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14 「つむじ(旋毛)」のことを「まぇーまぇー」と言う  
 頭の「つむじ(旋毛)」のことを、山口県周防域の方言では「まぇーまぇー(まいまい)」と言います。「つむじ」を表す最も古い語は、その形状を直接的に表現した「まき(巻)」であったと考えられ、これは現在でも山形県の日本海沿岸、神奈川県の一部、沖縄などに方言として残っています。「まき」の重複形「まきまき」の「き」がイ音便化し、これに「舞い舞い」の解釈が加わってできたのが「まいまい」です。現在も県内の広い範囲で行われている、伝統的山口弁の音韻法則によって連母音アイ[ai]はアェー[æ▲]と発音され、「まいまい」は「まぇーまぇー」となるのです。
 山口県では周防域を中心に「まぇーまぇー」(「まいまい」)と言う地域が広く分布していますが、長門域では「ぎり」とか「ぎりぎり」などと言う所が多いようです。この語は「錐」や「きりきり舞い」「きりもみ」といった言葉に見られるように、廻っている状態を表す擬態語の「きり」から派生したものと思われます。
 
        森川信夫著『面白くて為になる 山口弁よもやま話』より
 
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