1年「くりさがりのあるひきざん」〜のこりはいくつ〜 









 10までのひき算は学習しているので、ゲームで楽しく復習しながら、自然に繰り下がりのあるひき算に結びつけようとする展開である。
持ち点を10点とし、2人組でゲームをする。
ジャンケンをし、勝った方からカード(0〜9)をめくり10からひく。
次に負けた方がカードをめくり10からひく。
 最近、子どもたちのゲームに、また減点式カードゲームが増えてきたため、ルールについて案外簡単に理解できる。

○ 持ち点10点のゲーム
 持ち点10点で、2人組のゲーム開始。
「3がでたので、10−3だ。のこりは7になっちゃった」
「10−5で、のこり5だ」
 式と答えを記録表に整理しながら、どんどんゲームに集中していく。
「4が出たぞ、7−4は3で、のこりは3だ」
「6が出ちゃった。5−6は引けないので、わたしの負けね」
 10−□の計算は、次の繰り下がりの計算で、大切な技能となる。
個人別指導をしながら、計算の苦手な子・間違いの多い子には、
「おはじきを使って、確かめてごらん」
と声を掛け、操作を通して答えを確認させていく。

○ 持ち点15点のゲーム
 どの子も数回行なったところで、
「すぐに、負けちゃう子がいるので、持ち点をふやして15点でやってみよう」
と投げかけ、ゲームを再開する。
すぐに、
「えーっ、15−3はできるけど、15−7はわかんないよ」
 繰り下がりの計算について、学習していないのですぐに答えが出せない。
 そこで、計算棒、計算積み木、おはじきを使って、のこりを求める方法についてい  ろいろ考えさせる。
子どもたちの操作の様子をみると、具体物を使った「数え引き」の方法が多く見られる。
 ここでは、おはじき操作を繰り返しながら、ゲームを進め、数え引きの計算の不便  さを感じさせる。

○ 持ち点を決めてゲーム
 自分たちが持ち点を決めて、ゲームする。
12点、16点、17点など、子どもたちが決めて計算する。わからないときは、二人で教え合う。
二人ができるまで、次のカードは取らないことにする。
被減数を変えることで、補助具を使うことにより、計算はできるが、手間がかかって不便なことを十分味わわせる。

「もっと、簡単に計算ができるようにしよう」
と投げかけ、減加法による繰り下がりの計算の仕方について知らせる。
 減加法の15−7では、15を10と5に分けて、10のまとまりから7を引いて3。
そして、5と3をたす。
 計算の仕方はよく理解できる。
しかし、これが強く刻み込まれると、繰り下がりのない場合にも10のまとまりからひたり、使い分けにやや混乱が見られる。
 減減法では、15から7をひくのに7を5と2に分ける考え方で、あるが少しむつかしさがある。





 計算の仕方がわかったので、計算の練習をする。
まず、計算カードを作成する。
カードは画用紙を利用して子どもたちにつくらせる。
カードは15点のときの式として、
 15−9, 15−8、 15−7、 15−6、 15−5
のように作成していく。
 こうしたカードづくりは、順序よく調べたり、問題をつくったりする上で大切な学習の仕方の1つである。
カードはひかれる数11〜19まですべてつくらなくても、子どもたちの考えで作成させるので、繰り下がりのない式もあってよい。
 このあと、ゲームをする。
ゲームは、カード合わせ、カード並べ、カード取り、カードを使った残りの点数ゲームなど工夫させる。


 持ち点をいろいろ工夫して与えることで、子どもたちに様々なひき算を行なわせることができる。
子どもたちは、遊びを通して、また、必要感に迫られた時、少ない既習事項(生活経験)の中から、何とか答えを導き出そうとしていた。
 入門期における算数指導では、とりわけ子どもたちなりの考えを大切にしながら、基本的な内容について確実に身につけさせるようにすることが大切であろう。

授業資料