【山口弁よもやま話】コンテンツリスト
|-サビエル君と山口婆さん
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19 「たこ(凧)」を「よーず」と言うこと
かつて正月の代表的な遊びのひとつとして凧揚げがありました。山口県でも三十年ほど前までは、正月に多くの子供たちが和凧を揚げている風景があちこちで見られましたが、生活が経済的に豊かになるのに伴い、この素朴な遊びは急速に衰退していきました。
若年層は殆ど使わなくなりましたが、山口弁では「たこ(凧)」のことを「よーず」と言います。「よーず」は山口県全域と広島県の東端を除く大半の地域、それに島根県の山口県寄りの地域で用いられる方言です。これと似た方言に長崎県北部の「よーちゅー(よーちゅ)」「よーちょー(よーちょ)」があります。『長崎市史風俗編』は長崎の十五種類の「たこ」を紹介していますが、そのひとつに「鷂子」というのがあります。これはもともと、中国語で「凧」の意を表す言葉であり、「鷂」は鷹の一種をさす文字なのだそうです。「よーず」の語源を中国語の「鷂子」だとする説もありますが、はっきりしたことはわかりません。
森川信夫著『面白くて為になる 山口弁よもやま話』より
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