◆よきパートナーも得て、いざ起業家に 2
 結婚をして山口に戻った僕は、さっそく事業設立の準備に入った。
海を見渡せる土地にログハウスのリゾートオフィスを建設。
自己資金はわずかで、地元銀行の融資と山口県の新規起業家融資と親からの借入で開業資金とした。
  事業内容は、今までつちかってきたノウハウを徹底活用。
  パリのデザイン事務所にデザインを発注し、中国の工場に生産委託いたくする仕組みを整備。
  国内販売網も全国の取引先が協力してくれて順調なスタートを切ることができたのはハッピーだった。
 現在、本社は光市郊外に山口県が整備したリゾートオフィスパークに移転。
  ここは、山口県がファッションやソフトウェアなど、知識集約型で若い頭脳を必要とする業種の集積を目的として整備したオフィスパークで、特に僕の会社では高度情報通信サービスを導入し、パリのデザイン事務所や中国の縫製ほうせい会社とテレビ電話や高精度カラー画像情報を駆使して、打ち合わせをリアルタイムでやっている。
  そのほか、下関市にある国際的な貿易センターの中に自社物流センターがあり、海外生産の製品を流通加工し、全国の店舗に配送する仕組みにもした。
 デザイナーとしての才能がどんどん開花していく妻は、長男、長女を出産しても、職住近接の環境の中、たいへんな時期はあったけど仕事は続け、今や、僕は経営管理全般を、妻は商品企画に専念するという分業体制がバッチリできた。