4年「概数」〜人口合わせゲーム〜 





 県の人口を四捨五入によって概数で表す仕方を知った後に、その手法の習熟と、その意味について理解できるようにすることをねらいとして、「概数合わせ」のゲームをする。

 ゲームをするために3、4人のグループで47都道府県の人口を記したカードを作る。
概数合わせのゲームでは、47枚全部を使ってもよいが、部分的に使って学習効率をよくしてもよい。

 はじめに、百万の位の概数で表したときに同じになる数でカード合わせをする。
百万になるカードが20枚、二百万14枚、三百万3枚、四百万1枚、五百万2枚、六百万2枚などになっている。
そこで、合わせやすくするために、350万未満、250万未満などのカードでゲームをしてもよい。
ここではゲームを楽しみながら、十万の位を四捨五入する仕方の練習でもあるので、声に出して概数を言わせるようにする。
そして、このゲームが、第4時の概数の表す範囲について調べる学習にもつながる。





 第3時では、子供たちに「百万の位にしたカード合わせ」の条件を変えたゲームを工夫させる。
 ・ 四捨五入して十万の位(上から2桁)にする
 ・ 切り捨てて百万の位にする
 ・ 切り上げて百万の位にする
ゲームの方法もカード合わせのほか、「ばばぬき」「シャフルゲーム」などもできる。





 算数遊びをもとに、概数の表す範囲を調べる。
240万未満の34枚のカードを百万の位の概数で表してみると、百万に近い数と二百万に近い数に分けることができる。
どこがその境になっているのかカードを順番に並べていくと1481602人の青森県と1506598人の長崎県の間が境になっていることに気づく。
そこで、この間の1499999と1500000が境であることをつきとめ、百万の位の概数の表す範囲がわかる。
 また、百万の位の概数で表したときには青森県と長崎県は分かれたが、上から2けたの概数にすると、どちらも150万で同じになることなども子供に気づかせる。
なぜそうなるかを考えさせることで、概数のとり方によって概数の表す範囲が変わってくることがわかり、概数を用いる目的に応じて、どの程度の概数を用いたらよいかを判断しなければならないことを知らせる。

 概数の学習のまとめとして、各県の人口をわかりやすく図示する方法を工夫させる。
数直線に表したり、棒グラフ、絵グラフなどで表したり、表で表したりする。
その際、目もりによって、どの位で概数にした方がわかりやすいかなど考えることになる。
こうした学習によって、概数を利用していこうとする態度も培われていく。


 この「概数合わせ」の遊びでは、概数をとる場合の習熟を目的とし、そこから概数の表す範囲について調べることに発展させていった。
そのため、第1時では、山口県の人口をもとにして、「詳しい値が分かっていても、目的に応じて必要な位にとどめた値を用いる場合」や「詳しい値をつきつめることが不可能で、およその値を用いる場合」などについて学習した。                  

授業資料