・ 各教科の基礎学力の向上 
 ・ 資格取得率の向上

 基礎学習の時間

       全校一斉実施
 学     校
   
  
@ 基礎学力が不足している
                《ここに注目!》

   A 予習・復習の習慣がない

   B 明確な学習目的がない

   C 真剣に考査に取り組めない

   D 進路意識が希薄である

進路実現に向けて、全校生徒による放課後の基礎学習を実施し、
資格取得の奨励と技能審査による単位認定を行う。

[概 要]
        〈本校生徒の特徴〉
                                           計画
                                     




                                            目標
■ 年度ごとに基礎学習の指導方法を立案し実行する。年度末に点検し、改良する

  平成14年度から開始した基礎学習の指導内容については、前年度の反省を踏まえ、毎年改良を加えてきた。

◆ 平成14・15年度の指導方法
  平成14・15年度は、数学を週五日指導した。まず、年度当初に基礎学力判断テストを行い、成績の結果と本人の希望を考慮し、習熟度別クラス分けを行った。なお、クラス分けについては、
     数学検定5級程度の算数を学習する「Aクラス」 
     数学検定4級程度の数学を学習する「Bクラス」
     数学検定3級程度の数学を学習する「Cクラス」
とした。
  各クラスの学力に応じた問題をプリント形式で出題し、同一問題を年間を通じて計2回演習させ、内容の定着を図った。
  また、必要に応じて講義も行ったが、B及びCクラスの指導は主に数学科教員が担当し、Aクラスの指導は他の教科の教員が担当するなど、全教員の協力体制の下、指導を展開した。
  毎日放課後、全教員が各教室で講義と演習指導、採点を行った。運営上の問題として、特に数学科以外の教員の負担が大きかった点があげられる。
  また、数学力の向上には国語の文章読解力も必要であり、さらに英語に関しても基礎学習を行う時間が必要であると考え、これらの科目を次年度の指導内容に加えることとした。

◆ 平成16年度の指導方法
  平成16年度は、数学(週三日)及び国語(週一日)並びに英語(週一日)の指導を行った。以下は各科目の実施状況である。                                         

・ 数学
  前年度と同様の方法で習熟度別クラス分けを行い実施した。指導初日に講義、二日目に講義内容に関する1回目の演習、三日目に質疑応答も含めた2回目の演習を行った。また、講義については、全クラスとも数学科の教員が行い、基礎・基本の理解と定着を確実に図るよう心掛けた。
  なお、他の教科の教員は演習時に採点のみを担当し、教員の負担軽減を図った。

  ● 「数学」の指導風景 ●
・ 国語
  本人の希望を考慮し、習熟度別クラス分けを行った。
  クラス分けについては、基本的な常用漢字の読み書きを学習する「基礎クラス」と、高度な常用漢字の読み書きと漢字検定合格に向けての演習を行う「検定クラス」とした。漢字検定受験希望者は、原則として自分が受験を希望する級の問題集を購入し学習を進めた。指導は国語科教員が行った。また、漢字検定を受験しない者は、授業に関するプリントを演習した。指導は国語科以外の教員が行った。
・ 英語
  本人の希望を考慮し、習熟度別クラス分けを行った。
  クラス分けについては、英検の到着目標に沿った演習を行う「検定クラス」と、基礎的な単語の読み書きを行う「基礎クラス」とした。検定受験希望者は、原則的として自分が受験を希望する級の問題集を購入し学習を進めた。指導は英語科の教員が行った。
  また、単語練習の者は、基礎的内容の単語について演習した。指導は英語科以外の教員が行った。


  複数科目を導入したことで、教員・生徒とも目先が変わり、取り組みやすくなった。また、数学に関しては数学科教員による講義を展開したことで、内容に対する生徒の理解力が向上した。
  しかし、科目ごとの学習時間が減少したことにより、基礎的な計算能力の定着が前年度までに比べると、やや不十分であった。
  さらに、担当科目が増加したことにより、当該科目の教科担当者をはじめ、他の教科の教員の負担も依然として大きかった。

◆ 平成17年度の指導方法

  平成17年度は、前年度の数学・国語・英語に加え、一般常識・パソコン・資格取得課外・進学課外を実施した。
                                           

・ 1・2年生に対する指導の概要
 各生徒の到達度に応じて数学・国語・英語の問題演習を行った。ワープロ等の基礎技術を指導した。

・ 3年生に対する指導の概要 
  進路希望に応じて「進学課外」又は「一般常識問題」を選択させた。同時に、資格取得希望者は検定課外の受講も可能とした。

   基礎学「パソコン演習」
       の学習風景


  数学・英語・国語及び資格取得・進学課外については、前年度までと同様、各教科担当が問題を作成した。講義・演習・採点等は全教員で担当した。なお、パソコン指導は商業科教員が担当し、ワープロ・表計算・パワーポイント等、通常授業において活用できるスキルを身につけさせることを目的とし、実施した。
  各科目の実施状況については、以下のとおりである。

・ 数学
  基礎クラスにおいては、20分間のうち15分間はプリントを用いての講義及び演習を行い、残りの5分間で小テストを実施するというスタイルをとった。講義の後に小テストを実施することで、計算問題については昨年度に比べ定着率は向上したように思う。しかし、出題数が多く、生徒によっては時間が足りないこともあった。
  学期末に実施した学力定着度確認テストでは、全体的に正解率は高かったものの、依然として小数や分数の基本的な計算ミスをする生徒もいた。また、文章問題については、問題の意味を理解していない生徒が目立った。

・ 英語
  基礎コースでは、中学校で学習する基礎的な単語学習を行った。毎時間、設問の3割は前時の演習問題から出題し、学習内容の定着を図った。
  検定コースでは、各自が受験する級の問題集に取り組ませた。家庭でも学習できるように課題を準備した。
  学期末に実施する学力定着度確認テストは、中学校で学習する範囲で出題したところ、2年生の正解率が1年生を上回った。これは、昨年度の基礎学習の成果が出ていると考えられる。しかし、今年度実施した確認テストについては正解率が低く、定着率の低さが目立った。

● 数学学期末確認テスト・コース別正解率 ●     ● 英語学期末確認テスト・コース別正解率 ●

基礎Tコース
(17人)
正解率
基礎Uコース
(15人)
正解率
検定コース
(4人)
正解率
基礎Tコース
(18人)
正解率
基礎Uコース
(12人)
正解率
検定コース
(6人)
正解率
1年 70% 85% 1年 55% 78% 50%
2年 91% 84% 68% 2年 73% 92% 73%
■ 山口県内の公立高校初の「技能審査による単位認定」を導入し、学習意欲の向上を図る

  基礎学習の時間に実施している資格取得において、生徒の学習意欲の向上を図るため、山口県初の「技能審査による単位認定」を導入した。

◆ ねらい

 ・ 生徒の学習意欲を高め、優れている能力を一層伸ばす。 
 ・ 資格取得で進路選択の幅を広げる。
 ・ 関連する科目の授業内容をより深く理解させ、成績を向上させる。

◆ 運用及び実績
  本校の卒業要件単位である74単位の中に、技能審査によって認定された増加単位を含めることにした。なお、平成16年度は単位認定に該当する資格を取得した生徒が4人おり、過去最高となった。

■ 基礎学習アンケートを通じて、基礎学習に対する生徒の意識を把握する

◆ 自己評価(学力面)
   ・ 学力が向上した ・・・ 75%
   ・ 学力は変わっていない ・・・ 25%
◆ 生徒の感想(平成15〜17年度抜粋)
   ・ 基礎学習をすることで、今まで分からなかった問題が分かるようになった。
   ・ 計算事務のそろばんの効果もあって、計算力が上がったと思う。
   ・ 計算が速くなった。授業で難しい問題も解けるようになったのは、基礎学習で鍛えられたからだと思う。
   ・ 苦手な部分がまだ残っていて、それを克服できていないのが残念である。
◆ 教員の感想(平成15〜17年度抜粋)
   ・ 算数の初歩から理解できていない生徒もいる。実生活に即した事例を提示しないと、なかなか頭の中でイメージできない。
   ・ 数学的用語(立方体・辺など)を含め、問題文そのものの意味が十分に理解できていない。
   ・ 計算の正確さやスピードが足りない。
   ・ 最低限、四則計算はマスターさせたい。
   ・ 学習態度は非常によく、集中して取り組んでいた。
   ・ 単純な計算についての基礎学力は向上が見られる。(加減乗除、九九 等)


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