4年「分数」〜等分カードで遊ぼう〜 









<等分をつくる>

 カードを提示し、
『長方形のケーキ(縦4B、横12B)を、4人で同じ大きさ、同じ形に分けるには、どんな方法があるだろう』
と投げ掛ける。

 子供が行う等分割には、下図のようなものがある。

それぞれが行った等分割を一通り発表させた後、4等分した一つ一つの形を示して次のように問う。
『分け方によってどれでも形が違うが、本当に同じ大きさだろうか』

「4つの同じ大きさに分けたんだから、形が違っても同じだよ」
「どの形でも4つ集めると、同じ大きさの長方形になるんだから、同じ大きさだよ」
それぞれの形を重ね合わせたり、分割した4枚をパズルのように組み合わせてもとの長方形に戻したりする活動を通して、形が異なっても4つに同じ大きさで分けた一つ分の大きさは等しいことを確認させる。
その上で、4等分した1つ分の表し方として1/4を知らせる。

『4人でなく、ほかの人数に分けるならどんな仕方になるだろう』
2から10までの間で分割数を自分で決めさせ、カードの等分の仕方を工夫させる。
2等分は、いろいろな分け方ができるが、3等分は難しい。
「ア」の方法なら分けやすいことに気づく。
自分にとって分けやすい方法でカードに図示すればよいことを伝え、5等分、6等分... それぞれの場合を考えさせる。

 等分割をつくるには、用紙を折り曲げる、長さを測るなどの方法が考えられるが、ここでは、等分割することよりは、分数を視覚的につくることが大切なので、カードに目もりを入れたものを準備しておく。
カードには10等分、12等分の2種類の目もりをうっておくとつくりやすい。









<「等分カード」を使ったゲーム>

『色を塗った部分はどんな大きさだろう』
左図を提示して問い掛ける。
「2等分したものより大きいね」
「色が塗ってないところって、3等分した1つ分と同じ大きさだね」
「色が塗ってあるところって、3等分した2つ分だよ」
一人一人に3等分した2つ分であることを確認させた後、2/3と表すことを知らせる。

『グループ(4人程度)でカードを集めて、大きさを当て合おう』
自分がつくった等分カードに大きさを決めて色を塗らせ、その大きさをカードの裏に分数で記入させる。
子供は、まず、出題された用紙をもとに、折り曲げたり、長さを測ったり、自分がつくった等分カードと比べたりしながら、カードを何等分したものかを調べていく。
出題された大きさが、その等分された一つ分の何個分かに気づけばよいことになる。
回数を重ねるうちに、大きさの見当をつけてから調べ始める子供も出てくる。

 いろいろな大きさの分数を調べていく過程で、同じ大きさの分数でもさまざまな形が存在することを意識する。

 また、例えば1/2と2/4のように同じ大きさ、形であっても出題者と解答者の間で答えが異なってくる場も起こる。
ここでは、それぞれの場合について、具体的な操作を通して、どちらの場合も正しいことを確認する。

 ひととおり「分数の大きさ当て」が済んだ後に、発展的な扱いとして、次のような遊びの例を提示し、子供自身にカードの遊び方を工夫させていく。

○同じ分母ごとに仲間分けをし、その中で小さい順に並べる。
 (トランプの7並べ)
○互いにカードを1枚ずつ出し合って大きさ比べをする。
 (大きさは図の広さで比べる)
○ 同じ大きさの分数を集める。
 (それぞれの遊びは、図を表にして行う場合と、数字を表にして行う場合などがある)

 等分割したカード(縦に等分割したカード)に分数を書き込ませることにより、分数の数直線(分数ものさし)への発展が可能である。
分数の加法、減法で見通しを持たせたり、答えを確かめさせたりする場合にも活用することができる。

また、同値分数についての感覚的な理解を促すきっかけとしても活用することができるだろう。

授業資料