地理歴史・公民科 1人1台端末とG-Suiteを活用した授業例
地理歴史・公民科では、「一人一台端末」、「インターネット」、「G—Suite各アプリ」の活用具体例として、下記(1)~(3)を示します。
(1)G-Suiteアプリ「Forms」(フォーム)を用いた小テストの実施 例:授業の導入で実施する小テスト 教員が「Forms」で作成した問題を、生徒の端末に示して解答させる →すぐ採点でき、その場で分析して、授業の内容に反映させることもできる |
(2)インターネット上の画像や資料、動画の提示 G-Suiteアプリ「ドキュメント」を用いた個別学習 例:地理・歴史の授業 教員が画像や資料、URL等を、生徒の端末に送信する 生徒が「ドキュメント」の文章や画像等を、教員の端末に送信し、共有する →生徒が手元で資料を読み取ることで、学習内容のより深い理解につながる |
(3)G-Suiteアプリ「Jamboard」(ジャムボード)を用いた協働学習 〃 「スライド」を用いたプレゼンテーション 例:公民「持続可能な開発(SDGsについて)」の授業 生徒が「ジャムボード」を用いてグループで意見を共有しながら話し合う 生徒が「スライド」をクラウド上に作成・保存し、共有する →グループ全員が同じタイミングで意見を共有し、スライドを作成できる |
ここからは、実際に上記(1)~(3)を行う際の手順について、3つの授業展開例を挙げながら紹介します。
0 事前準備(小テスト作成)
1 導入
2 展開例A(地理総合)
3 展開例B(歴史総合)
4 展開例C(公共)
5 展開例A・B・Cのまとめ
6 地理歴史・公民科学習リンク集
0 事前準備(小テスト作成)
① アプリから「Forms」を選択し、「空白のテスト」を選択する。
② 「空白のテスト」にタイトルを付ける。
③ 「無題の問題」に問いを入力する。
④ 選択問題の場合、選択肢を記入する。 記述式の場合、記述式を選択する。
※新たに問題を追加する場合は+を、選択肢を画像にする場合は「画像を追加」をクリックする。
⑤ 「解答集を作成」をクリックし、正解と得点を選択する。
1 導入
0 事前準備で作成した「フォーム」を用いて、小テストを行う。
画面上部の「回答」タブをクリックすると、他の生徒の回答が確認できる。
2 展開例A(地理総合)
「自然環境と防災」身近な地域の地形と災害リスクについて
① 「地理院地図」の「地形分類図」から災害リスクを調べる。
(手順)「地理院地図」→左上のタブ「地図」→「土地の成り立ち・土地利用」→「地形分類(ベクトルタイル提供実験)」→「地形分類(自然地形)(人工地形)」をクリック
★地図上を左クリックすると、土地の成り立ちの解説と災害リスクが表示される。
実際に下の地図にマウスポインタを重ねて、手の形になるところをクリックしてみてください。
② 「山口県土砂災害警戒マップ」から災害リスクを調べる。
★□に✔を入れると、自宅や学校の近くで、どのような土砂災害のリスクがあるかが分かる。
※上記①②を組み合わせ、自宅や学校付近で、どのような災害リスクがあるか調べることができる。
③ 「避難経路図」を作成する。
①②で調べた地形や災害リスク等の情報を踏まえ、「避難経路図」を作成する。
(手順)「地理院地図」右上の「ツール」→「作図・ファイル」をクリック→「点(アイコン)の追加」「線を追加」
【作成例】地図中の赤いラインが上記(手順)で引いた避難経路
④ 生徒は、作成によって得られた感想を「ドキュメント」に記入し、「避難経路図」のスクリーンショット(Jpegファイル)をペーストしたものと合わせて、授業者へ提出する。
3 展開例B(歴史総合)
「第一次世界大戦」大戦の推移や日本などの各国へ与えた影響
① 「NHK for School 第一次世界大戦と国内外の関係」を視聴する。
② 「巴里平和条約実施問題一件(0043第四章 結言)」(国立公文書館デジタルアーカイブ)を読む。
※ アジア歴史資料センター 公開 / 外務省外交史料館 所蔵
③ ①②の後、授業者は第一次世界大戦が日本に与えた影響についての『問い』を生徒に与え、生徒は自らの答えを「ドキュメント」にまとめる。
【『問い』の例】
「当時の国民や近隣諸地域は、日本の対外進出をどう捉えたか」
④ 生徒は授業者に対し、完成した「ドキュメント」を提出する。
4 展開例C(公共)
「持続可能な社会づくりの主体となる私たち」-SDGsと県内企業・自治体等の取組について-
① SDGs17目標をグループに分け、生徒はグループごとに、SDGsに取り組む県内企業や自治体の取組について、インターネットで調べる。
例)「JAPAN SDGsAction Platform」の「取組事例」を調べる。
(手順)「トップページ」→ピンクのタブ「取組事例」→17目標の下にある「企業」「自治体」等→各「企業名」「自治体名」等をクリック
★各「企業名」「自治体名」等をクリックすると、個別の取組事例が表示される。
② 各グループで調べた情報について、「ジャムボード」にまとめる。
ジャムボードをグループで使用するための初期設定
・各グループのうち、一人が「Jamboard」を選択し、画面右下オレンジ色の+をクリックすると、新規のジャムボードが作成される。
・画面左上の「無題のJam」に題名を入れ、右上の「共有」をクリックする。
グループ全員のメールアドレスを記入する。
送信をクリックすると、共有が完了する。
ジャムボードの使い方
付せんは、5色の使い分けができる。
画像の貼り付けも可能。
④ 生徒は、各個人で調べたSDGsに取り組む企業や行政機関の情報について、グループ内のジャムボードで入力する。(共有は前述③で済んでいる)
⑤ 各グループの「ジャムボード」を参考に、2枚目の「ジャムボード」を作成し、さらに話し合う。
⑥ 各グループで共有した「ジャムボード」の情報をもとに、「スライド」を作成する。
スライドをグループで共有するための初期設定
・各グループのうち、一人が「スライド」を選択し、新規のスライドを作成する。
・画面左上の「無題のプレゼンテーション」に題名を入れ、右上の「共有」をクリックする。
・「ユーザーやグループと共有」に、グループ全員のメールアドレスを記入する。
送信をクリックすると、共有が完了する。
⑦ グループごとに、作成した「スライド」について発表する。
⑧ 生徒は、授業者が「フォーム」で作成した発表評価アンケートに入力する。
(作成方法は0 事前準備参照)
5 展開例A~Cのまとめ
① 授業者は、各生徒から提出された「避難経路図」、「ドキュメント」、発表評価アンケートを生徒同士で共有できるようにする。
② 生徒は他の生徒が提出した資料を見て、自らの考えと比較・統合し、さらに考察を深める。
③ 今回の学習の振り返りを行う。
6 地理歴史・公民科学習リンク集
【地理歴史・公民共通】
・「統計関係リンク集」:総務省
・「NHK for School」:NHK
・「ふるさと学習コンテンツ 知っちょる!?やまぐち」:山口県教育委員会
・「やまぐち総合教育支援サイト」:やまぐち総合教育支援センター
【地理】
・「RESAS 地域経済分析システム」(使い方):経済産業省・内閣官房
・「政府総合統計窓口(e-Stat)」(使い方):総務省
・「山口県土砂災害ポータル」:山口県土木建築部砂防課
【歴史】
・「国立歴史民俗博物館」:資料・データベース
・「東京国立博物館」:研究情報アーカイブズ
・「国立民族学博物館」:データベース
・「国立公文書館デジタルアーカイブ」:データベース
・「山口県の先人たち」:公益財団法人 山口県ひとづくり財団
【公民】
・「JAPAN SDGsAction Platform」:外務省
・「ESDポータルサイト」:文部科学省
・「なるほど!選挙」:総務省
・「消費者教育ポータルサイト」:消費者庁
・「知るぽると」(暮らしに役立つ身近なお金の知恵・知識情報サイト):金融広報中央委員会