/2 > 1/3 になることを確認する。


ア 分数カードゲームをする。

 正方形を分割したカードを使って、2人ずつでゲームをする。
(3人組、4のときは、1/4のカードを使う)
1/2片コースか、1/3片コースのいずれかを選ばせる。
交互にサイコロを振って次の目が出れば1枚取るというゲームを行う。
  「1/2片コースは、1,2」
  「1/3片コースは、1,2,3」
 10回(仮分数ができる程度)行い、取ったカード全部の1/2片、1/3片の大きさ比べをする。
意見交換をしながら、どんな方法で比べればはっきりするかを考えさせる。

 ゲームをしながら、カードを重ねていく子供もいる。
横につないで並べていく子供もいる。
取ったカードのいろいろな置き方を紹介することにより、大きさの違いがはっきり分かる方法を見つけさせる。
すると、横につないで比べる方法が、簡単に大きさが比べられることはどの子供も分かる。

 こうして比べると、右図のように1/2が5つと、1/3が7つあれば、1/2が5つの方が大きいことがはっきりと分かる。

 そして、1より大きい分数について、右図のように、「1/2が5つ」であれば、「5/2」と表すことを指導する。

 また、カードを横に並べると帯状の線(数直線)が意識しやすくなる。
(後で分数ものさしに発展)
そこで、ゲームで取った全員の分数を帯状の線にまとめる。
このように学習を進めていくと、仮分数が理解しやすい。


イ 円を分割したカードを使って、正方形の場合と同じ要領でゲームを進める。

 10回(帯分数ができる程度)行い、カードの合計の大きさを比べる。
子供たちは、上の正方形のゲームと同じようにカードを横に並べる。

 それでは、大きさは比べにくいので、円の形をつくれば比べやすいことにすぐ気づく。
円にまとめたものを見れば、「1/2が5つ」は「2と1/2が1つ」、「1/3が7つ」 は「2と1/3が1つ」に等しいことには抵抗なく理解できる。
このようにして、帯分数について意識をもってくる。そこで、帯分数の表し方や読み方について知らせる。

 正方形を分割したカードでは仮分数を理解するのに、円を分割したカードでは帯分  数を理解するのに都合がよい。
ここで考えた「分数カードゲーム」は、時間もあまりかからないし、子供たちも大変興味を示し、後の活動が活発になり、主体的な学習の取り組みにすることができる。

 時間があれば発展課題として、1/4、1/5、1/6 を使ったゲームをするともできる。
自分たちでゲームで使う切片を作り、ルールも自分たちで決めてゲームをする。
1/4片コースは1・2・3・4の目、1/5片コースは1・2・3・4・5の目、また、1/6片コースは何でもよいというルールを考える。





 仮分数や帯分数をつくる学習では、分子、分母を意識させて、数値を自由に当てはめてつくる。
思いつくままにつくらせるのもよいが、つくり方として、次のようにすれば順序よくつくれることにも気づかせる。
単に数を変えてつくらせると量感をつかみにくいが、次時でつくった分数を整理する分数ものさしをつくるときに考えさせる。

・5/3   → 分子を変えて、6/3、7/3、8/3 ・・・・
     → 分母を変えて、5/4、5/5、5/10 ・・・・

・1・2/3 → 分子を変えて、1・1/3 ・・・・
      → 整数部分を変えて、2・2/3、1・2/3 ・・・・
      → 分母を変えて、1・2/4、1・2/10 ・・・・

 また、100/3などの大きい数も出てきたときは、分数ものさしにまとめるとき、帯分数にしてみるともっと長いものさしでないとかけないことを気づかせる。
また、1・15/3、1・3/3なども出てくるかもしれないが、これも、分数ものさしにまとめるとき解決する。





右のような1/2 1/3・・・・・目盛りの紙片(分数ものさし)を与え、自分 がつくった分数を入れさせる。
上に仮分数を下に帯分数を記入させる途中がないところは、どんな分数を入れたらよいかを考えさせて記入する。
このものさしは、「大きさ比べ」、「等しい分数」「分数のたし算・ひき算」(同じものさしでないと計算できない)などの学習に、自分自身のものさしとして使用することができ、学習への取り組みがより深まる。

授業資料