4年「三角形」〜三角形トランプ〜 









 6枚の三角形トランプカ−ドを各グル−プに配布し、
「同じカ−ドを合わせるババ 抜きのトランプ遊びをしよう」
と投げ掛ける。
4人に16枚のカ−ドを4枚ずつ配り、それぞれ自分のカ−ドの中で、同じ仲間と考えることができるものがあれば出す。
同時に、どのような観点で同じと考えたかを皆に言う。
(二等辺三角形、正三角形にこだわらない。自分で同じ観点と思ったものを出す)

順に、カ−ドが合ったら前に出しババ抜きの要領でカ−ドが合わなくなるまでやる。
カ−ドが合わなくなったところで終わりにする。
ここでは、自分の思いで観点を決めて出していくため、他の者にも意見があろうが1回目はこれで行う。

 このように、自分の思いで仲間づくりをしていくが、ゲ−ムとしてはグル−プで統一したカ−ド合わせが必要なことから、グル−プの皆が納得する仲間づくりを考える。
感覚的に「形が似ているから」では皆に納得させにくい。
やがてこのような観点では仲間づくりができないことに気付き、個々の三角形の辺や角に着目するようになる。
そして、個々の三角形の性質を比較して共通点や相違点を見つけようとする。

 ここでの子供がつくりだす観点の中で「大きな角があるから」は、「直角より大きな 角があるもの」のように明確になるように支援する。
それをどういうことから思ったのか、どのように説明すれば相手も納得してくれるか等、子供の思いを大切にしながら客観的な観点の仲間づくりへと高めていくことが大切である。

 辺の相等や角の相等を観点にすることに気付いたら、三角定規やコンパス等を使ったり、切り抜いた三角形を折ったりしながら個々の三角形を調べグル−プで話し合って、仲間を決める。

  同じ仲間の観点として次のようなものがあるが、観点がはっきりしておればよい。
 〇 直角があるもの
 〇 2つの辺が同じ長さのもの
  (2つの角が重なるもの)
 〇 3つの辺が同じ長さのもの
  (3つの角が重なるもの)
 〇 3つとも辺の長さが違うもの
 〇 直角があり辺の長さが等しいもの
 〇 直角より大きな角があるもの
 〇 直角より大きな角がないもの 等
がある。
これらは、教師の支援も加えてはっきりしていく。

 このような観点をグル−プで決めて、ババ抜きや神経衰弱等のトランプ遊びを自由にする。
三角形の仲間づくりをしたことをもとにして、次のような三角形の名前を知らせる。
 直角があるもの
        … 直角三角形
 2つの辺の長さが同じもの
        … 二等辺三角形
 3つの辺の長さが同じもの
        … 正三角形
 直角があり2つの辺の長さが同じ
        … 直角がある二等辺三角形

 このような三角形から二等辺三角形・正三角形を焦点化し、二等辺三角形・正三角形 の性質をまとめる。





 まず、コンパスを用いた二等辺三角形(6cm・8cm・8cm)のかき方を考える。
作図の仕方学習をした後、二等辺三角形の問題をつくり、作図の理解を深める。

 6cmを他の数に変えたり、8cmを他の数に変えたりすることで問題のつくり方を身に付けていく。
「3cm・8cm・8cm」「6cm・6cm・8cm」「4cm・4cm・2cm」等、長さを変えたり、底辺の長さを変えたりして、一人一人で二等辺三角形の問題づくりをする。
そして、その問題をグル−プで互いに作図し合う。
このようなグル−プでの問題づくりや作図を通して、問題をつくるコツや作図の仕方を見つけさせる。

 この中の問題には、「6cm・6cm・6cm」や「8cm・3cm・3cm」のような問題も出てくる。
このような問題こそ自由につくりだす問題づくりのよさであり、二等辺三角形の問題の中から正三角形の問題が出てきたり、三角形がかけない場合もあることに気づく。

 また、作図した二等辺三角形を並べて比較することで、辺の長さと角の大きさの関係をとらえたり、正三角形、直角のある二等辺三角形と二等辺三角形の関係をとらえたりすることもできる。
つまり、二等辺三角形の問題づくりを通して、三角形そのものの見方を高めることができるのである。
作図ができないときには、「なぜ適当でないのか」「どこの数値をどのように修正すればよいのか」を考えさせるようにする。
このできない経験こそ、意味のある学習であり、算数をつくりだす力の基になる。
また、「どの辺からかき始めるのが最もかき易いか」「図形の向きはどうなるか」等を意識させる。
そして、数多くかく中で、他のかき方があることにも気付かせたい。

授業資料