4年「面積」〜12ドットのサイコロ〜 









○ 3つの目のサイコロゲーム
 サイコロを見つめて
「このサイコロにかかれた形には秘密があるんだけど分かるかな」
と言う。
すると、図の形が正方形、長方形、L字型の図形になっていること、まわりの長さが12になっていることを見つけてくる。
サイコロの目の形の図形は、この単元の学習をする目当ての図形であることを意識させる。
「今日は、サイコロを振って、まわりの長さが12で囲 まれた広さを取っていく陣取りをするよ」
と告げる。
広さの決まっていない空白の目が出た場合、出るまで振ることにしておく。
お互いに4回ずつ振り、図1のように1.5cm間隔のドットに広さを書いていく。
初めは、見かけから勝ち負けをあれこれ言っているが、ドットの方眼の数を調べたり、サイコロに載っている形の広さを数えたりして比べる。


○まわりの長さが12の図形をつくる
 正方形が9個で長方形が5個、L字型のが6個でできているのが分かる。
「12の長さで広さが9や5や6があるけど、まだ違う広さはできないかな」
「9と6の間の広さもありそうだよね」

 そこで、
『他にどんな広さが作れるかな。作ってみてサイコロの空いているところにかき入れよう』
という課題のもとに考えていく。
子供たちは12の長さでできる形を作ってみることにする。
初めは、正方形や長方形を作るが、そのうち角をへこませていき、8や7などの凸凹の形を作ってくる。
そして、右図のように5,6,7,8,9の広さを作る。
まわりの長さが同じでも、こんなに多くの図形ができる。
できた面積5〜9までの形から自分で3つ選び、サイコロにかき加えていくことにする。


○6つの目のサイコロゲーム
 今度のゲームは、同じく2人組になり、サイコロで出た目に対応する広さを1cm間隔のドットにかいていく。
6回ずつして、広さくらべをする。今度は面積が広いので比べにくい。
サイコロの目で使った長方形(1×5)で数える。
小さい方眼の数を調べる。全体を長方形と他の形に区切って調べる。
等いろいろな方法が出てくる。

 また、自分の1回目と比べて、「初めの方が広かったな」と言う子もいる。
そこで、
「自分の1回目と2回目で広い方を選び、クラスのみんなと比べてみよう」と投げかけてみる。 
まず、自分の広さ比べからドット間の違いを意識させていくのである。
次に、友だちと勝負する。
1.5cm,1cmのどちらのドット図も使っているので、相手と同じ間隔のドット図が必要なことに気づく。
それを契機に普遍単位の1平方センチメートルを導入する。





前時に1_を学習したので、サイコロの目の形にあっ た図4のような長方形や正方形の面積を1cmの方眼紙にかいて1マス1平方センチメートルとして求める。
1平方センチメートルを数えて、長方形は5平方センチメートル,正方形は9平方センチメートルを知った後、自分たちで自由に長方形をかいて面積を調べる。
右図では15平方センチメートルになることを見つける。
答えを出すために、1つずつ数えていた子も、いくつか調べていくうちに面積の計算のきまりに気がついてくる。
「縦と横をかけたら答えになったよ」のように自分たちでいくつかの長方形をかいて帰納的に気づいたところで一般化し公式化していく。
こうして、正方形や長方形の面積はかけ算で求められることが分かる。





 長方形や正方形の面積公式が使えるようになったところで、複合図形の形として、回りの長さが12の図形で学習したいろいろな形を使って問題を作成する。
問題を作りながら必要なところに数を与えていく。
複合図形の形はいろいろ学習しているので問題づくりはできるが、数を決めるのにどこを決めたらよい

か考える。数が不足していたり、矛盾する場合もあろうが、面積を求めるとき気づけばよい。
複合図形の求め方については、長方形に切ったり余分な長方形を切り取ったり長い長方形に変身させたりといろいろあるが、どの方法も有効な手段として認めていく。


 方眼紙にたくさんの子どもたちが遊んでいるようなさし絵を重ね刷りして、
「1ドット間の長さを、1mとしてみたら」
と持ちかける。
また、重ね刷りする挿し絵を工夫して1ドット間を1mや1kmと設定して大きな面積の単位を導入していく。

授業資料